先週、映画「スター・ウォーズ」の全エピソードをイッキ見した。SFものはどうも苦手で、これまで見ずに過ごして来たのだが、スター・ウォーズ大好きの友人たちからの絶賛の声を聞いて観てみようと思った。観始めたらすっかりはまり、スター・ウォーズに対して持っていた先入観が打ち砕かれ、私もファンになった。ストーリーの中で描かれている人間たちにすっかり共感した。
スター・ウォーズは、普遍的な人間の感情や出来事を描いている。観る前は、スター・ウォーズはその名の通り、宇宙で起きる戦争の話かと思っていた。確かに戦いのシーンはたくさんあるが、それよりも人間ドラマ的な要素が強い。地球上で成り立っている人間社会が宇宙でもそっくり成り立っている。国ができて権力争いが行われ、登場人物たちは主義を主張して戦い、葛藤し、恋愛し、成長していく。国・地域関係なく、規模の程度こそあれ、人間誰もが日常的に経験していることである。
さらに、スター・ウォーズを通して描かれるのは、ライトサイド(ジェダイ側)とダークサイド(ダース○○側)の戦いである。愛・助け合い・自由・思いやり・信頼・正義などと結びつくのがライトサイドで、恐怖・怒り・憎しみ・疑惑などと結びつくのがダークサイドだ。ライトサイドとダークサイドはフォースから生まれ出る。これはそっくりそのまま1人の人間の感情や思考、行動に投影することができると思う。1人の人間の中には、明るい部分と暗い部分が共存している。愛にあふれた行動をすることもあれば、怒りや嫉妬に駆られて行動することもある。相手をすっかり信頼していることもあれば、不信に満ちていることもある。気分によって、状況によって、経験によって人間の感情や思考、行動は常に変わる。明るい部分と暗い部分、どちらに多くエネルギーが振り分けられるかは流動的で、明るい部分が暗い部分をより上回ることも、暗い部分が明るい部分をより上回ることも簡単に起こりうる。ジェダイの騎士からダース・ベイダーへと転向したアナキン・スカイウォーカーは、自己内のライトサイドとダークサイドに大きく揺さぶられた人間として描かれている。
また、スター・ウォーズは希望が描かれているストーリーでもある。激しい戦いが宇宙で起こるが、最終的には愛や正義と結びついたライトサイドが勝利し、恐怖や怒りと結びついたダークサイドは滅びる。そして、たとえダークサイドに囚われても、改心してそこから抜け出し、ライトサイドを強くすることができる。人間への信頼とそこから生じる希望が描かれていると思う。
P.S. その他印象に残っていること
・C-3POのキャラクター設定。あのすっとぼけた感、空気読んでいない感が好き。
・エピソード4~6に出てくる、人間以外の生き物たち。怖さがなく、可愛く見えてしまう。
・エピソード3でアナキンがダースベーダーの弟子なり、活動し始めたときの表情。ヘイデン・クリステンセンのきれいな顔に凄みがきいていていっそう美しくなっていた。