中学生のとき,私には大好きな人(A君としよう)がいた。多分これは私の初恋だったのだと思う。その前にも好きは人はいたことにはいたが,なんとなくいいなー,かっこいいなー程度の話であり,A君への感情とは少し違っていた。A君とは,中1のときに出合い,ずっと友人関係を続けていたが,中3になる前後あたりで付き合うということになり,数ヵ月後に別れるということになり,それでもずっと好きだった。その後彼への気持ちが消えつつあった時期もあるにはあったが,何かといえば思い出し,会いたいと思い,思い焦がれたり復縁を願ったりしていて,結局完全に吹っ切れたと感じたのは大学3~4年のときである。なので,なんだかんだで10年弱私の心にいた人だ。
A君をどうしてそんなに好きだったのか,正直よく分からない。少なくとも,顔は好きなタイプでかっこいいと思っていた。でもそれだけではなくて,多分彼と友人関係を続ける中で好きという気持ちが成熟していったのだと思う。中1の最初のときにたまたま席が近かったことで仲良くなり,いろんな話をするようになった。本当にたくさん話をした。手紙交換とか,夜中の長電話とかよくしていた。彼の悩みやもやもやした何かを聞いたりもして,中学生ながら,彼のために何かしたいなと思ったり,ずっと一緒にいたいなと思ったりしていた。
当時の私の彼への好きっぷりを象徴する出来事はいくつもある。例えば,中3のときの高校選択。彼に合わせて,自分のレベルに合っていない高校に行くことを考えていたことがあった。また,私の名前をつけてくれた姓名判断の人に,私とA君の今後を占ってもらったところ,結婚することはないと言われ,ひどく悲しかったし,そんなの信じるか!と思ったのもよく覚えている。さらには,高校に入ってからの部活選択。結局,中3のときに「俺のせいで私の成績が下がる」といった理由で私はふられたのだが,その後もずっと好きだったから,高校では男子バレー部に入って,マネージャーをやっていた。それもこれも,彼はバレーボールのスポーツ推薦で私立高校に進学したので,私も男子バレー部にいれば,県大会などできっと会えるだろうという,それだけの理由であった。別れたあとの高校時代,大学時代も,私からメールや電話をしていたし,バレンタインデーには,チョコを渡そうと思って時間を作ってもらったこともあった。
どうやら私は恋をかんばっていたようだ。以前ブログで少女マンガ「イタズラなkiss」の主人公の琴子にあこがれるという話を書いたことがあったが(http://yukiron.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html),私もそれに近いことをしていたようだ。それに,私が心理学をやろうと思ったのには,彼の悩みやもやもやを聞いていたことも関わっていたのかもしれない。この恋物語は今までに何度も思い返したことがあるのに,今になっての発見だ。
A君は今,結婚して娘がいる。facebookで友達になっているから,タイムラインでときおりA君自身の写真が流れてくる。それを見かけると,ちょっと切ない気持ちになるけれど,それだけだ。
なんだか今日は随分感傷的になってしまった。