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2019/07/02

私もがんばろっ! -漫画記 たなかマルメロ「俺たちマジ校デストロイ」,モリエサトシ「星空のカラス」

久しぶりの漫画レビュー。今日は最近読んだ漫画を2つ紹介したい。たなかマルメロさんの「俺たちマジ校デストロイ」と,モリエサトシさんの「星空のカラス」だ。読後感はどちらの作品も「私もがんばろっ!」。主人公たちがやりたいこと,成し遂げたいことに向かってガシガシ突き進んでいく姿はかっこよく,読んでいてパワーをもらえる。

・たなかマルメロ「俺たちマジ校デストロイ」
ネオアイドルとしての活動に精を出す,男子高校生の物語。平凡な日常を過ごしていた男子高校生のトモは,道端でもらったチラシに書いてあった”ネオアイドル”(アイドルのようなもの)に興味を持つ。アプリに登録さえすれば,誰でもネオアイドルとして活動できるということで,幼馴染のニーナと友達のメグを誘って早速登録。登録したはいいものの,ネオアイドルって何するんだ!?状態の3人。グループ名を決めることに始まり,学校でライブしたり,隣のクラスのキスケにグループの作曲家になってもらうべく粘ったり,体力つけるのにトレーニングしたり,テーマ別で開催される一般公開ライブに出たり,別のクラスのネオアイドル経験者のミユとジュンや風紀委員長のユッキーを誘ってメンバーを増やしたり,別のネオアイドルと仲良くなったり,と彼らの日々を綴っていく内容だ。
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 登場人物は主要メンバーだけでも十分多い(トモたちのグループ「マジ校デストロイ」で既にメンバー6人+プロデューサー1人)が,誰もが誰かの影に隠れることなく,それぞれがキャラ立ちしている。見た目も性格も全然違うが,誰もがなんかしら弱いところや,心のもやもや・キズを持っていて,でもみんなそれぞれにいいところがあり,それらが絡み合って一つのストーリーになっている。それが本当に面白い。問題が起これば解決し,なんだかんだありつつも前向きに進んでいくメンバーたち。そして,それぞれが持っているもやもややキズは,別のメンバーの発言や行動によって癒やされたり,そこから解放されたりもする。お互いがお互いを想って大切にしているさまがよく伝わってくる。彼らが彼ららしく,みんなでゼロからネオアイドル「マジ校デストロイ」を作り上げていくさまは,本当に応援したくなる!!!メンバー全員好きなのだけど,私はトモとニーナ推し!トモはスマホの待ち受けに,ニーナはスマホキーボードの背景に画像をセットしたよ!そして!マルメロさんといえば絶対笑顔!キャラたちの笑顔が本当に素敵なのだ。もうなんだろうね,全てがクリアになって晴れ渡ったような,それこそとびきりの笑顔を見せてくれるんですよ!!スクショした笑顔,貼っときます!
ジュン
トモ
ちなみに,「マジ校デストロイ」以外のネオアイドルたちのキャラも濃ゆい。たくさんのキャラを立たせ,描き分け,まとまったストーリーへと展開するマルメロさん,ホントに尊敬しかない。
そうそう,「マジ校デストロイ」はツイッターアカウント(https://twitter.com/majiko__23)も持っている。メンバーがつぶやいているという体で,日常のつぶやきや彼らの写真(実際は彼らのイラスト)をツイートしているのだが,そこにもそれぞれのキャラの性格が反映されていて,「マジ校デストロイ」本当は実在してるんじゃないか?と思うくらいだ。
実は,作者のたなかマルメロさんは,おげれつたなか名義でBL作品も描いている。というより,おげれつたなかのほうが知れ渡っているかもしれない。私はおげれつさんの作品もすごく好きだ。やはり,ちょっとこじらせているような男性がよく登場するのだが,それらは相手からの愛情で少しずつ癒やされていったり,落ち着いていったりして,最終的には,あぁ素敵な2人だな,よかったねー!!と,2人を見守る隊の1人としてとても幸せな気分にひたれる。もちろん,マジ校同様,キャラたちの笑顔も本当に素敵なのだ!BLに抵抗ない方は,「エスケープジャーニー」,「怪物」シリーズ(ほどける怪物,はだける怪物),「ヤリチン☆ビッチ部」もオススメ。

・モリエサトシ「星空のカラス」 
全8巻
囲碁のプロ棋士,さらにはその上を目指す女子中学生の物語。プロ棋士だったおじいちゃんに小さい頃囲碁を教わった烏丸和歌は,囲碁が大好きな女子中学生。いつものように碁会所で囲碁を打っていた和歌はプロ棋士の男子高校生プロ棋士,鷺坂総司と出会う。和歌の総司に対する最初の印象は最悪だったものの,彼の名人戦の試合を見て,彼の強さや勝利に対する執念に強く惹かれ,彼と勝負できるようになるために強くなることを決意。彼を「ししょー」とし,親からの反対や挫折,幼馴染や院生仲間との勝負などを経て,和歌は成長し,総司もまた名人戦で勝利し名人となるなど,腕を上げていく。和歌も総司も,囲碁バカと言われるくらい囲碁のことしか頭にない。それくらい囲碁に魅せられ,囲碁に苦しめられ,囲碁を愛し,強くなることを求め続けるさまはカッコいい。囲碁試合自体の描写は少なめだが,登場人物たちの囲碁に対する姿勢や囲碁を打つときの気迫は十分に伝わってくる。
2巻より
和歌は総司に対して恋心を抱いていて,総司も和歌のことを気に入っているのだけど,2人の関係は恋愛というよりも,師匠と弟子,あるいは囲碁の同志という感じである。囲碁を通して相手のことを理解するし,囲碁が2人の関係を深く特別なものにしている,という感じだ。
和歌はまっすぐ素直で負けても折れない強さがある。よく笑うしよく泣く。ちなみに総司はひねくれ者だ。そんな和歌はときおり,とても大人びた発言をするのだが,私がぐっときたシーンはこれ。「といつめたってひとの心は動かせないんだよ。変えられるのはその人の本当にカッコいい所なの」。読んだ瞬間,うん,そうだよ,ほんとにそのとおりだよ…と,この和歌に打ちのめされている少年のようになた。そして,もし自分が誰かを変えたい,変わってほしいと願うなら,自分がその人に対してカッコいい姿を見せ続けなければならないのだろう,と思った。
アプリ「マンガPark」と
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囲碁について,この漫画を読んで興味が湧いたので,ルールややり方を調べてみた。そういえば,私の好きな織田信長も囲碁が強かったとかなんとか……。早速囲碁アプリをインストールして,何度かコンピューターと対戦してみたが,いちばん下のランクにも勝てる気配が全くない。こりゃ先に詰碁をやるべきかな?という感じである。日曜日などによくEテレで放送されてる囲碁番組は,相変わらず見てもよく分からんのだが,昔はこんなん何が楽しいんだろう?と思っていたものが,今は高度過ぎてよく分からないな?に変化した。漫画をきっかけにして興味関心が広がることは私はよくあるのだが,囲碁の世界を私に開いてくれたことがまた嬉しい。

ちなみに,7巻の表紙の総司はスマホのロック画面に設定されてるよ!
以上2作品,とてもオススメなのでぜひ読んでください!