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2017/05/29

信長めぐりの旅とその後

先日,織田信長にゆかりのある場所をめぐる旅をした。彼が生まれた名古屋に始まり,彼が城を建てた岐阜,安土をたどって,亡くなったとされる京都まで。これまで,歴史で学んだり本やテレビでしか見聞きしていなかった場所に実際に訪れ,彼が生きた痕跡を見て知って触って,信長と彼の時代に関する新たな知識も学び,心が満たされた旅だった。

2日間でたくさんの場所をまわった。訪れたのは,古渡城跡,万松寺,清州城,清洲城跡,聖徳寺跡,熱田神宮,小牧城,岐阜城,信長居館跡,崇福寺,安土城址,安土城郭資料館,安土考古資料博物館,信長の館,セミナリヨ跡,本能寺跡,本能寺。綿密な下調べと計画を伴った旅ではなかったから,見逃してしまったところや見たりなかったところもあり,また帰ってきてから知った別のゆかりの場所もある。それらも含め,今回訪問した場所のいくつかはいずれ再訪したいと考えている。

旅を振り返ってみると,旅の最中心踊ることや感動することが幾度かあった。それらは主に,彼の遺したモノ,つまり城や館の遺跡やそこから出土した出土品,書状などの史料に触れたときである。500年近く前に存在していたものが今もそこに存在しているということにまず感動し,実際に彼がそれを考えたり,作ったり,使ったりしてたんだな,と思いながら信長に思いを馳せるとどんどん感慨深くなって,その場所から去るのがすごく名残惜しくなっていた。安土城址と岐阜城の山麓にある信長居館跡は本当に離れがたかった。どちらの遺跡も発掘がなされており,当時の様子を知り,感じることができたのが嬉しかった。また,安土城址は私にとっては独特の雰囲気を感じた場所であった。静かで厳かで圧巻される感覚。大手道を登りながら,高く積まれた石垣を触りながら,天主跡に遺っている石をじっと見ながら,そこの雰囲気,空気をたくさん自分の中に取り込んだ。安土城の天主の様子は,史料をもとに復元された模型が安土城郭資料館や信長の館に置いてあり,そこでもまた信長を垣間見ることができた。

信長居館跡 発掘がすすめられている
安土城址 大手道の石段
安土城址 天主跡

さて,信長めぐりの旅の最中からずっと思っていることは,信長のことをもっと知りたい!ということである。彼は有名人で500年近く過去の人。彼に関する本や番組もたくさんある。だから世間にはいろいろな信長のイメージがあふれている。私もそのイメージで信長を好きになったクチだが,今私が知りたいのは,信長は実際どんな人物だったのかである。彼が何を考えていたのか,彼は何をしたかったのか,彼がとったさまざまな行動の後ろにある動機は何なのか,彼はなぜそのような発想ができたのか。そんなことに私は興味がある。それで最近,暇を見つけては本を読んでいる。太田牛一「現代語訳 信長公記」,千田嘉博「信長の城」,藤本正行「信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学」が今手元にあって,「信長の城」は読了,残り2冊は並行して途中まで読んだ。

「信長公記」は信長の家来の一人であった太田牛一が信長の一生を書いたものである。同時代に,彼のそばで生きた人間が書いたものということもあり,史料としての価値は高いとされている。「信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 」は,タイル通り「信長公記」をベースにして,信長がしてきた戦いが実際どんなものだったのかを再考するという内容である。私がこの本を知ったのは大学の講義であった。幸運にも,タイムリーにも,大学の歴史学入門の講義で織田信長をテーマとして講義する回が数回あることを知り,早速聴講しに行ったときに登場した。桶狭間の戦いに関する通説やそこから派生している世間におけるイメージが,信長公記から読み取れる桶狭間の戦いとはだいぶ異なっていることを学んだ。なんと面白い。

「信長の城」は,信長にまつわる城を通して信長が実際どんな人物だったのか,彼が何をしたかったのかを考えていこうという内容だ。城の遺跡や史料に忠実に向き合い,論を飛躍させることなく,それらから出来る限りの実際像を引き出そうとする著者の姿勢に尊敬を覚えた。私が訪れた清州城,小牧城,岐阜城,安土城は,もちろんこの本でも詳しく紹介されている。本を読みつつ自分が見てきたものを思い出し,あそこはそういう場所だったといえるのかと振り返ったり,見逃してきた箇所もいくつかあって少々残念な気持ちになったり,私が博物館でみた安土城天主の模型(史料をもとに作っている)とは別の天主を,安土城址の主要な場所にあった説明書きに書かれている解釈とは別の解釈を著者が指摘していて驚いたり。いろんな感情を喚び起こされつつ,城,歴史,信長について学ぶことのできた本であった。

旅を契機に信長や歴史に対する興味が増し,知りたい気持ちがいっそう強くなった。今後も信長ゆかりの場所を訪れたり,彼について学んだり,考えたりしていきたいなと思っている。

2017/03/18

戦国マイブーム近況報告

イケメン戦国にはまったこと(http://yukiron.blogspot.jp/2016/05/blog-post.html)で始まった戦国マイブームは,半年くらいが経過した今も熱すぎず冷たすぎずな程度で続いている。展覧会に行ったり,関連番組を見たり,読みやすい本を読んだりして地味に知識を増やし,戦国武将や戦国時代に思いを馳せているのだが,特にゴールも定めず,気負いもせず,気ままに学び,気ままに感じるというのはいいものである。

さて,今年に入り2つほど戦国関連の話に触れた。2007年に放映された大河ドラマ「風林火山」と,漫画「雪花の虎」である。どちらもすっかり気に入った。

「風林火山」は,武田信玄に軍師として仕えたとされる山本勘助の人生の話だ。内野聖陽が好きということもあって気軽に見始めたのだが,途中からぐいぐいひきこまれ,謙信役の神がかったGacktが出始めてからはますます面白くなり,このドラマが終わるのが惜しいとさえ思うようになっていた。山本勘助の話といえども,武田家,信玄の半生,甲斐の政治,謙信の人となり,川中島の戦いなどに関する知識を増やすことができたのもよかった。
「風林火山」のストーリーは,ベタで分かりやすく,期待を裏切らず,戦や主従をがっつり描く,なんというか雄々しい作品だった。昨年の大河ドラマ「真田丸」も好きでずっと見ていたが,あのストーリーのような軽やかさや裏をかく感は全くない。そもそも,登場人物のほとんどが重々しい雰囲気やキャラ設定をまとっている。「風林火山」で印象に残ったシーンはいくつもあるが,なかでも強烈だったのは,武田に仕える猛将達の死にざまだろうか。山本勘助をはじめ,板垣信方,甘利虎泰などの武将が討死するのだが,討たれてから命尽きるまでをあれだけ時間をかけて丁寧に映す演出を観たのはいつぶりか,という感じであった。あとはやはり知謀にとんだ戦の数々である。「風林火山」を観るまで戦がこれほど奥深いものだとは考えたこともなかった。また,謀に対するイメージや価値観が肯定の方向へとシフトした。忘れてはいけないGacktについても一言。そもそもGackt自身が醸し出す雰囲気からして異世界感が半端ないが,謙信の衣装(平時,戦時両方)をまとい,さらにゆっくり溜めて話されると,その異世界感は際立つ一方であった。上杉軍と相模の北条軍との戦のシーンで,北条の拠点である小田原城に謙信が単身乗り込み,家臣から見えるところに座って酒を飲み始めるという場面があるのだが,家臣がいくら矢や鉄砲を放っても,すんでのところで謙信には全く当たらない(距離が遠いわけではない)。そんな場面も,あの空気をまとった謙信なら納得しかない。
こんな感じで実に充実した大河ドラマ鑑賞だった。

続いて「雪花の虎」について。この漫画は「東京タラレバ娘」の作者で知られる東村アキコ氏による上杉謙信物語だ。特記すべきなのは,史実を踏まえつつも謙信は女性であったという前提で描いているところ。作者によれば,謙信女性説というのはまんざらでもない話のようである。現在コミック本で4巻まで発売されている。
「雪花の虎」の面白さは,謙信がどういう人かを,彼女をとりまく人たちとの交流を通して描いているところだろうか。フィクションであることは承知のうえだが,「雪花の虎」の謙信は生身の人間感がすごく出ている。泣くし,悩むし,怒るし,人思い。心情描写が丁寧だと思う。一方で,強く厳しくたくましくもある。謙信が女性だとしても,これじゃ女性は惚れちゃいます,という感じだ。脇役キャラも一人一人味があって,流し読みができないほどである。この,謙信と他のキャラクターとのやりとりが本当に面白い。話のところどころに女性っぽさがにじみ出ているのも,私がこの話が好きな理由の一つである。作家が女性,主人公も女性,ということが大きいのだと思うが,ストーリーが全体的に柔らかく,女性はそういうときそう考えがちだよなとか,そこをさーっといかずにしっかり取り上げるんですねとか,女性の多くは共感すると思われる場面が多い。そういえば,今年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」でもそんなことを感じた。
現在進行中の漫画であるが,これまで読んだ中で私が好きなのは,謙信が小さいころ学んだ寺の僧,宋謙と謙信のやりとりと,謙信の兄,晴景と謙信のやりとり。4巻の最後では武田信玄との遭遇シーンが描かれていたので,今後ますます面白くなっていくに違いない。続きが楽しみだ。

そんなわけで,戦国マイブームはまだまだ続く見込み。

「風林火山」https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/90000/263024.html
 4月からBSプレミアムで再放送が予定されている。興味ある方もない方もぜひ!
「雪花の虎」http://hi-bana.com/works001.html
 試し読みあります

2017/01/13

戦国時代展@東京都江戸東京博物館

東京都江戸東京博物館で開催中の「戦国時代展」(https://goo.gl/zoR7OL)に行ってきた。イケメン戦国や真田丸の影響で,昨年からじわりじわりと熱くなってきた戦国時代への興味。年末の飲み会でこの展示会について友人から聞いて以来,これは行かねば!と思っていた。

2時間超,時間をかけてすべての展示をじっくり見て回った。何百年前に生まれ,使われていたものが今こうして間近で見られることに,こみ上げてくるものがある。それに,戦国武将たちが使っていたもの,愛用していたものを前にすると,既存のイメージに引きずられながらもいろんな妄想が始まる。そしてもっと武将たちのことを知りたくなる。謙信が春日山城の毘沙門堂に祀っていたとされる毘沙門天像,謙信はどんなふうに祈って大切にしていたのか。謙信が使っていたとされる酒盃,彼は宴会の席で何を語るんだろう。織田信長が朝倉氏を討って得た名物籠手切正宗,彼の刀さばきはどんな感じだったのか。佐竹氏の甲冑,兜には前に進むとの気概をこめた装飾が施されているが,戦うの怖くなかったのかな。上杉文書に書かれていた願掛けと武田信玄の甲州法度,当時も今も人が人や国を思う気持ちは変わらない。彼らはどんな国を目指していたんだろう。展示を見ていると,お話の中でしかなじみのなかった戦国武将が実在して生きていたことを実感する。

戦国時代というと戦いのイメージが強い。だがその一方で文化の成熟も起こっていたようだ。それでこの展示会では,連歌や茶の湯などに関する品も展示されていた。連歌がたくさん書かれた冊子,字が読めなくて何かいてあるか分からず,無念…。読みたかった…。室内の装飾の仕方について書かれた書物は,イラスト入りで分かりやすく目を引いた。大陸からの工芸品もけっこう展示されていて,日本のものとの違いが分かる。

それから花押の展示も印象深かった。武将たちが何らかの思いを込めて作ったのだと思うが,それぞれ違っていて,彼らのセンスやこだわりみたいなのが表れている。展示されていた中での一番は織田信長!花押,私も作りたい。

そんなわけで戦国時代展,武将たちの生をたくさん感じ,勉強にもなり,贅沢な時間を過ごせた。たが,信長関連の品があまりなくて少し残念…ということで,安土に行くことを計画しようと思う。

2016/12/30

織田信長が熱い

最近,織田信長がマイブームである。何度かこのブログにも登場しているスマホゲーム「イケメン戦国 時をかける恋」がそもそもの始まりだが,ゲームだけでは飽き足らず,先日時代小説をゲットした。山岡荘八の「織田信長」(http://amzn.asia/7yFYOr9)である。数日前に読み始めたが,これがけっこう面白い。

マイブームのきっかけとなった「イケメン戦国」内の信長は,ひときわキャラ立ちしている。このゲームのキャラクター設定は,史実や通説が反映させつつ,恋愛ゲーム向きの脚色がなされているが,信長は,突拍子もないことをしでかし,いつも自信たっぷり,冷酷非道な猛者ではあるが,天下布武のためのストイックさを持ち合わせ,家臣思いで,愛した女性をめっぽう大切にする,そんな描かれ方をしている。私はそんな信長にすっかり魅了されてしまった。現代にこういう人いたら,多分恋をするであろう・・・。

そしたら,信長は実際にはどんな人物だったのだろうということがすごく気になってきた。大うつけと呼ばれていたみたいだけど何したの?,冷酷非道って言われているけどなんで?,信長の恋愛事情って?,信長がしたかったことって何?,本能寺の変ってなんで起きたんだ?カリスマ性があったらしいが,それはどこから来たのか?などなど,ゲームのキャラ像と中学歴史程度の信長に関する知識から,気になることがむくむくと湧いてきた。それで手始めに時代小説に向かったというわけである。

昨日大学の友人たちとの飲み会の際,織田信長にはまっていることを話したら,日本史&時代小説好きの友達から,司馬遼太郎の「国盗り物語」(http://amzn.asia/fXZ3zfL)を読むべし!と勧められた。信長の嫁・濃姫の父親である斎藤道三と信長の生涯を描いたものらしい。さらには,ゲーム「信長の野望」やったら?とも勧められた。ゲームをやると,戦国時代のこと詳しく知れるよと。私はゲームに疎いゆえ,そういえばそんなゲーム聞いたことあるな,と思いつつ話を聞いていたら,これまでにリリースされている信長の野望のシリーズの概要を詳しく教えてくれた。信長の野望シリーズそんなにたくさん出ていることにもビックリしたが,その友人がゲームする人だったことも初めて知ってビックリだ。

そんなわけで,気ままに織田信長について学んでいこうと思う。

2016/05/09

イケメン戦国プレイ中

ここ数ヶ月,CYBIRDがリリースしている恋愛ゲーム「イケメン戦国 時をかける恋」(http://www.ikemen-sengoku.jp/)で遊んでいる。課金はせず,無料で遊べる範囲で遊びつくしているわけだが,つい毎日ログインしてしまうほどに面白い。なんでこんなに面白く感じるのだろうと考えていたのだが,ファンタジーの世界とリアルの世界の間で宙ぶらりんになっているような感覚が味わえるからではないか,と思い至った。もちろん,ゲームだから完全にファンタジーなのは理解している。でもストーリーは,ところどころ現実感を帯びているし,随所随所で感情を揺さぶられる。それがツボになっているのかもしれない。

「イケメン戦国」についてちょっと説明をすると,戦国武将たちとの恋愛をすすめていく恋愛ゲームである。主人公(デザイナー志望の女)は突然,500年前の日本(戦国時代)にタイムスリップさせられてしまい,本能寺で殺されそうになっていた織田信長を助け,そこから戦国武将たちとの戦国ライフが始まるのである。ちなみに出てくるキャラクターは信長に加え,豊臣秀吉,明智光秀,伊達政宗,徳川家康,石田三成(彼らは織田軍の一員として信長に仕えている),上杉謙信,武田信玄,真田幸村,猿飛佐助(信長の敵上杉・武田連合軍),顕如(信長を恨む僧侶)である。そして,プレーヤーはここにいる武将たち(今のところ,信長,政宗,家康,秀吉,幸村の5人)との恋愛物語を進めることができるのだ。

初期の舞台設定がフィクションであることは明らかだ。しかし,史実に基づいていると思われるところもところどころある。ストーリーを進めていってもそのあたりはけっこう配慮されていて,出てくる武将たちは,主人公が使う外来語を解せないし,日本のことは日ノ本と言うし,プレゼントといえば,茶屋のお団子やかんざし,小袖である。このちょこっと現実感は舞台設定だけでなく,キャラクター設定でもなされている。キャラクターは総勢11人だが,それぞれ史実を参考にしているだろうと思われる設定となっている。例えば信長は,俺様,囲碁強い,革新的なキャラで,天下統一すべく戦っている。秀吉は信長の忠臣で,人たらし,サルと呼ばれていたという説からなのか,ペットで猿を買っている…。それに加え,どのキャラクターも女子ウケする設定が組み込まれている。(俺様,兄貴分,快楽主義,頭脳明晰,意地悪,ときおり見せる可愛さ,ヤンデレ,天然,天邪鬼など…)。なんというか,女子が好きそうな性格見本市のような気さえしてくる。リアルの世界であれ,ファンタジーの世界であれ,こういう要素を持ち合わせる男性に魅力を感じる女性は少なくないんじゃなかろうか。さらに,もう一つ付け加えれば,ゲームのタイトルどおり,11人全員がイケメンでスタイル良し。ゲーム内のキャラ紹介プロフィールに身長の記載があったことには驚いた。なるほど,身長の情報も選択するときの材料になるということであろう。(ちなみに,高身長な男性が好きな私は高身長のキャラを選んでいた…)

そんな設定のもと恋愛物語を進めていくわけだが,ストーリーの流れは予め決まっている。大枠だけでいえば,主人公が選択した武将に恋をする→武将も主人公を好きになり始める→戦/主人公が現代に戻される!?などのハプニング→完全無欠のハッピーエンディングといった感じだ。私はこのベタベタ感が,安心できて好きなのである。ストーリーは,登場人物たちの会話と心情描写を中心に進んでいく。プレーヤーは1つの話が完結する間に30回弱くらい,選択肢の中から主人公の発言を選ぶことができる。とはいえ,主人公のキャラ設定も物語ごとになされているし,選択肢のバリエーションは少ないから,自分が主人公になりきって恋愛を楽しんでいるというよりは,恋愛漫画を読んでいるような感じである。でも,漫画よりも臨場感がある。漫画と大きく違うのは,まず声があることだ。すべての会話が声になっているわけではないが,一部のセリフ(女子をキュンとさせるようなセリフばかり)は声ありである。しかも,スマホの小さな画面で,画面いっぱいに映しだされた武将の顔とともに会話が1つずつ進んでいく。そして主人公の顔は一切でない。漫画の場合は,あくまでも自分は一観客的な視点でその話を追っていったり感情移入したりすると思うのだが,ゲームの場合,画面には武将の顔がドンとあり,それと向かいあって話を進めていくわけだから,完全な観客ではいられなくなってしまう。よって,感情の揺さぶられ具合も漫画より大きくなる。そして,極めつけは,女子にとってどこまでも都合のよいストーリーである。主人公は選んだ武将からとにかく愛される。武将にとって唯一無二の特別な女になり,守られ,大切にされ,求められる。愛情表現も豊富。個人的には,もし現実の恋愛でそうであったら逆に恐ろしいと感じるほどにだ。とはいえやっぱり,現実の恋愛で,好きな男性の行動や言葉から,愛されてるな,大切にされてるな,と感じる瞬間はとても嬉しいし,幸せなわけで。そういうのを好みのイケメン武将から惜しみなく与えられたら,トキメクのはもはや仕方ない。ある意味,ファンタジーだからこそ,現実の恋愛よりもキャラクターとの間に距離があるからこそ,そのトキメキに没入していられるのかもしれない。

そういうわけで,今日もまた「イケメン戦国」にログインするのである。