2016/12/26

自己紹介と見られたい自分像

ドイツ語の授業で,自己紹介を書きましょうという課題が出た。自己紹介を書くという以外に条件はなく,好きなことを好きなだけ書いていいとのことだった。それで早速書き始めたのが,自己紹介を書くって意外に難しい。ドイツ語だから難しいということではなくて,そもそも自己紹介として何を相手に伝えるかを決めるのが難しい。

自己紹介とは,自分はこういう人間です,というのを他者に伝えることである。では何を伝えたら自分がどういう人間かを相手に伝えられるのだろう。まず自己紹介で真っ先に書くことといえば,名前だろう。で,名前を書いたあと早速,次何を書こうか?となった。思いついたこといえば,住んでいるところ,出身地,年齢,専攻,仕事,趣味,性格である。それ,それらについて書く内容を考えてみた。茨城県出身です。心理学を学んでいます。英語講師をしています。日本語にするとこんな具合である。

一通り考えた後,いくつかのことを思った。1つ目は,年齢を書くのはやめようということ。私はアラサー大学生であり,年齢を書けば必ず,なんでアラサーで大学に?という話になる。説明するのが面倒であるゆえ,書くのをやめることにした。そして2つ目は,私の性格ってどんなだかよく分からんなということだった。性格を表す言葉はたくさんある。明るい,責任感がある,人見知り,裏表がない,マイペースなどなど。それでこれまでの自分の経験を振り返りつつ,どんな表現に収束できるかを考えていったのだが,ぴったりはまるものが見つからない。自分のこれまでの行動や考え方を振り返って,これだと感じる性格の表現があっても,「でもこういうエピソードのあったからそうは言えないかも・・・」みたいなことを気にし始めて,自信を持って言えないのである。かといって,暗い,自分勝手などのネガティブな性格表現を進んで使う気にもならない。授業でしか関わりのない先生に,あえてそんなことを言う必要もないであろう。ということで,性格を組み込むのもやめにした。そして3つ目は,私の自己紹介つまらない・・・ということであった。自分が誰かの自己紹介を聞くときに,相手の住んでいるところや出身,専攻,仕事,趣味などが何かを聞いたところで,正直どうでもいいことではないか。相手が言ったことの中に自分との共通点が見つかれば,それは興味を持つきっかけとなるかもしれない。でもそれがなかったら,聞いたところで「へーそれで?」って感じである。客観的な事実だけを羅列した自己紹介はつまらなく,その人らしさがあまり出てこない。そこで,主観的な話を盛り込むことにした。例えば仕事についてだったら,なんで英語講師をしているのかや仕事についてどう思っているかなど。例えば趣味についてだったら,その趣味にまつわる具体的な思い出やそこで感じたことなど。そんな調子で書き進めていき,最後は今後やってみたいこととその理由を書いて一通り書き終えた。主観的な話をいろいろ書いたので,私がどういう人間かがそこから垣間見ることができると思うし,事実を羅列しただけの一本調子の自己紹介よりも私という人間を多く紹介できたと思う。

冒頭で,自己紹介って意外と難しいと述べた。上述した自己紹介完成までのプロセスが示している通り,その難しさは,相手に伝えたい自分像と伝えたくない自分像,相手に思ってほしい自分像と思ってほしくない自分像を考慮しながら,伝えることと伝えないことを選別し,伝えることについてはどう伝えるかまで気にかける,ということから生まれて来るのだと思った。自己紹介は自分で何を伝えるか選ぶことができる。それゆえ,自己紹介を聞いたり読んだりして相手が受けるであろう自分の印象をある程度操作することができる。そのメリットを最大限生かそうとするからこそ,難しくなるんだろう。

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