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2019/02/12

コーチング関連本を読んでるよ Week 7~

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。

◇「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」マーシャル・ゴールドスミス
原著のタイトルは「What Got You Here Won't Get You There」。翻訳タイトルよりはるかに本の中身に適したタイトルなのであえて紹介しているが,英語らしく,そして,興味を引きつけるタイトルだ。
―あなたをここまで連れてきたものはそこには連れて行かない。この本はここからスタートする。つまり,ここ(今)へとあなたを導いたものに頼っていては,そこ(より良い未来)へは行けないのだよ,と。
というわけで、そこに行くために,何をなぜ手放すべきかを教えてくれる。手放すことで得られるものは,そこへの近道となるようなスキルである。しかも,おそらくこれがこのコーチの手法の肝と思われるが,手放し,手放した状態をデフォルトにするために,他人からのサポートを最大限利用する。その方法に関しても述べた本である。
アメリカで何人もの大企業の経営者のコーチをしている著者だけあって,具体的かつ現実的な情報にあふれた内容だ。手放すべきものは明快だし(多くの人にとって手放したほうがよいこと20個が提示されている),どのように他人に協力してもらうかの手順(フィードバック,フィードフォワード)や,他人の協力に対してすべき反応(ありがとう)も指南してくれる。そして,自分を客観的に分析すること,自分の力だけで自己変革を起こすことの難しさを承知しているがゆえ,他人を巻き込み自分と他人でwin-winの状態にするという現実的な解決策を提示する。他人の手を借りるという点がネックになる人もいるだろうが,あなたに誠実に接してくれる他人と共にこの本の内容をやっていけば,変われることは大いに期待できそうだ。もちろん,あくまでも他人ではなく,自分が主体的にやっていくことが重要なわけだが。
何かを始めることも変わることだが,何かをやめることもまた変わること。まずは1つ,悪癖と早々にさよならしよう。

◇「イッセー尾形の人生コーチング」朝山実
尾形イッセーの一人芝居の演出家による,一般人向けの演劇ワークショップのルポ。4日間だけのワークショップは,演劇のプロを目指すためのものではなく,「気づく」ことに主眼が置かれているように思える。普段自分がどんな行動をしているか,他人をどれだけ見ているか/見ていないか,自分はどれだけ他人と違っているのか,追い詰められたら自分はどんな力を発揮するのか,など。
演じ方の1つとして,気持ちは全く考えずに徹底的に演じるものの形や動きを真似するというのが面白いと思った。それが見る人にとって自然な演技になるようだ。真似に徹することで,自意識からも解放される。自分が自分を認識しているように,他人はあなたを認識していないことを示す例でもある。

◇「エンパワーメント・コーチング」マイケル・シンプソン
エグゼクティブ向けにコーチングを提供する著者。7つの習慣で知られているフランクリン・コーヴィー博士らが設立した企業でコンサルタントも務めている。
著者が考えるコーチングの原則は,信頼,潜在能力,コミットメント(決意),実行。コーチとクライアント間にはまず信頼があり,だからこそクライアントの潜在能力を信じ,見つけ,伸ばすようコーチは動く。それによって,クライアントは何かを行うことを決意し,実行する。クライアントがコーチを使って目標を達成していくとき,そういうプロセスをたどる。そして本書では,このプロセスにおけるコーチングスキル7つ,信頼を築く,パラダイムを疑う,戦略を明確化する,完璧に実行する,効果的なフィードバックを提供する,才能を引き出す,中間層を押し上げる,についても書かれている。
フォードバックに関する章では,人が耳に痛いFBを受けたときの反応モデルSARAHフィードバックモデルが書かれていた。Shock→Anger→Rejection→Acceptance→Humility, Helpという流れで人はFBを受け止めるらしい。自分の反応の仕方を思い返せば,納得の流れである。

◇「部下を伸ばすコーチング―「命令型マネジメント」から「質問型マネジメント」へ」榎本英剛
90年代から,コーチングの普及に取り組む著者。米国で組織論,変革論等を学び,コーチングの資格の1つであるCPPC(Certificated Personal & Professional Coach)を取得している。
本書では,コーチングとは何か,時代の変化によるコーチングの必要性,東洋医学の人間観と照らし合わせながらコーチングを捉える,5つのコアスキル(質問のスキル,傾聴のスキル,直観のスキル,自己管理のスキル,確認のスキル),コーチングを導入することによって生じる個人の働き方の変化,それに続く社風の変化,さらにはそれが売上増への貢献に続くことが紹介されている。

◇「ハッピーになるための恋愛コーチング<」近藤直樹,土井英里佳
恋愛指南本。恋人との関係や夫婦関係が終わりをむかえるときのパターンを提示し,お互いにとって心地よい関係を育むにはどうするかを説く。自分を見つめ,受け入れる,相手と率直に話し合う,そのままの相手を受け入れる,現実と解釈を分ける,今に過去を持ちこまない,のアドバイス的なものが書かれており,一人でできるトレーニング・ワークのやり方も掲載。恋愛関係だけでなく,人付き合い一般に応用可と思う。

◇「恋愛コーチング」平本相武
恋愛指南本。傾聴することや自分の求めるものをはっきりさせる,答えは本人が知っているなど,コーチングの枠組みにおける基本的なスキルや精神を恋愛をする自分や相手へのサポートに応用することと,満足する恋愛関係を保つための工夫やテクニックの紹介で成り立った内容。

◇「元気をつくる「吉本流」コーチング」大谷由里子
吉本興業で横山やすしさんや宮川大助・花子さんらのマネージャーをしていた著者によるコーチング本。マネージャー業での経験や,その後立ち上げた企画会社における社長業での経験をふまえ,書かれている。
大谷さんといると元気になれる,と言われる著者。彼女の本ですら読んでて元気になる!大変なこともたくさんあったとのことだが,それでも物事にプラスの要素を見つけて前へ前へと進んでいく著者はとてもエネルギッシュ。そして率直。相手に合わせて自分の出方を変える柔軟さ,適応力から来るtipsとして書かれている。
彼女の人柄がよく伝わってくる本であった。

◇「メジャー初コーチの「ポジティブ・コーチング」」立花龍司
人を活かすには,ということに関してどう考え,人を活かすために何をしてきたか,していくか,を綴った本。著者は,プロ野球球団やメジャーリーグ球団でコンディショニングトレーナーとして活躍した人で,彼の哲学と経験が書かれている。
著者は,「心が動いた人間は成功する」というのがコーチングの核だと述べる。よって,相手の心を動かすために複数の手を考え,実践する。人間は一人一人違う。だから,その人にカスタマイズした方法でコミュニケーションをとり,トレーニングを行っていく。
著者がこのような結論に至ったのは,日本の野球界における選手の指導方法に疑問を持ったからだった。アメリカやキューバにおける指導方法と全く違っていた。著者が見てきた日本の野球界は,画一的で,選手に無理を強い,それをやるとどうなるのかが明確になっていない練習が横行しており,選手を疲弊させるものだった。でも,アメリカやキューバでは,そもそも野球は遊びでもあり,それぞれが自主的・主体的に練習するのが基本。強くなりたいから,うまくなりたいから,自分で考えて練習に取り組むのだ。

◇「「話し方」の心理学―必ず相手を聞く気にさせるテクニック」ジェシー・S・ニーレンバーグ
質の高いコミュニケーションを実現するために知っておくべき人間の性質のこと,言葉のこと,そして具体的なコミュニケーション法が丁寧にわかりやすく書かれている。原著は60年代に出版されているが,今読んでも全く古さを感じない。それだけコミュニケーションにおける普遍的な内容がまとめられている。
言葉は,私たちが伝えたいことの断片しか伝えない。だから,言葉で表現しきれていないことを汲み取り,感じながら相手の意図・思いを理解することが求められる。逆に,自分が言葉で何かを伝えるときにも,相手が自分の思ったとおりに理解してくれることはほぼない。相手には相手の解釈の仕方があるし,そもそも人の話を集中して考えながら聞くことは大変なことだから,そんないつもやってられない。だから,正しく理解してもらうためには相応の工夫をしたほうがよい。
生産的なコミュニケーション,自分も相手も満足するようなコミュニケーションの一歩のために,活用できる内容が満載だ。

74/122 読了