とはいえ、私が朝ドラを好きになったのは最近のことである。これまでに全話観た朝ドラは3つ、「梅ちゃん先生」、「マッサン」、「あまちゃん」だ。「あまちゃん」は毎話毎話おもしろかった。なんといっても登場人物たちの掛け合いがおもしろい。観ているうちにどんどんはまってしまった。それぞれのキャラクターが強烈で個性派ぞろい、しかも人懐っこい。実際にいたら会ってみたい人たちばかりである。特に勉さん、大吉さん、夏ばっぱ…。この半年、「あまちゃん」でときには大笑いし、ときには感動し、登場人物と自分を重ね合わせて共感し、挿入歌の「潮騒のメモリー」までつい口ずさんでしまう日々を過ごしていた。
「あまちゃん」は好きな朝ドラだ。だが、実は私は「あまちゃん」以上に「梅ちゃん先生」が大好きだ。朝ドラが好きになったのも「梅ちゃん先生」がきっかけだった。「梅ちゃん先生」は、戦前の東京・蒲田に生まれた梅ちゃんが、町医者として地域の人たちの支えになるまでを描いた、女性の半生物語である。小さい頃からドジで失敗ばかりだった梅ちゃんが、医者になろうと決意、周りで起こるいろいろな問題に対処しながら医者として活躍する。失敗ばかりでもあきらめないし、周りで起こる問題には時間をかけても丁寧に対処する。人を大切にし人と一緒に生きていく。そしていつも自然体――そんな梅ちゃんのキャラクターが大好きだ。
私は昔、強い女性になりたいと思っていた。私が当時イメージしていた強い女性像…それは、いろんなことができて困難をものともせず乗り越えていくような、スーパーウーマンだった。でもそれは現実的でないことがわかった。1人ができることなんてたかが知れてて、困難にぶつかれば、大変!辛い!と思って立ち止まるほうが自然。私がイメージする強い女性の像は変化していった。今その像は、強いという表現より「たくましい」という表現のほうがしっくりくる。目指すところに向かってしぶとくやり続ける、かといってそれ一筋、それしかしませんではなくて、日常生活の他のもろもろのこととか周りの人のこととかも考えることができる、そして自然体でもある。そんな女性がいいと思う。私にとって梅ちゃんは、たくましい女性の一例である。今期始まった朝ドラ「あさが来た」の主人公あさも、そんなたくましい女性を彷彿とさせる。だから毎日見たいと思うのだろう。そういう女性を見ていると、私もがんばろう!って気持ちになる。力をくれる。
朝ドラの女性たちのことを考えていたら、少し前にとてもはまってヘビロテビデオを思い出した。スプツニ子!氏の「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」のMVだ。
世界で初めて月面にハイヒールの足あとをつけることを目指して、夢中でローバを設計するおしゃれな可愛い女の子。このビデオも、私に力をくれる。