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2018/11/27

コーチング関連本を読んでるよ Week 3

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。

◇「ドントウォーリー! ビーハッピー!! 松岡修造の生き方コーチング」松岡修造
ピンクの表紙と,ピンクのセーターを着た松岡さんのインパクト大!な本書。ネットに寄せられた女性からのお悩みにアドバイスするという流れで進んでいく。といっても,一つ一つのお悩みに丁寧に答えていく,のではなく,女性から寄せられた具体的なお悩みはいくつかのカテゴリーに分類され(将来が不安,人間関係がうまくいかない,結婚について悩んでいる,等)そのお悩みカテゴリーに対して松岡さんが持論を述べる,という感じ。なので,お悩みの分類がおざなりなせいか,お悩み主が聞いていることとはずれたアドバイス・持論が載っているところ数箇所あった。
女性からのお悩みはいろいろあったよ。共感できるものもあるし,なんでそれ悩む?ってのもあるし。松岡さんのアドバイスは,「自分らしく生きる,自立する」というのが根底にあるように感じた。本書に登場する筆文字による松岡さんの一言アドバイスは,自筆だそうで…見ると引き締まる思いがしました。

◇「コーチング以前の上司の常識 「教え方」の教科書」古川裕倫
部下をどうやって働かせるか,どうやって一人前にしていくか,を考えたとき,コーチングよりもまずはティーチングを…そんな考えをもとに書かれた本。商社や芸能事務所での経験がある著者の提案・文章は明快だ。
コーチングとは,クライアントに質問しながら答えを導き出させることを主とするが,そもそも答えを導き出せるだけの,知識・経験なりのストックがなければ,導き出すことはできないのである。まぁ,クライアント自身の人生等に関することならそれでもいいだろう。だが,ビジネス場面となると話は別。仕事は待ってくれないし,基本的なやり方,常識,共通認識がある。それらがわかっていない人に考えさせたところで,周りの負担が増えるうえに,本人にとって仕事しづらい状況になってしまうのである。だから,著者はまず教えよというのだ。だからといって,命令だけせよとも言っていない。教え方の基本を提示しつつ,部下の癖や性格に合わせてた教え方や,部下への承認の必要性も述べている。つまり,コーチング場面におけるコーチの姿勢も組み込まれている。
私は著者の意見に賛成。目先の利益,自分にとっての利益ではなく,部下の○○年後を見据えて指導しようというスタイル,教育にとって外せないことだと思う。

◇「キッズコーチング」後藤英郎
子ども向け研修を行っている著者による,子育て本。子育てにおいて,親がしたほうがよいこと,しないほうがよいことがたくさん書かれている。それぞれ簡潔にまとまっているのでわかりやすいが,若干杓子定規感を感じる印象。子育ての基本方針のようなものの記載がないので,それぞれの提案は若干バラバラした感じがあるが,著者によれば,ありがとうと言える,挨拶のできる,靴を揃えられる,親に感謝できる,自分の良いところをたくさん知って自分のことが好き,の5つが子どもの心に根付いていると,大人になってからも人から愛され,人間関係の良い人になる,とのこと。
tipsで印象にのこったのは2つ。まず,子どもにお金について教えること。私自身,親からお金に関して,さらには社会の仕組みに関して教わった記憶がなく,数年前,このあたりのことをちゃんと教育されたかったなと思ったことがあった。学校生活など人生の1/4程度。残りの時間は教わるよりも自ら考え,何かを作り出し,社会の中で自立して生きていく。であるなら,3/4の時間に役に立つことを小さいうちから教えてほしい。もう1つは,学校の勉強が何の役に立つの?の答えに勉強する習慣を身につけることが大切,と返すこと。質問に正しく答えていないような気もするが,あぁそういう答え方もあるのか…と思ったよ。

◇「人を育て、動かし、戦力にする実戦コーチング・マニュアル」伊東明
コーチング,とりあえずやってみましょう!と主張する内容。コーチング的な会話と,そうではない会話の比較や,コーチング的な会話で使えるフレーズ260個も掲載。コーチングに懐疑的な人から寄せられた質問への回答も掲載しているのは,この本の特徴の1つ。
著者は心理学者だ。心理学の理論を通してコーチングを見たとき,それがいかに目標の達成に向けて機能するかも述べている。例えば,リアクタンス。人は特定の行動をするよう圧力をかけられると,反発心を覚え,その行動をとらなくなる,もしくはいやいや行動するということが起こるが,コーチングは自らが答えを出すように導くのでリアクタンスは生じにくい。自己説得の理論もこの点に関係している。人は,他者から教えられたよりも自らがその行動の意味を見出した場合のほうが動く。さらには,最初は小さな要求をし,受け入れたっら要求を釣り上げるfoot in the doorという説得理論。コーチングの過程で自分ができることを答えたり,してみたりすると,そこから抜け出さなくなり,それ以上のこともついついしてしまう人間の心理にもかなっているというわけだ。

◇「教師のための「続ける力」コーチング」
 神谷和宏
つまるところ,成功する人は続けることができた人,そして続かない原因は,その人の意志や精神力だけのせいではない…そう主張する著者による,何かを続けるためのコツの提案本。コーチングをベースとした,何かを続ける子どもにするためのコツは,もちろん大人である私たち自身のためにも使える。
この本で一番印象に残っているのは,「おわりに」に書かれていた内容。「誰でもできることを,誰もできないくらい続ける」特別なことや,難しいことをするのは難しい。でも誰でもできることをする。そしてそれを続ける…これができたとき,成功へ近づくのだ。これをエジソンのエピソードを交えて述べていた。
ちなみに,誰でもできることをするには,掲げた目標(具体的な目標)を達成するまでの目標,それを達成するまでの目標,またそれを達成するまでの目標…というように負担を感じないくらいまで(日々実行可能な程度にまで)目標・やることを分割していくのがよい。そしてそれをひたするら実行していくのだ。そうすると行動グセがついていく。途中,あせってしまったら落ち着くまで待ち,気持ちをはやらせることなく平常心で,やることに押しつぶされそうになっても丁寧に取り組む…そうやって続けていくと,いつか目標を達成できるのかもしれない。
著者は,続かない人は好奇心が旺盛だからと述べていた。続かない=飽きっぽいと考えている人が多いと思うが(私もだ!),好奇心旺盛で興味が他に移っていくととらえている。なるほど!と感じた発想の転換であった。

◇「松下幸之助とEQコーチング―時代を超えて生きる「信・認・任」の知恵」本間正人,高橋仁
「松下幸之助はコーチングの達人だった」らしい。彼は,コーチングの手法,言葉が日本に浸透するずっと以前に,もうすでにそのエッセンスを実行していたようだ。本書では,現在でいうところのコーチングスキルがふんだんに含まれた,彼の元部下や松下政経塾の元塾生への接し方をエピソード付きでまとめている。
松下幸之助のコーチングで発揮された彼の特に重要な素養は,本書によれば,楽観性(未来の明るい面を見て,前向きにとらえる),ストレス対処(ピンチをチャンスと受け止める),柔軟性(我を譲り,相手のペースに合わせて話を聴く),状況モニタリング(場の空気を読み,人の行動パターンを的確に察知する),共感的理解(相手の気持ちが分かる)であった。これらの素養が,本書でいうところのコーチングの基本,「信・認・任」(人の無限の可能性を信じ,一人ひとりの多様な持ち味,成長を認め,人を活かす)で十分に発揮されていたようだ。
本書には,たくさんの松下幸之助とその元部下や元塾生とのやりとりが載っている。松下幸之助の発言の深さ,ユニークさはさることながら,それを聞いた元部下や元塾生の行間を読む力,解釈力も(私的には)半端ないと思った。松下幸之助の意図を正確に汲み取れるって…おそらく,松下幸之助という人を知り,信頼し,常に考えているからこそできるのだろうな。そして,松下幸之助自身も,相手のことを知り,信頼し,常に考えているからこそそういう発言を普通にできるのだろうな。表面的ではない,踏み込んだ人間関係が築かれている。一方から一方ではなく,双方の相手に対する想い,感情がなければこんな関係は築くことができない,というのをまざまざと感じた。

◇「顧客サービスはコーチングで変わる!―一流の接客プロフェッショナルを育てる法<」ロン・ゼンケ,クリスティン・アンダーソン
接客サービスに携わるスタッフに対して,リーダーやマネージャーはどうコーチングしていくか,に特化した内容になっている。具体的な事例もたくさん登場するし,マニュアルのような詳細さで,状況ごとにどう対処するのがいいか説明している。情報量が多いため,読むのがなかなか大変だった。
でも事例が面白い。スタッフとリーダー・マネージャーとの会話調になっているのだけど,原著がアメリカというのも関係しているんだろうか。ストレートな物言いがたくさんあってよい。また,著者はたまにユーモアも飛ばしてくる。これまでに読んだ日本人の書いた書籍は,事例がどこかリアルさに欠けていたり,ややかしこまった感があったので,この本は新鮮に感じた。

◇「パフォーマンス・コーチング―会社が変わる・組織が活きる」石川洋
通常のコーチングでは,組織全体で高い成果を出すには足りないと考えている著者。そこで,コーチング+メンタリングでパフォーマンスを向上させることを説く。
メンタリングとは,古代ギリシア時代の賢人メントールが行っていた指導法・支援法をもとに欧米で確立・普及した「人間力を重視したリーダーシップ手法の集大成」らしい。メンタリングにおいて,メンタリングする側のメンターに求められるのは,課題・問題解決の支援者であること,メンティー(メンタリングされる側)の悩み相談役であること,メンティーのキャリア意識を高める指南役であること,過去の貴重な体験や将来イメージの語り役であること,人脈ネットワークの道案内人であること,だそう。なんというか,相手の自立・成長を促すために,あらゆる方向から支援を提供する人とでも言おうか…。
本書も情報量は多め。図表もたくさんあるものの,正直読みにくい。図表にも情報量が多いことと,図表と本文がちょうどよく配置されっていないの問題だと思う。本文を読もうとするとページをめくらねばならない,図表が本文を先取りしていて図表を見てもなんの話かわからない,というのが多々あった。

◇「コーチングの教科書」伊藤守
タイトル通り,コーチングの基本事項,要点がまとまっている。初学者にも使えるが,コーチング実践者がコーチングで困ったとき,基本に立ち返りたいときに見返すのにも使える。コーチング関連本をたくさん書いている著者の本。
コーチングでは傾聴が超基本だが,なぜ傾聴が大切なのかをここまではっきりと書いているのは,これまで読んだ中で本書が初めて。人が新しく行動を起こそうとするとき,具体的なイメージを持つことで行動がより起こしやすくなる。具体的なイメージは,情報量を増やすことで持てる。それにはコミュニケーションを増やすことが必要。というのも,情報量を増やすには,情報を外から取り入れるだけでなく,自分自身の内側の情報をアウトプットすることで初めて自分の中にある情報を認識することができるから。よって,アウトプットする機会を与えるためにも傾聴が求められるというわけだ。
「オープン・シークレット」という言葉も本書で初めて知った。誰もが知っているような当たり前のことなのに普段忘れられていること。自分に非があるときは謝ること,一人ひとりはその人の人生の主役であること等。オープン・シークレットが多い場では信頼関係は築きにくいだろう。

◇「サッカーコーチングレポート 超一流の監督分析 【特別対談】岡田武史」小野剛
サッカーチームの超一流の監督とはどんな人物でどんな特徴を持った人なのかに迫る本。著者はJFAによるサッカー指導者の最高ランクである公認S級コーチの講習会のインストラクター経験もあり,その講習会の中身や,監督・コーチの養成,という視点での話もしている。そして,最後には岡田監督との対談も収録されている。
超一流コーチがもつ資質は,著者によれば,サッカーへの情熱と進歩への向上心・テクニシャンでありマネージャーでありリーダーであること,勝っても負けても次を考えられるメンタリティとのこと。これらの資質が,各監督の持つ固有のパーソナリティや価値観と融合し,個性豊かな唯一無二の監督・コーチになるのだ。
対談も興味深い。「監督の手法に万能レシピはない」ということ。サッカーは相手との関係で常に流れが変わるため,要素分解からの分析はあまり使えず,全体を見ることが必要で,そこには必ず勝てる方程式は存在しない,だから常に変え続けなければいけない。そして「リーダーで一番大事なのは登るべき山を持つこと」で,「自分の山に必死に登っている姿を見せること」。リーダーのそういう姿に人はついていく,と岡田監督は語っている。

39/122 読了

2018/11/20

コーチング関連本を読んでるよ Week 2

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。

◇「見抜く力―夢を叶えるコーチング」平井伯昌
2章途中あたりからグイグイ引き込まれる内容で、上がり気分で読み進めていた!水泳の北島康介選手や中村礼子選手をコーチしてきた著者による、自身の指導経験をまとめた本だ。タイトルは見抜く力とあるが、見抜く力に関して直接的に書かれていることはそう多くない。選手のことをより多く、正確に知っていないと適切な指導ができないから、そういう意味では見抜く力が彼の指導の根幹にある、だからこのタイトルなのか?という感じである。
何に引き込まれて上がり気分で読んでいたかというと、北島選手や中村選手が結果を残していくプロセスが丁寧に書かれていたことである。選手たちの性格、能力、身体、生かすべきところ、改善すべきところをそれこそ見抜き、カスタマイズされたトレーニングをどう使って結果を出すまで導くか、を垣間見ることが出来た。そして何より、北島選手のようにオリンピックでメダルをとったほどの選手でも、もっと上を目指すならば目指すことは可能である、つまり、伸ばすべきポイントや改善すべきところは尽きることなく見つかり、トレーニングしていけるというのを、読んでいて現実性を伴って感じたことだ。それが見つからないというのは、詰まるところ向上心の欠如と怠慢いうことなのだろう。
加えて、失敗時だけでなく成功したときの振り返りの必要性やその成功パターンに固執すべきではないこと、目標がプレッシャーになるのは、目標と気持ちにギャップがあるとき、といったことも心に残った内容である。

◇「図解 コーチングの「基本」が身につく本」 本間正人
部下をもつ,チームリーダーやマネージャー向けに書かれた本。コーチングの基本方針やテクニック,GROWモデルほか,10個のケーススタディやコーチングスキルUPのための4つの提案が載っているのが特徴。
ケーススタディでは,やる気満々のメンバーへのコーチング,反抗的なメンバーへのコーチング,年上で扱いにくいメンバーへのコーチング等,職場にいがちな部下向けのコーチング手法が記載されている。ケースごとに会話例を紹介し,goodポイントとbadポイントもまとめているのでとてもわかりやすい。
スキルUPの提案では,コーチングに関して自分が誰に何をどれだけ(時間)やったかを日々記録していく方法や,実際にプロのコーチングを受けてみる,というのがあった。記録をつけていくメリットは,私自身も日々感じることだ。私の場合はコーチングではなく,この企画やマインドフルネスに関して進捗を記録しているが,記録すること=可視化で成長してきた点や今後気をつける点が浮き彫りになるし,自分が「やっている,続けている」と自覚できるから自信にも多少貢献する。プロのコーチングを受けることも非常に勉強になるだろうなと思う。クライアント側の気持ちを体験することは,コーチとしてクライアントに関わっていく際に使える情報を得ることになるだろうし,よいコーチの真似をすることで体得できることも多いだろうから。

◇「EQコーチングのスキル」 上村光彌,松下信武
コーチングというと,傾聴や質問のテクニックに走りがち…そんな状況に喝を入れる本である。テクニックがあっても土台がしっかりしてなきゃ意味ないでしょ,と。土台とは,コーチングする側とされる側間に信頼があることである。全くそのとおりである。そもそも信用してない相手に,なぜ心を開いて自分のことを話さなくてはいけないのか。そういう相手には話す理由も話すこともない。そういうわけで,この本では信頼感を構築することを含めたコーチング手法を論じている。
で,信頼感を構築するにはどうすればいいか?だが,端的にまとめれば,形から入るということではないか。著者は,擬似的信頼を信頼にしていく,という話をしている。相手に好意をもつ,明るくいきいきした表情,プロであることを示すこと,約束を守ること,ポジティブな感情を持ち続けること,そういうことの積み重ねで相手は好意を持ち始め,信頼を築いていくと。確かにそのとおりだろう。が,このときコーチ自身もクライアントに対して信頼をもつようになっていなければ(少なくとも,コーチがクライアンを信頼していないと思わせないようにしなければ)ならないのは当然のことである。ちなみに,相手を信じるためにはまず,自分の可能性を信じるようにと述べている。また,信頼関係を築けていない関係でコーチングをするときには,まずこれまでの対応について相手に誠実に謝罪することを求めている。
信頼に関してのほか,コーチの自身の感情との関わり方についても書いてあり、感情がコーチングにとって避けられない対象であることを感じた。
ところで,「話を聞かないことは最大の侮辱」という見出しには,頭をガツンと打たれました。

◇「コーチングのプロが教える リーダーの対話力 ベストアンサー」島村剛,渡邊有貴
著者たちの基本思想は,「答えは自分の中にある」ということ。これはコーチングの基本思想でもある。それをいかに引き出し,行動に結びつけていくか,ということを述べていく。そのプロセスはそんなに複雑ではない。まとめると,現状把握と考え方の転換がカギである。現状把握とは,自分が今どんな状態であるかを把握すること。感情面,身体面,自分の思考がどこに向かっているかなどだ。そして,ネガティブな感情や思考がポジティブなそれらよりも優勢だった場合,ポジティブな感情を誘発するような視点どりをすることで,ポジティブ優勢にしていくとする。(例えば,やりたくない仕事を前にしたら,その仕事の魅力は?その仕事が終わったらどんな気分になっている?その仕事に何を望んでいる?その仕事の可能性は?などの質問をしたり,今これをやったら将来役に立つかもしれない,自分が成長できるかもしれないといった考えにいくようにする)カウンセリングでいうところの,認知療法のやり方に近いと思われるが…。
だが,これをデフォルトにするにはけっこうな努力が必要じゃなかろうか。やれって言ってすぐできればコーチングが必要な事態にはなっていないだろうし,リーダーがこういった質問をして習慣化していくにも,忍耐が必要。この辺りのことを考えていないリーダーや,部下の発言を受け止められないリーダーが部下と対話したところで違和感たっぷりな状況になるような…
というわけで,読了後の感想はうーん…という感じだった。

◇「お父さんのための子どもの心のコーチング」菅原裕子
タイトル通り,お父さん向け子育て論。この著者の本は先週から読んでいるが,主張に大きな違いはない。だが,お父さん向けということで,子育てにおける父性の必要性を論じている。
著者は父性を,「甘えを断ち切り,世間において一人の人間として,自立して暮らすために必要なことを伝える存在」「社会の規範や倫理的なもの,つまり人として何がよくて何が悪いかを教えるもの」としている。甘えを許して依存させ,子どもとの距離が近く,近視眼的な子育てをしがちな母性ではまかなえない部分を,父性が担うことで子どもの自立を促すのである。フロイトの去勢の話を思い出した。
この本には,実際に起った,子どもに対するお父さんとお母さんの対応の違いが書かれている。レストランに行くと,お母さんはいつも5歳の子どもに,おしぼりの袋を開けて渡してあげているのだが,あるとき,子どもが自分で袋をやぶいていたのを見たらしい。そこでお母さん,あらできるのね!と子どもに話しかけたら,お父さんと行くとお父さんはいつも私にやらせてくれる。お父さんは私ができること知ってるの!と答えたそう。ついつい子どもを助けたくなる母性と,子どもの課題は子どもに任せ責任を教える父性の例が興味深い。また,親同士の集まりの話も興味深い。母親同士が集まると自分の子のことに焦点をあてて話をしていくそうだが,父親同士が集まると,よりよい子育てのために地域にどう働きかけようか,といった話題になるそう。 
父性と母性,子育てにはどっちも必要なのだろう。
※著者は、父性=父親,母性=母親としていないことを一応書いておく。

◇「おかあさまのためのコーチング」あべまさい
プロコーチ兼母親の著者による,実体験話満載のコーチング本。母親向けと記載があるが,著者自身がクライアントして受けたコーチングの話や,著者が行った大人向けのコーチング経験の話も載っていて,母親以外が読んでも学びや発見があるように思う。全体を通して,誠実さと謙虚さがあふれていて,語りかけてくるような文章だと思った。読後は私の中に,優しい気持ちが漂った。
コーチが内側から強くなるためには……というテーマで書かれていた章がいちばん印象に残った。物事をすぐ二分化して判断してしまうことを自覚しつつそこから自由になること、全ての感情を味わうと決めることなどが書かれていた。そう、決めればいいのだ。そして決めたことをやればいいのだ。

◇「教師のための子どもが動く! コーチング50」神谷和宏
小学校教諭,心理カウンセラー経験のある著者による,子ども(人間全般)の心理と,その心理特性を踏まえた上で,どう子どもを望ましい方向に導いていくか,を説いた本。タイトル通り,50個の方法が見開きで載っている。
子ども向けコーチングの本や子育て論の本を読んでいると,つくづく子供の頃にどんな考え方・習慣を身につけるかが大事だよなと思えてくる。もちろん,大人になってからでも身に着けられるものは多いが,子どもの頃に身につけられるものの多くは,その人自身の土台となるようなものが多いから,土台が違えばそのあとに得るものにも違いが出てくるわけで…。
「子どもはどんなときに意地悪になるのでしょう?」ー「その子のウィークポイントやコンプレックスを誰かが増強させ,ちょっとした痛みが走ったときです」。「ダメもとはあきらめを表しているのではなく,リラックスをしたらいいと訴えているのです」。というのを心に留めておこうと思った。
にしても,私も利用している作業興奮という現象,クレペリンが提唱していたとは!初めて知りました。

◇「バスケットボール選手のメンタルトレーニング」高妻容一,森億,小池一元,宍戸渉,梅嵜英毅

心技体,試合で勝つにはすべて重要。しかもアンケートをとってみると,心が最も重要と答える人が多いようだ。にもかかわらず,心に費やす練習はいちばん少ないのが現状。そういうわけで,バスケットボール選手がどうやって心を鍛えていくかのレクチャー本。主なトレーニングは,目標設定,セルフコントロールトレーニング,イメージトレーニング,集中トレーニング,プラス思考トレーニング。練習に,日常生活に組み込んで24時間メンタル鍛えていきましょう,という内容だ。
バスケットボール選手でなくても活かせる内容は多い。例えば,イメージトレーニング。イメージトレーニングをする際は,成功イメージを,五感をフル活用し,実際に身体を動かし,スローモーション,50%スピード,フルスピードで具体的にイメージする。集中力は,鼻から息を吸って口から吐く呼吸で。ポジティブな言葉によるセルフトークとコミュニケーションなど。これらを習慣化していくことで,メンタルはさまざまな状況下において安定していくこととなる。

◇「できる上司の部下指導はここが違う―これならわかるコーチング実例」古川英夫
コーチングの基本姿勢をベースにした,上司像を描いた本。こういう部下とはこんなコミュニケーションを,といったものから,上司はこういうことを知っておくべき,こういうことをするのがよい,といったことまで述べられている。銀行や経営コンサルティングの仕事を長年してきた著者による主張は明快,提案も明快。読みやすい。
個人的なびっくりポイントは,部下の気質を把握するとの項で,クレッチマーの3分類が出てきたことである。

◇「なぜ、だれも私の言うことを聞かないのか?」鈴木義幸,coach A
インパクトある本のタイトルだが,中身はとても穏やかに温かい雰囲気で進んでいく。組織の現場で実際に行われた会話を元に,ちょっとした解説をつけて,コミュニケーションのtipsを提示していく内容だ。
タイムリーにささったのは,「被害者」意識を捨てて,「創造者」になろうというtips。私自身,○○のせい,○○が悪いといった被害者意識>創造者で生きている自覚があるが,最近気づいたのは,被害者意識は一見楽な反応だがものすごくエネルギーを削られる,ということだ。被害者意識をずっと感じているととりあえず疲れるうえ,自分の無力感を感じざるを得なくなり,2重のダメージをくらう。負の連鎖が続くことは明らかだ。どうせ疲れるなら,「創造者」のがいい。創造の結果がどうであれ,創造することそれ自体で無力感から解放されるだろうから。

◇「コーチングの基本」鈴木義幸,coach A
その名のとおり,コーチングの教科書のようなもの。コーチングとは何かに始まり,基本的なスキル,コーチングプロセス,実際のコーチング例など盛りだくさんで,1冊読むだけでコーチングがけっこうイメージできる内容になっている。
今回初めて知った内容としては,コーチングの視点として,possession, behavior, presenceに注目するということ。中でもpresence(価値観,信念体系)は非常に重要と思う。おそらく,普段取り立てて意識することもないだろう。自分にすでに内在化している,つまり当然のものとして存在しているのだから。でも,何か問題が起こったときには表出するし,これらが自己成長を妨げていることは大いにありえる。
コーチングのプロセスには,目標の明確化と現状の明確化があり,それらがこれまで読んだ本よりも詳しく書かれていたように思う。著者は目標を3つに分けており,(憧れの目標,しなければならない目標,真に達成したい目標)コーチングの領域は,真に達成したい目標を達成するためのサポートである。とはいえ,これを把握できている人は多くなく,探し続けること,過去にある手がかりから導くことを勧めている。現状の明確化に関しては,自分を客観視することが基本。そのために自分自身を映像や音声に収めたり,周囲の人物,およびコーチからの評価を受けたり,もちろん自分で自分を振り返ることも必要。クライアントは,目標と現状を埋めていく行動をしていくわけである。

29/122 読了

2018/11/13

コーチング関連本を読んでるよ Week 1

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。

◇「子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方」菅原裕子
30年超にわたって人材育成,人材教育分野で働いている女性が,自分の仕事経験や子育て経験を生かし提案する,幼児期~児童期あたりの子どもに対する子育て論。自立した子にするために,子どもをどう育て関わっていくのがいいかが書かれている。内容はシンプルでわかりやすく,具体的なエピソードもたくさん盛り込まれており,すっと理解できた。
この本の中で彼女が示す子どもに教えたい3つの力は,愛すること・責任・人の役に立つ喜び。それぞれの概要を述べると,親が子を愛することで子に自己肯定感が生まれ,他人も愛するようになる。また,過剰なヘルプは子に与えないが,子が甘えてきたら受け入れる。自分が巻き起こしたことによって生じた結果を子に認識させ,受け入れるように誘導する。子がしてくれたことに対して,嬉しさや感謝を正直に伝える。といったこと。このほかにもしつけの仕方や子どもとのコミュニケーションの仕方についても書かれている。
独断でまとめると,彼女の子育て論の基本姿勢は,子どもを1人の独立した人間とみなし,誠実に接していくことではなかろうか。
この手の本を読むと,未だに自分の親との関わりが自然に思い起こされてしまい,ふつふつ吹き出てくる感情やら言葉があるよ。あぁ私の未完了案件よ…

◇「コーチング・バイブル―人がよりよく生きるための新しいコミュニケーション手法」ローラ・ウィットワース,ヘンリー・キムジーハウス,フィル・サンダール
コーチング・バイブルというだけあって,コーチングの教科書のような内容。コーチングの基礎,コーチングに使用されるスキル(傾聴,直感,好奇心,行動と学習,自己管理),どこに焦点を当てながらコーチングするか(フルフィルメント,バランス,プロセス),クライアントが陥りがちな心理状態,実際のセッションの進め方と使用できるツールなどが盛り込まれている。読みやすい文章で,理解もしやすい。
この本では,”グレムリン”という言葉がたくさん出てくる。グレムリンとは,変化しよう,上昇しようという気持ちをくじく,心の声のようなもの。こいつは経験や他人を持ち出して,あたかも自分が正しいかのように理屈をこねて当人の心を砕いていく。しかも奴は賢い。コーチは,クライアントのグレムリンを受け流し,振り回されないようにし,クライアントがグレムリンに囚われないように導きサポートしていくことが求められる。と同時に,コーチ自身も自分のグレムリンと戦い,凌駕し続けていく必要がある。
またこの本を読んで感じたのは,自分を知ることから始めて変化を起こしていくということ。表層的な自分ではなく,もっと深く自分を知るということである。そのため,コーチング場面では,コーチはクライアント自身が自分を知ることができるよう,根気強く導いていく(自分を知るということはそう簡単にできるものではないため。)。コーチ自身も,もちろん自分を知らなくてはいけない。

◇「吉井理人 コーチング論: 教えないから若手が育つ」吉井理人
コーチングといえばスポーツ!と遅ればせながら最近気づいた。スポーツ関連のコーチング本を読むのは初めてである。
日ハム投手コーチによる,自身の経験と大学院での学び,研究をふまえて書かれた内容になっている。彼の基本姿勢は,”自分で問題を解決できる力”を選手に身につけてもらうこと。そのためにコミュニケーションを工夫しながら選手たちと接していく。彼は選手をとてもよく観察しているし,その観察結果をもとに,杓子定規をせず,考えながら選手と関わっているのが伝わってくる。
この本で面白かったのは,野球選手たちと吉井コーチとの具体的なやりとりが知れたこと。野球選手といえば,私にとってはメディアに映る姿しか知らない遠い遠い存在である。そしてメディアに映すのは彼らのかっこいい姿。でも,メディア外の彼らも,悩んだり,混乱したり,困ったりしながら日々を過ごしている。その姿が本で垣間見えて,心がちょっと温かくなったし,安心もした。

◇「アスリート・コーチングBOOK―日本一の指導者に聞いたコーチング術」高畑好秀(監修)
総勢14人のスポーツコーチが,自身の育てている選手との関わり方を語る1冊。現場で実際に起こったエピソードも盛り込んであって,興味を引かれる内容だった。
今回コーチングを学ぶためにコーチング本をいろいろ読んでいるわけだが,自分自身へのセルフコーチングにも活かせるtipsがいろいろ書かれていて,そっちに意識が持っていかれた。例えば,シンクロの井村コーチの主張 ”理屈ばかりが先に立つ選手は,ついて来られなくなります。言葉から入って,身体に動きを教えて,それから言葉と音楽と合わせて…という段階を経ないと実行できない選手は伸びません。反対に,指示を聞きながらイメージすることを覚えて,頭を高速回転させながら練習できる選手は,必ず伸びていきます。” ”いい演技ができているとおもったときの筋肉の感じや感覚がわかったからといって,いつも調子のいいときの自分に当てはめようとするのは,非常に苦しいものだからです。いつもの真っ直ぐじゃ,こんな風になっているけれど,今日は違うから微調整することで…修正する手立てを覚えるようにアドバイスします。” 例えば,水泳鈴木コーチの主張 ”結果以前にレースをきちんと組み立て,どうやったら自分の力が最高に発揮できるかということを,選手自身に考えさせなければ駄目だということを痛感しました。” サッカー岡田監督の主張 ”一番良いところはどこなのか,自分の売りはどこなのかをわきまえろ。” などなど。

◇「10代の子どもの心のコーチング―思春期の子をもつ親がすべきこと」菅原裕子
先日upした「子どもの心のコーチング」の著者による,思春期の子に対しての子育て論。「子どもの心のコーチング」に書かれていたことと基本方針は変わらない。愛すること,責任を教えること,人の役に立つ喜びを体験させること,の3本柱が中心だ。だが,それらに加えて思春期の子には,これまで以上に”真摯に向き合うこと”を主張している。なぜなら子どもは,親の適当さ,一貫性のなさ,気持ちの入っていない言葉などを簡単に見抜く。ましてや思春期は,心身ともに子どもにとっても振れ幅が大きくなる時期。だからそういう親の態度は子どもの自立に影響を与えかねない。また著者は,親が子に気持ちを伝えることも強く勧めている。好き,嬉しい,助かった,ありがとう…それらの言葉と想いは子どもたちの力になっていく。大人だってそうだもんね。

◇「ポケット図解 コーチングのツボがわかる本[第2版]」土岐優美
タイトルどおり,コーチングの基本とされていることがまとまっている。見開き1ページで1つのお題。イラストも多く,薄いので比較的短時間で読み終えられる。
この本にはいくつかの例題が載っているのだけど,あまりにもうまくことが運びすぎている会話例というか,不自然というか,現実味が低いように感じるというか,そんな感じで読んでいるときに少ししらけてしまった。
一方,興味深かったお題は「見せかけの質問」。「何度言ったらわかるの?」「やる気あるの?」等,問題を起こした人を非難するような質問の大半は,自分の立場や役割を守るため,自分の満足や納得のためのものとのこと。相手からの答えを望んで,相手を知りたくて,相手のためになると思ってする質問ではないからだ。

◇「コーチングで子どもが伸びる!」デーヴィッド・へメリー
元オリンピックメダリストによる,コーチングを取り入れた子育て論。叱り方,責任感と自立心の育て方,やる気を出させるための接し方などが書いてある。質問例も豊富に記載。
子どもの気持ちや意見を具体的に知るには,質問の仕方を変える必要があるし,また,子どもの一言や行動ですべて分かった気になってはいけない,ということを心に留めたい。相手を知るために質問を掘り下げていくことは,質問者次第でいかようにもできそうだ。筆者は例えば,こどもが泣き言を言ったときに,「1-10のレベルでどのくらい困っているの?」と問いかけることを勧めている。質問することで,子どもは(困っている状態を)親に認めてもらえていると感じるし,自分自身を客観的にみれるようになるとのこと。

◇「サムライ審判「白熱教室」―世界の舞台で見たハイクラスコミュニケーション」平林岳
日本とアメリカ双方で野球の審判経験がある著者による,日米の野球に対する考え方の違いがメインの内容。コーチングの話もちょっと出てくるが,コーチングの基本精神と情熱を伴ったコミュニケーションの重要性を語っている。また,松井選手とイチロー選手のすごさも語っている。
日米の野球観の違いは初めて知ることばかりだった。アメリカでは,審判が絶対。たとえ審判がミスをしてもそれも含めて選手や観客は楽しもうとし,たとえミスを抗議したとしても,判定は絶対に覆らないことを知っているから,審判,監督がそれぞれの立場を互いに理解した上での抗議になるとのこと。日本では,審判のミスは,選手や監督,観客から厳しく追求されるらしい。また,アメリカでは,選手個々がそれぞれに力を発揮し,楽しんで野球をすることに焦点があたっており,自分のプレイがどうすればよくなるか,考えさせることが主流。指導者はミスには前向きな声がけをし,攻めの野球が行われる。日本では,チームの勝利に焦点が当たっており,手取り足取り教えることが主流。ミスは叱責される傾向にあり,守りの野球をしがち。らしい。
ミスを責められることが刷り込まれていると,萎縮しちゃうよねというのは,経験上私自身も感じること。ミスしても大丈夫,ミスのあとはどうするか,そういうふうに思考を持っていけるように学習させることが必要なんだろうな。

◇「子どもの能力を引き出す親と教師のためのやさしいコーチング」大石良子
小学生向けのコーチング本。元小学校教諭が書いていることもあって,教室でできるコーチングを取り入れたコミュニケーションや,実際に筆者と児童,親との間に生じたやりとり(児童に問題発生,筆者が介入し,改善へと導くまで)が複数紹介されていて,ケーススタディが可能である。
教室でできるコミュニケーションはとてもシンプルなものだ。4-5人くらいのグループに分けて,何して遊びたいかや,こんなものあったらいいな,とか子どもにとって身近で話しやすい話題をテーマに話し合いをさせる。そのときの肝が,一人ひとり同じ時間,順番に話をさせること,それ以外の子どもは相槌やうなずきをしながら聞くこと,そしてその人が話し終わってから質問をすることである。話す側にとっても聞く側にとっても,余裕をもってコミュニケーションができるし,話すことに自信が生まれ,聞く習慣をつけるのにも効果的だろう。このやり方は,もちろん家庭で家族の間でもやることができる。
ケーススタディは,けっこう新鮮だった。普段小学生と接する機会はないし,自分が小学校のときは自分のことで精一杯で他の子がどんな状況でいるかなんて気にも留めたことがなかったから,こういう子もいるのか…と感じながら読み進めた。筆者の観察力,直感,適材適所なコミュニケーションはさすがであった。

◇「合格力コーチング」江藤真規
現役コーチとして働く著者による,子どもにどう接していくべきかを自分の経験も踏まえつつ書いている本。中学受験の子を持つ親からの要望で書かれた本のようで,対象は中学受験をする親子がメインだが,中学受験とは無縁の親子も活用可。自分で自分の人生を考える子にするために,親は子とどのようにコミュニケーションをとるか,子に何をやらせるか,をコーチングで用いられるスキルや理論をベースにして語っている。親の気持ちを汲みつつ,代弁しつつ,丁寧な言葉で話を進めていっているのが印象的だった。また,コーチングを学び,子どもに対する接し方をを変化させていく中で,著者本人の考え方や生き方にも変化が訪れたらしく,そのあたりもけっこう書かれている。

◇「子どもが伸びる!魔法のコーチング」東ちひろ
教員、教育カウンセラー経験のある著者による、対子どもに、コーチングを取り入れたコミュニケーションをどうやるかが書かれている。褒め・聞く・伝えるを中心に、様々なケースを紹介しながらまとめている。
また、この本では、スキンシップの重要性も書かれていた。手をつなぐ、頭をなでる、体を拭いてあげる等、スキンシップは子どもの心を安心させる。

◇「部下を伸ばす技術 コーチング」宍戸由希子
人材育成に関わる著者による,組織で使えるコーチング。アメリカ人の著者によるコーチング関連本を翻訳したこともあるとのことで,コーチングの手法を取り入れたアメリカ企業の事例を複数取り上げている。また,コーチングを「相手の自己実現をサポートする考え方・手法」とし,自己実現は「自分の個性通りに生きる」と定義している。著者が提示するコーチングのスキルは、モデル・ガイダンス・フィードバックである。コーチはクライアントに、自らをモデルとして見せ、質問を通して、クライアントの目標や気持ち、現状を把握、かつ、自分で行動を決められるよう導き、クライアントの変化に対するポジティブフィードバックを行うのだ。
また本書には、セルフコーチングのやり方と、ワークシートが載っている。目標の立て方や、目標達成をイメージするメンタル・プラクティス、自分にとってのモチベーションややりがいを掘り下げるときに使えるシート、思考チェックなどが含まれる。
人のコーチをする前に、まずは己を整えよと…まったくそのとおりだよね…


◇「質問で学ぶシンプルコーチング」マツダミヒロ
コーチングに関するキーワード31個を,短い会話と解説,4つの質問で紹介している。4つの質問は,それぞれのキーワードを理解したり,自分について考えるためのものでワーク式になっている。たしかにシンプルイラストもたくさんでわかりやすい雰囲気だが,説明不足感が否めない印象。流し読みなら流せるが,じっくり読もうとすると,なぜこの言葉を使うのだ?という箇所があったりして(ex. 自然体:どちらにも傾いていない→ニュートラルな立ち振舞い と言っているが…),いまいち理解できないところもあった。記載されているキーワードがコーチング場面で役に立つことは確かだと思うが,どういう状況で/どういう文脈でそれらを用いるかに触れられていないので,具体的にこんな感じで使うというイメージがわきにくい。

◇「子どもの「やる気」のコーチング」菅原裕子
菅原さんの著作,今週3冊目。今回はタイトル通り,子どもにやる気を出させるための土台作りとコミュニケーションに焦点を当てている。土台は,自己肯定感と有能感と人の役に立つ喜び。子どもの話を聞いて受け止め,子どもを信じて仕事/活動を任せ,子どもが親にしてくれたことに対して感謝や嬉しさを伝えることである。
子どもに任せることの重要性は,納得のいくものばかりだった。子に任せず親がなんでも子に代わってやってしまうと,子は自分で何かをしようという機会も,自分はできるんだと思える機会も奪われる。また,失敗から学ぶことや,責任を学ぶ機会も奪われる。結果,人任せで責任感のない子が誕生する。そんな子に大きくなってから,なんでこれができないんだ?,なんでこれをやらないんだ?と言ったところで,子どもが酷である。
心理学分野でよく登場するモチベーション関連の知見(SDT理論や,内発的動機づけにおける褒めの影響)もベースにしている。
親は子の話を聞いていると思っているが,実際のところ聞いていない。親がしているのは,親が聞きたいことを聞いているだけである。このあたりのことが,具体的な会話例を元に書かれているのがわかりやすかった。子どもが何かを話し始める。親は自分のフィルターを通してその話を聞き,解釈し,反応する。しかし,その解釈は往々にして子が期待していた解釈ではなく,子に質問するにも,自分が得たい情報についての質問で終わる。結果,子は伝えたかったことが伝えられず,場合によっては詰問となり,メンタルが削られていくという…これは,親子間にかかわらず,大人同士でもよくあることだろう。「聴く」ために,著者は,異文化の人と接すると思って子と接するように勧めている。
本書の最後には,簡易エニグラムテストと,9つのタイプそれぞれに関して,概要,親の特徴,子の特徴がまとめてある。

18/122 読了

2018/11/06

コーチング関連本を読んでるよ Week 0

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。

◇「図解コーチングスキル」鈴木義幸
実際のコーチング場面で行われている手法の紹介本。筆者はコーチングを,「相手を育て,目標達成に導くためのコミュニケーションの技術」と言っている。部下が目標を達成しない,部下がいつも不平や不満ばかりいってくる,自分のグループの雰囲気が悪いなど,職場の部下のこんなことに困っている,というシチュエーションのもと,それに効く手法を41個提示しそれぞれ見開き1ページで簡潔に説明している。イラストもシンプル,で色もそれほど使っていないため,読みやすく理解しやすい。とはいえ,体系だって書かれていないので,バラバラした感は否めない。
手法を読んでて感じたのは,相手に負荷がかからないコミュニケーションを提唱しているということ。例えば,なぜは問わずに何を問うこと。なぜは責任追求の響きがあるため,言われた方は防御に走ってしまう。何を問えば客観的に問題を捉えることが可能となる。例えば,相手がすぐに答えられる質問から始めること。会社をどうしていきたいと思っているのか,どういうビジョンを持っているのか,というのは,漠然としていて答えにくい。だから,お昼何食べた?などの答えやすい質問からスタートする。

◇「図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく<」伊藤守,鈴木義幸
コーチングの世界でも,”人のタイプ分け”があるようだ。他者とのコミュニケーションスタイルによって4タイプ(コントローラー・プロモーター・サポーター・アナライザー)に分かれるらしい。この本には,タイプ判断の仕方,タイプごとの特徴,タイプ別のコミュニケーションのとり方が載っている。
タイプを知るためには,いくつかの質問に答える必要がある。この本に載っているのは,簡易版のテスト。20問の質問に答え,その質問の答えを得点化し,その得点をもとに回答者がどのタイプかが決まる。早速やってみたところ,私はサポーターとアナライザーの得点が,コントローラーとプロモーターの得点に比べて高い傾向にあった。それぞれの特徴を自分に照らし合わせてみると,あぁ,そういうとこあるわーもありつつ,私こんなだっけ?というところもありで,正直あまり釈然としていない。しかも,この本にも書いてあるが,たいていの人は2つくらい強い要素が出てくるらしい。ちなみに私が得点の高かったサポーターとアナライザーは,記載の4象限にマッピングされた図によればそれぞれ,感情表出高い×自己主張弱い,と 感情表出弱い×自己主張弱い だったのだが,感情表出に関してはどっちやねんという感じ。とりあえず自己主張が弱いということは分かったが…。
質問からのタイプ分けはいまいち腑に落ちなかったものの,それぞれのタイプにどういうコミュニケーションをとると効果的か,についての内容は面白かった。重要なことは,同じ内容を伝えるにも伝え方は一つではないということではないか。相手が何を好み何に価値を置いているかを考慮し(この本でいうところのタイプともいえるが),それらを利用しながらコミュニケーションをとる。そうすることで無駄な勘違いや摩擦,ストレスが減っていくことだろう。
とはいえ,相手を知るということが一番難しいんだよな…

◇「図解 他人を動かすのが上手な人の「心理術」―明日からすぐに、そしてずっと役に立つ!」伊東明
コミュニケーションにおいて主導権を握り,自分の意図したように相手に”快く”動いてもらうためのテクニックが載っている。具体的には,質問の仕方や,お願いの仕方,自分の話の聞かせ方などが,例を伴って書かれている。
これらのテクニック,書かれている理屈は比較的理解しやすいように思う。が,実際にやるとなるとけっこうハードルが高い,というより一朝一夕でマスター!というものではない。その差をガツンと感じさせる。
この手のコミュニケーションを成功させるには,そもそも人を意図的に動かすことに対して心理的抵抗があっては難しい。そして,自分が相手に求めていることをはっきりさせること。さらには,相手の人となりを踏まえつつ,実際に相手との会話を繰り広げる前に,自分の頭の中で会話の全体像をデザインし,かつシミュレーションしておかないと,運任せの結果にしかならないだろう。

◇「図解!成功する人の「心と脳の習慣術」超実践セルフコーチングで生まれ変わる!」辻秀一 
スポーツ心理学をベースに,”揺らがず・とらわれず”状態の心を保つためにはどうしたらいいかを示している。人の心は,環境・経験・他人によってさまざまな影響を受ける。自分がどんなときにどんな影響をそれらから受けるかを把握し,自分の発する言葉,態度,表情,思考に注意を払って生活していきましょう,ってことが概要で,与えるをする,チャレンジする,リスペクトする,応援する,根拠なく自分を信じる,今に焦点を当てる,といった推奨行動も書かれている。本で知識を得て,実践して,シェアすることで身につけていきましょう,と言っている。
印象に残った内容は2つ。1つは,チャレンジ精神とは,一生懸命やることではなく,自分の居心地のよい事と違ったことを,ちょっとの勇気を持って考えたり,行動したりすること,ということ。もう1つは,(結果や根拠に関係なく)まずは「信じる」と自分で決める ということ。

4/122 読了

2018/05/26

漫画記 花田陵「デビルズライン」

「デビルズライン」がめっちゃ面白い。ここ数ヶ月,はまってます。もうこの漫画は,何度も読み返したい漫画ランキング(私基準)トップ3に入る。なぜなら,読み返すたびに感情が動くし,何かしら発見やら思うところが出てくるから…。読み応え大の漫画です。既刊は現在11巻,雑誌はモーニング・ツーで連載中。続きがめちゃくちゃ楽しみだー!

私は漫画が好きでよく読んでいるのだが,好きになる漫画に傾向があることが分かってきた。ざっくり分けると2つ。からっと笑える恋愛漫画と,人間関係,人の気持ち,感情についてどこまでも考えさせられる漫画である。「デビルズライン」は,完全に後者。ストーリーに深みがあると思う。世の中で常識とされていることに「そうなの?」って問いかけてくるような感覚。最初の1話はけっこうなスピード感と衝撃を伴って話が展開し,その後数話は,主人公とヒロインの恋愛話が進んでいくのかなーと思いつつ読んでいると,登場人物がどんどん増えてきて,しかもその登場人物たちはそれぞれの背景のもと,社会を変えようと行動を起こし,人との関係をそれぞれのやり方で築いていこうとする…。割り切れるような答えじみたものはなく,複雑に話が進んでいきます。それに登場人物たちの心情描写がとても丁寧(個人的にはココ重要!)。彼・彼女たちが,今何を考えていてどういう気持ちでいるのかがリアルに伝わってくる。それは,それぞれが発する言葉(登場人物同士での会話もそうだし,それぞれのモノローグもそう)からはもちろんだし,表情からも伝わってくる。作者の花田さん,切ない気持ちを抱える男性の表情を描く天才なんじゃなかろうか…。けっこう多い主要メンバーのキャラ設定,作り込まれていると思います。

好きな漫画には好きなキャラが必ず存在するよね!ということで,「デビルズライン」に関しては,私は,主人公の安斎さんがとても好きです。彼は少し不器用ですが,本質的にはまっすぐで優しい。それに外見もイケメンですし…。それに設定上,電柱から電柱へ跳べるのですが,それもかっこよくないですか!

興味を持った方!ぜひぜひ試し読みを。講談社の公式サイトで3話分読むことができるほか,http://morning.moae.jp/lineup/151 LINEマンガでも公開中。こちらは,1話を2つに分けて公開しているので,17話分無料で読めます。https://manga.line.me/product/periodic?id=0000auem
ちなみに現在,アニメも放送中。http://devilsline.jp/ アニメも面白いし,主要人物の声がキャラと合っていていいですね!個人的には,李さんの声(CV:木村良平さん)がとても好きだ…。でも,原作よりも話の進み方が早く,はしょっている場面も多いので,個人的には漫画を読んでいただきたい!