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2018/04/06

無料だよ! 本郷・御茶ノ水散策

都内で美味しいラーメン屋探しをしていたときのこと(http://yukiron.blogspot.jp/2018/03/blog-post_19.html),本郷にある瀬佐味亭に行ってみることを決めたので,ついでにあのあたりを散策してみようと思いついた。本郷はなかなか行かないエリアなので,せっかくだからいろいろ見てみようと思ったのだ。それであのあたりを調べてみたら,なんと無料で見られる博物館が3つもある…!というわけで,3つの博物館をはしごしてきた。

東京都水道歴史館http://www.suidorekishi.jp/
江戸の上水システム
今回訪れた3つの博物館の中で,個人的に一番良かったのはココ!特に2階の,江戸時代,江戸の人々がどうやって水を手に入れ,使っていたかを知れる展示の数々がツボだった。水をひくって,本当に大掛かりな工事だ。しかもただ工事すればいいって話ではない。土壌や高度,人口分布など土地のことも考えなくてはいけない。現在でさえそうなんだから,400年前の江戸時代なんてもっと大変だったに違いない。それを人力と知恵をフル活用して,江戸の町に水を持ってくるという…。本当にすごいことだよ。
江戸時代の水道管は,木で作られていて木樋と呼ばれている。その木樋は,もちろんでかい!そして,1本の木樋の端っこには記号がついている。これは,その木樋にどの木樋をつなぐかを示すものだ。そして,つなぎ目には,檜や杉の内皮で作った繊維を詰めて,水漏れを防ぐ。当時の人々の創意工夫を感じられる。
記号を使って木樋をつなぐ
木樋
木樋
江戸時代の上水井戸
家庭では主に,上水井戸から汲み上げて水を使っていたようだ。上水井戸は数軒に1つ。飲料として,台所で,洗濯に,お風呂にみんなで使う。といっても潤沢に水があるわけではないので,無駄使いはできない。蛇口をひねれば水が出てくる生活をしている私が,もし江戸時代にとばされたら,思い通りに水を使えなくてイライラするに違いない。
発掘された上水跡
敷地内にある神田上水の復元
1階には,明治時代以降の東京の水道についての展示が並んでいる。今の都庁のところにあった,淀橋浄水場の写真や,水道管の変遷,戦時中の水の使用に関する注意記事,奥多摩にある小河内ダム,水をひくネットワークのことなど。江戸時代では単に「町に水をひく」だった。それだけでもすごいことだった。でも技術が発展して,知識も増えた現在は,「安全でおいしい水を絶やすことなくひく」ことができるようになった。改めて考えてみると,それって本当に幸せなことだ。そしてそれまでにはたくさんの人の力が必要だったのだ。1階ではその過程を知ることができる。
展示をすべて見終わったところで,東京の水道水の試飲の案内を発見した。東京の水のこと,こんだけ学んだら飲んで帰らずにはいられない!と思って,早速受付の人にお願いしてみた。すると,冷たくて透き通った,コップ1杯の水を出してくれた。味わうようにゆっくり飲んだ。これは美味しい…。東京では蛇口ひねるとこの味が出てくるのか…。私の住む某政令指定都市の水道水より断然うまくてびっくりした。


東京大学総合研究博物館http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/UMUTopenlab.html
本郷といえば東大だよね!東大になんか面白いものはないかと調べていたら,博物館が併設されているではないか。ってことで行ってみた。ここの博物館のいちばんの見所は,入り口入ったところにあるコレクションボックスではなかろうか。撮影不可のため,ここで写真を紹介できないのが残念だが,約100弱の展示物‥蝶の標本,動物や人の骨,埴輪や土器,装飾具などの出土品,日本の鉱物,被爆瓦などが,大きなガラスケースの中に収まっている。学者の作った蝶の標本の実物を見たのは初めてだったのだけれど,身体のどこかが微妙に違うたくさんの蝶が大量に並んでいるビジュアルは圧巻だった。
掘り出された土偶,道具など
人骨
コレクションボックスの外にもたくさんの展示があった。「総合研究博物館」の名にふさわしく,動植物の標本や剥製,鉱物,化石などいろんなものが並んでいる。展示の一つに,アイスランドガイの標本があった。ラベルの説明に目を通すと,人間より長生きな長寿の二枚貝とな…!何歳くらい生きるのか気になって,ささっとネットで調べてみたら,なんと507歳のアイスランドガイについて書かれた記事を発見…。500年前って,日本じゃ戦国乱世じゃないか。すごいな,おい…。
年代測定装置(AMS)
それからこの博物館には,放射性炭素年代測定ができる装置が置いてあります。モノに含まれている炭素の量で,それがどれくらいの年代のものなのか高い精度で分かるって話は聞いたことがあったのだけど,装置を見たのは初めて!ちょっと興奮した。


明治大学博物館https://www.meiji.ac.jp/museum/index.html
本郷と御茶ノ水は目と鼻の先だったのですね…!ということで,前から気になっていた明治大学に併設されている博物館にも行ってきた。私はその昔,明大生だったのだけど,在学中は博物館になんて行こうとも思わなかった。でも卒業後,博物館に行った友達の,「あそこギロチンがあるよ」との一言を聞いてから,いつか行ってみようと思って延ばし延ばしになっていたのだ。
ここの博物館は,「商品」「刑事」「考古」の3テーマで構成されていて,花形の展示は「刑事」。ギロチンありました。レプリカですが。それ以外にも,ヨーロッパ,中国,日本で使われていた拷問器具のレプリカや使用方法などを示した絵,記録が展示してある。個人的には,江戸時代の拷問の展示が興味深かった。テレビで見る歴史ドラマや時代劇では拷問シーンは出てこないし,そういう本も読んだことがない。だからとても新鮮だった。よくまぁこんなにたくさんの種類の拷問(罰)を考えたなと思いつつ,実際に拷問器具を使っているところの絵を見ていたらだいぶ怖くなった(汗)拷問だから当たり前ですが,あれやられたら絶対痛いし絶対辛い。いろんな拷問があることからも分かるように,江戸時代の刑罰はけっこう複雑なようだ。ところで,島流しは死刑の次に重い刑だと聞いたことがある。個人的にはあの拷問器具で拷問されるよりも島流しのほうがいいのだが…,島流しってそんな軽く考えていいものではないんだろうか…。
ところで明治大学といえば,旧日本陸軍の登戸研究所の跡地に生田キャンパスがあることでも知られている。登戸研究所に関する資料は,生田キャンパスの「明治大学平和教育登戸研究所資料館」(https://www.meiji.ac.jp/noborito/index.html)に展示してあるのだが,こちらも興味深い。旧日本陸軍が,敵に対してどんなことを仕掛けようとしていたかを知ることができる。正直,原爆と比べたら雲泥の差なのだけれども…。あまり公には報道されない情報がつまっているから,訪問して損はないと思う。ちなみにこちらも無料です。

紹介した博物館はどこも規模が小さめ。ゆっくりめに観覧しても2時間くらいで全部見終わるんじゃないだろうか。近くにお出かけの際は,ぜひ立ち寄ってみてください~!