MOOCsとは Massive Open Online Courses の略称で、インターネット上で公開されている講義を無料で受講できるサービスのことである。MOOCsで初めて講義を受けたのは2年くらい前のことだったが、講義内容がとても充実していて、かつオンラインだからこそできるいろいろな試みが講義に組み込まれていて、とても魅力的なサービスだと感じた。それから今まで、時間に余裕のあるときや、面白そうな内容の講義を見つけたときに受講しているのだが、ちょっと◯◯について知りたいとか、◯◯に興味があるけれど、何から始めよう、というようなとき、効果的に使えるサービスだと感じている。本を読むより分かりやすいし、なんといっても気軽に始められる。
MOOCsで私が最初に受けたのは、Coursera (https://www.coursera.org/)というプラットフォームで開講されていた「Introduction to Psychology」(https://www.coursera.org/course/intropsych)だった。トロント大学の心理学の教授が開講していた授業で、とにかく内容が濃かった。2ヵ月の開講期間中、いくつかの心理学のトピックに関するビデオ(全体では2時間前後の講義がいくつかの動画に分割されている)が毎週アップロードされ、それを見て受講する。そして、彼の講義に関連する情報が提示されている動画やサイトのリンクをたくさん紹介されるので、自分の興味に合わせて学習を進めることが可能だった。さらにこの教授は、受講者が被験者/実験者として参加できる調査および統計分析のシステムのプラットフォームをオンライン上で公開していたから、それに参加することで簡易的な心理学調査を実際にやってみることができた。このコースは、オンライン上で課題を提出したり、講義で話されていたことに関するクイズなどをやることで修了証とスコアがもらえる。私は課題レポートは提出せず、その他の要件を終えて修了証を得た。
Courseraで受けたもう1つの印象的な授業は、「Introduction to Public Speaking」(https://www.coursera.org/learn/publicspeaking)だ。ワシントン大学の教授が開講していた講義で、英語試験のスピーキング対策にと思って受講した。さすがスピーチについての講義である。とにかく迫力のあるプレゼンテーションで、しかも実用的。即興スピーチから情報を与えるスピーチ、説得のスピーチまで段階を踏んでいけるように構成されていて、スピーチの構成、表現の仕方、話し方などの要点は簡潔にまとめられていた。課題は、その要点に基づいて自分でスピーチを作り発表するというものだ。私は即興スピーチのみ参加したが、まず自分のスピーチを録画して、Youtubeにアップする。その動画を他の受講者が見て、評価するというしくみだ。他の受講者のビデオを見ていたとき、本当にいろんな人が受講しているということを実感した。Courseraは米サイトだが、受講者はヨーロッパや南米からもたくさんいたし、年齢もばらばら。自分と同じようにスピーチをよくしようとしてがんばっている人がいる、と知れたことは励みになった。
今は、数週間前にたまたま見つけたJMOOCのサイト(http://www.jmooc.jp/)で1つ受講している。何かを学ぶときのとっかかりとして、MOOCsは大いに活用できると思う。