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2019/05/23

コーチング関連本を読んでるよ Week 15~

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。

◇「ケーススタディで学ぶ 「コーチング」に強くなる本 現代の上司に必須のコミュニケーションスキル 」本間正人
上司と部下の会話を集めたケーススタディ集。 5つのテーマに関する会話が掲載されており,会話の中でコーチングがどう展開されているかが分かるようになっている。これまで読んできた本間さんの著書に掲載されているケーススタディと同様,人間臭い登場人物が出てくるため,親近感をもって読める。
仕事に不満を持つ部下に対してのコーチングに基づいた会話では,上司が部下を言いくるめているという印象を強く持った。ということは,コーチにクライアントにそう感じさせないほどのスキルがないと,かえって逆効果になるということだろう……。

◇「メンタル・コーチング~流れを変え、奇跡を生む方法~」織田淳太郎
複数のスポーツ選手や監督,コーチの行動や考え方を提示しつつ,試合に勝つメンタルを育てる方法を解き明かしていく本。トランスパーソナル心理学,フロー状態,恐怖に打ち勝つ術,フォーカシング,呼吸法,反復練習,セロトニンの効用などいろいろな話題が登場するが,つまるところ,パフォーマンスをしているときにどれだけ自分に囚われないでいられるか,が試合でよいパフォーマンスをするカギのようである。自分に関わること-例えば,うまくプレイできなかったらどうしよう,チームに迷惑をかけるかもしれない,負けたくない等,の思いはパフォーマンスを阻害する。だから,そういう思いをパフォーマンス中に出さなくなるよう,日頃トレーニングを積むのだ。
その方法としての,恐怖に打ち勝つトレーニングとフォーカシングが印象的だった。恐怖に打ち勝つため,ある選手は負けることを日々想像する。負けた自分が相手からどう見えているか,つまり相手の視点を想像する。すると自分の穴やウィークポイントが見えてくる。そしたら,そこを埋めるためにまたトレーニングするのだという。フォーカシングは,自分の中にあるモヤモヤを顕在化させるための方法だ。顕在化されたモヤモヤを無理矢理ではなく,自然に受け入れられるようにしていく。
いずれにしても,自分の感情や心の底に溜まっている思いを解きほぐして受け入れることがカギだ。そのプロセスを日々経ることで,パフォーマンス中に雑念に振り回されることがなくなっていくのだろう。

◇「[図解] ビジネス・コーチング入門 「双方向」コミュニケーションへの50の視点」本間正人
本間さんの著書,結構読んできたが,いつもながら分かりやすくまとまっている。コーチングとは?に始まり,似て非なるものである,カウンセリングやコンサルティング,アドバイシング,ティーチング,メンタリング,マネージングとの違いの説明や,おなじみのGROWモデル,キャラクター設定や状況が把握しやすいプロットでのコーチング実践例を提示している。
これまでに私が読んだ本間さんの著書には記載がなかったと思われる内容の1つが,無限選択肢のスキルというもの。これまでのやり方にとらわれず,常に新しい選択肢を探し取り入れていきましょうというものだが,抜本的に新しいものにせずとも,これまでのやり方の一部を変えたり,逆発想で見直したり,先を見通したり,複数の方法を組み合わせたりすることで変えることができるのだ。

◇「目からウロコのコーチング―なぜ、あの人には部下がついてくるのか?」播摩早苗
私の現状にちょうどささる時期に読んだからなのか,とてもタメになり,思わずたくさん線を引いてしまった次第。これまで読んだコーチング本の中で,私的には上位にランクする。コーチングの必要性や手法を伝えつつも,マニュアル感はなく,説明を噛み砕いて言語化してくれているところが素晴らしい。特に,コーチになりきれていない人,コーチ,コーチされる側の心を分かりやすく伝えているのがよかった。
コーチングでは,答えはクライエントの中にあるとしているが,この答えは心の奥底に秘められているものであり,そう簡単には出てこないらしい。すぐ出てくる答えは,「常識的で平凡」。そして,自分から出した答えでないと人は動かない。これらを明示してくれたことが励みになった。

◇「4つのタイプ コーチングから生まれた熱いビジネスチームをつくる」鈴木義幸
コントローラー,プロモーター,サポーター,アナライザーの4タイプについて,それぞれがどういうタイプか,それぞれのタイプの上司・部下をもったとき,どのようにコミュニケーションをとればよいかを述べた本。自分がどのタイプかを診断できる簡易テストや,行動傾向からのタイプの割り出し方も記載している。
タイプといっても,どういう傾向が強いかという程度のもの。それぞれのタイプは完全に独立したものではなく,大抵はいくつかのタイプが混ざりあっていると考えると良い。本では,それぞれのタイプに関する特異的な傾向しか示されていないため,内容は分かりやすいが,ある人間について,どのタイプがどのくらい……となるとすぐに答えは導けないように思う。
著者自身のエピソードは,私自身のタイプを考えるうえで参考になった。

◇「マンガでわかる! 子どもの心のコーチング 実践編 」菅原裕子
40個のケースを紹介。それぞれ,見開き2ページの漫画でこんな困ったことが起こってる!という内容を提示し,次の見開き2ページでその困ったをコーチングのコミュニケーションを使って解決していく。困った!の内容は,デフォルメされた絵でコミカルに描かれているので楽しく読める。解決ページも,菅原さんの他の本と変わらず,暖かさと子育て応援の雰囲気が漂う。菅原さんの子育ての基本的価値観である,愛すること・責任・人の役に立つ喜び,は健在。

◇「究極の勝利 ULTIMATE CRUSH 最強の組織とリーダーシップ論」清宮克幸
早稲田大学ラグビー部監督としての5年間をまとめた話。 早稲田大学ラグビー部にどのような練習を取り入れ,どのように選手たちに接し,どのように強いチームに仕上げていったかをまとめている。また, 清宮さん自身が尊敬している監督たちとのエピソードにも触れられている。
監督をするうえで心構えやコーチングの手法がまとまっているわけではなく, ラグビー部での活動記録の色合いが強い。よって,ラグビーにあまり興味のない私は,途中で飽きてしまった。とはいえ,「スローガンは具体的な動きをイメージできるものでないと弱い。つまり,空念仏のようなものに終始してしまう」のくだりには響くものがあった。なぜなら,私自身が様々な言葉や話をインプットする中で,私を動かす言葉と動かさない言葉があるということを感じているからだ。動かさない言葉は,さっと通り過ぎていくだけ。そういうわけで,自分に対して,そして誰かに対してスローガン・目的・目標を掲げるとき,自分を,そして他者を動かすような言葉を紡ぎたい。

◇「最強のコーチング」清宮克幸
清宮さんの監督経験から導いたコーチングのtips,リーダーとしてのtipsを10個にまとめた本。こちらもラグビー部監督時代のエピソード(先の本とかぶる内容あり)を多数含む。第1章の清宮さんの人柄が示されていた部分が私はいちばん面白かった。自身が認めるアクの強さ,共創型リーダーとはかけ離れているが,自らが頭をとって周囲を巻き込んでいけること,要領重視なこと,など。リーダーの形はいろいろだ。

◇「今すぐ使える!コーチング プロコーチだけが知っているとっておきの方法 」播摩早苗
上記したとおり,先に読んだ播摩さんの本がとてもささった,という気持ちを抱きつつ本書を読み進めた。そして本書もまた,しっくりくる内容だった。
内容は,会社組織での上司-部下の関係におけるコーチングがメイン。その中で,コーチングの基本的な考え方やスキルを解説し,コーチングセッションの事例を提示する。そして,コーチングを実際してみてからの困った!に寄り添い応えるような,アフターケアのページも用意されている。やはり,播摩さんは言語化能力のある方だと思う。何気なく読んでいると分かった気になってそのまま流れてしまうような内容を,詳細に分かりやすく述べてくれるので,心にストンと落ちてくるような感じがあるのだと思う。
彼女が提唱するコーチングスタイルもそれそのもの。相手の話を聴くことをスタートにし,「本質を明確にする」ことを重視する。人は,曖昧な認識のまま,適当で,近そうな言葉を使って話をしがちのため,相手の発した内容についてより詳しい話を求めながら,相手の言わんとしていることの本質をとらえるべきとする。
事例についても,彼女の表現力が生きている。だからだろうか,他の本で読んだ事例に比べて馴染みやすく,自然で,受け入れやすい感じがする。

92/122 読了

2019/05/03

骨折から3ヶ月経ちまして。

1月に,生まれて初めて骨折をした。折ったのは,背骨の先っぽあたりの仙骨。自宅アパートの外階段を降りているとき,足を踏み外してお尻からどすんと落ちて,そのまま数段更に落ちた。ほんとにほんとに痛くて痛くて,すぐに立ち上がることができなくて,小声で呻いていたのだけれど,そのまま座ってると,コンクリート?の階段でお尻がどんどん冷たくなっていくし,そもそも出かけようとしていたときなので,ヨレヨレしながらなんとか立ち上がり,ゆっくりとぼとぼと歩いてみた。一応歩けたので,骨は折れていないかな…と思ってたのだけど,椅子に座ろうとすると痛いし,座った姿勢を維持できないしで,どうにも我慢ができず,その日の夕方病院へ。で,「折れてますね」と骨折宣告を受けたわけです。

骨折から3ヶ月が経ち,もう走ったり運動したりと骨折前と変わらぬ生活が送れているわけだが(2ヶ月過ぎたあたりでもう癒合してますね,と言われた),折った箇所はたまに鈍痛が生じます。座り方のせいなのか,天気や気圧のせいなのか,原因がよく分からず,しかもずっと痛いわけでもないので,とりあえず様子見しているが,折った箇所というのはそういうもんなのか…?と初めてのことでよく分かっていない状態です。
とまぁ,骨折のせいで何かと不自由な状態だった2ヶ月間だったのだけど,人間というのはすごいですね,その不自由さを抱えつつ生活に適応しようとしていくわけで,若干生活に変化が起こっていた。かがむと痛みが増すので,床に置いてあるものを足でとったり,そもそも下にものを置かないようにしたり,駅などにある公共の手すりをしっかり使ってありがたみを感じたり,とろとろスピードで歩いている人たちに対してイライラすることが減ったり(私は本来歩くスピードが早めだが,痛くて早く歩けなかったので)と,いろいろ考えたり,思ったり,感じるところがあったりした。その中で,骨折がほぼ治った今でも継続されてる変化が2つある。それは,時間に余裕を持って行動することがデフォルトになりつつあることと,自分を労るようになってきたこと(無理をしなくなってきた)だ。
時間に余裕を持って行動すること,これが自然にできる人がいることは承知しているが,私はそうではない。多分昔から。学生時代から遅刻ギリギリで登校することが多かったし,人と待ち合わせてもオンタイムか数分遅れることが多かった。仕事に関しても,出勤時刻少し前に行くので,もっと早く来なさい。と昔先輩?から言われたこともある。とはいえ,時間に余裕を持って行動することができないわけではない。早く行こう!と気合?を入れればちゃんと行けるが,それは私にとってかなり違和感のあることなので,継続されないのである。たまたま早く家を出過ぎてしまったときなどは,途中に寄り道をするなどして時間をつぶして,ギリギリに到着するのが自然なのである。

ところが骨折をしたら,身体が思うように動かなくなった。それによって,自宅から最寄り駅まで歩くだけでもいつもの倍以上の時間がかかり,駅から仕事場まで歩くにも,離れているときにはどのくらい時間がかかるか読めない。しかも,痛いから,いつもよりも注意深く慎重に歩きたい。ということで,そうせざるを得ず,かなり時間的余裕を見込んで行動するようになった。で,痛いうえに,こんな状態で目的地に向かう途中に不測の事態が起こっても困るので,寄り道もせず余裕を持って到着するようになった。
仕方ない…と思って始めた時間に余裕を持った行動だが,何度か繰り返していたら,時間に余裕を持った行動は,時間ギリギリの行動よりも,かえって楽だし効率がいいと感じるようになってきた。なんといっても,その場に到着してから落ち着きを得られるのである。しかも,落ち着いた状態で,その時間に次のタスクの準備やシミュレーションもできる。ギリギリで行動してバタバタしながらやるよりもなんと実があることか……。時間に余裕を持って行動すると,ギリギリで行動するよりも時間の無駄が多いと感じていたのだけど,この得られる落ち着きは全然無駄なものではないと思った。
そういうわけで,骨折がほぼ治っている今も,時間に余裕を持った行動を継続している。前の,ギリギリ行動に幾分かの余裕を加えた程度だけれども,ずっとやっていくと,何らかの事情によってギリギリになることに焦りと不安を覚えるようになってしまった。これが習慣化の力なのだろう。

続いて,自分を労ること(無理をしない)に関して。私は自分で骨が太く強い方だと思っていたので,骨折をしたという事実自体が驚きであった。あぁ,私も骨折するんだ……と,三十路過ぎて若干身体や体力に変化が生じていることも相まって,少しショックでもあった。それで,もっと私を労わろう,無理をしないようにしようと決めた。
時間に余裕を持って行動することも,ある意味,自分を労るの範疇に入る。ギリギリ行動することでバタバタしてしまうのは,なんとかなっているように見えても,自分のキャパを超えているからバタバタしてしまうのだろう。落ち着きを得ながら行動できれば,それは自分のキャパ内でできているということだ。そして,マルチタスクを前よりしなくなってきた。そもそもやることを減らし,ちょっとした計画を立てたりするようにし,何かをやるときにはなるべくそれのみをやる。そしてそれが一段落したら次のことに取り掛かる。そして,計画通りいかなかったら,また新しい計画を立てる。そういうふうにしている。また,睡眠時間を確保するようにもしている。睡眠時間が勿体なくて,4.5時間辺りまでどうにか削れないものかと頑張っていた時期もあったが,それはやめることにした。今は1日7時間くらい寝てるだろうか。よく寝ると身体の調子がよく,ストレスも減る。だから,1日をやはり落ち着いて過ごせる。

というわけで,もう二度と骨折はしたくないが,骨折をしたからの気づきもあったので,それはそれでよかった。人の行動や思考も,変えざるを得ない状況に陥ると,気合などに頼るよりも簡単に変わっていき,その変化が自分にとって良い感じだと,これまた自然に続いていくのだなと実感した次第でもある。