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2020/12/18

リピートしたい茨城の味

年末年始は毎年,実家のある茨城県に帰省している。でも今年は,「コロナが流行ってるから帰ってこれないね~」と,親。「帰るの面倒だなー」と毎度毎度思うものの,いざ帰らないほうがいいのか,となるとちょっと寂しいもので。でも仕方がない。今年は,*久保みねヒャダの「WE ARE THE ひとり」(2021年ver.)を ”フィジカル的にはひとり” で聞きながら,しっぽり一人お正月を満喫しようかなーと思っている。
*「久保みねヒャダのこじらせナイト」はフジテレビで放送している番組。年末の深夜に毎年特番があり,お正月を一人で過ごす人に向けたオリジナル曲が流れる。”フィジカル的にはひとり”は歌詞の一部。


離れていても故郷の味は思い出す…そんなわけで今日お話したいのは,リピートしたい茨城の味。
では早速質問を。茨城の食べ物といえば…?
 
「納豆!」と聞こえてきそうだが,実は納豆以外にもいろいろある。白菜,干し芋,れんこん,あんこう鍋,などなどなど…。どれもこれも今が旬では!と書きながら気づいた…。特にあんこう鍋。茨城で食べたことがないので,那珂湊の漁港近くにでも食べに行きたい。


あんこうのほかにも,実はイチオシの魚料理がある!それが1つ目に紹介したいリピートしたい茨城の味,鯖寿司「常陸國またべえ」である。
固く握った白飯に,大葉とガリと焼いた鯖一切れをのせた押し寿司だ。寿司自体の写真が私の手元にないので,どんな感じかは上のリンク先を見てほしい。
この寿司の美味しさは,まず,鯖は脂がのっていて肉厚だということ。かじったときに感じる厚みがたまらなくいい。「あー鯖を食べている!!」としっかり噛んで味わいながら食べられる。そして,鯖だけで食べても美味しいのだが,さらにその下にあるガリと大葉と一緒に食べると,爽やかな・すっきりな味と香りが鯖の味に融合してこれまた本当に美味しい。鯖は脂がのっているので重たくなるかなーと思いきや,そんな不安はガリと大葉が打ち消してくれるのだ!
そう,なので「またべえ」はいろいろな味を楽しめる。それぞれの具材を単体で食べるのもよし,鯖とご飯を一緒に味わうのもよし,鯖とガリと大葉とご飯を全部一気にかじるのもよし!
量もなかなかに多く,一箱全部食べたらけっこうお腹いっぱいになる。白飯の量は多めなので,炭水化物控えめにしてる方はちょっと注意かな。
「またべえ」,最後に食べてからもう2年以上は経ってるんじゃなかろうか。通販でも買えるといいのだけど,サイト見当たらず…😓とりあえずひたちなかや水戸界隈に行かないと買えなそう?もう少し我慢かな。


魚がきたら次は肉!ということで,続いて紹介したいリピートしたい茨城の味は,若鶏の丸焼き「くろさわ」の鶏肉
私が食べたことあるのは,若鶏の手羽焼と手羽先。醤油ベースだと思うのだが,甘じょっぱくてコクのある特製ダレの味がすごく効いていて,後を引く味…。もちろんいちばん味が染みているのは皮だが,肉の部分にも染みている。しかも手羽先については,正直そのへんの居酒屋で出してるのより肉の量が多い!多い!見てこのパンパンな感じ…!なのにこの値段って…もう買いでしょ!
最近は,親が買うとき私の分も買って冷凍で送ってくれるので,ありがたく頂戴している。何年か前に一度だけ,店舗に足を運んだことがあるのだが,大繁盛だった。きっとクリスマス前の今の時期,いつも以上ににぎわってるに違いない。
1人暮らしにはちょっと大きすぎるのだが,いつか丸焼きも食べたいなー。大きな口開けてかぶりつきたい…。


魚(といってもご飯つきだったけど),肉ときたら最後は締め?かな,ということで続いては麺料理。いばらきっ子ならおなじみ,ばんどう太郎の「坂東みそ煮込みうどん」
ばんどう太郎は茨城生まれの和食レストラン。茨城を中心に,主に北関東エリアで展開している。ばんどう太郎のごはん,結局どれを食べても美味しい!となるのだが,やはり定番はみそ煮込みうどん。アツアツのうどんをフーフーしながら食べるのが最高にいい。具も肉,野菜,かまぼこ,卵などモリモリ入ってるし,なんと言っても汁が美味しすぎる。麺や具を食べ終わっても全部飲み干したくなるレベルの美味しさ…麺や具と一緒にアツアツを楽しんでもいいが,食べ終わってから冷めたのを味わうのもまた良き…。
ちなみに量はというと…個人的には若干少ないかな?という感じ。でもそんなときはサイドメニューを頼めば問題なし!私はここの鶏の唐揚げ(塩味)がすごく好きで,家族で行くとだいたい頼んでいる。「野菜を食べたい」,そんな気分のときには,ぜひサラダを頼んでほしい。なぜなら,野菜は言わずもがな,自家製ドレッシングがこれまた美味しいから!!和風味とトマト味があるのだけど,どちらか選ぶなんてもったいない。サラダを取り分けてからそれぞれのドレッシングをかけ,両方の味を楽しむのがおすすめだ。
ちなみに,かつを食べたかったら同じグループが開いているレストラン「かつ太郎」に行くとよい。揚げたてサクサクのかつが出てきてほっこり幸せな気持ちになるよ。


そんなわけで,リピートしたい茨城の味を紹介してみた。茨城に行ったらぜひお試しを😃。
きっとまだまだ美味しい店はたくさんあるはず。今度帰省したときに,新たに開拓するのもいいかもしれない。

2020/05/30

ドイツ語学習再開! Learn German / Deutsch Lernen

最近,ドイツ語学習を再開しました。
数年前,大学で選択した第二外国語として,数年間学んでいたのですが,今覚えているのは少しの単語と簡単な挨拶と簡単な自己紹介くらい。
でも,英語くらい使えるようになりたいなと思っています。

英語学習の経験や英語教授の経験,第二言語習得や学習学で言われていること,日本で効果的な英語学習法,と言われているものなど,私が持っているもので使えるものは全て使って学習をしていくつもりです。
そして,学習はYou Tubeで学習logとして記録していきます。
皆さん,ぜひチャンネル登録を~!そして私のドイツ語学習を応援してください!



使用教材(随時更新) 20/6/9 up

2020/04/22

機械翻訳がここまでくると…

ちょっと話題になっていた機械翻訳を使って,以前書いたブログ記事(https://yukiron.blogspot.com/2020/03/blog-post.html)を英訳してみた。そしたらこの精度。DeepLに至っては,熟語や無生物主語とか使ってくれて,より自然な英語に訳してくれている印象。もちろん,ちょっと?な文章もあるので,完璧に訳してくれてるとは言えないが…2つのいいとこどりをして少し調整したら,かなり良い感じの英語の文章になるのでは。
機械翻訳がここまでくると,4技能で英語力を分けるなら,リスニングとスピーキングスキルの必要性が相対的に上がる。書いてあるものや,書くことは,その場・そのときのものではないから,時間と手間がかかってもネットで機械翻訳通せばそんなに問題ない。でも,会話は録音でもしない限り話が進んでいってしまうから…会話でももちろん翻訳機や通訳使えるけど,友人や親しい人との会話でそのようなコミュニケーションを取りたくない人も多いのではないだろうか。
リーディング・ライティングに関しては,それこそ書いてあること・書きたいことをそのまま翻訳するだけでなく,その裏にある背景,文化的なもの,書き手の意図などを読み取れるか,あるいは英語を使って表現できるかが勝負(読解力・表現力)。ま,これは日本語の文章を読んだり書いたりするときもきっと同じだろうけど。


2020/04/09

#うちで踊ろう やってみた!

外出自粛となり、仕事もリモート。
気持ちはなかなか晴れないけれど、悶々・ソワソワしてても仕方がない!おうちでできることをめいいっぱいやって、将来に備えたいこの頃だ。

さて、星野源さんがつくった、「うちで踊ろう」、優しい音楽でとても素敵だ!だから私ものっかってみた。
せっかくなので、英訳頑張って、英語で歌ってみました~!

私たちの心が少しでも晴れますように…




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2020/03/14

海外と英語。私の目を開かせてくれた音楽。

イギリスのロックバンド Lostprophets は,私の目を海外に向けて開かせてくれた。それまで,海外のことなんて気にも留めていなかった私は,彼らと出会ったから海外に興味を持つようになったし,洋楽や洋画など海外の文化に貪欲になったし,今生業にしている英語を勉強しなくちゃ!となった。今思えば,彼らはそれくらい私の人生に大きな影響を及ぼした。

とはいっても,きっかけはすごく些細なもの。ある日の深夜,なんとなくテレビを見ていたときのこと,CMである曲のミュージックビデオが流れた。それが,Lostprophets の「last train home」。サビの部分が流れ,それを聞いた瞬間,すごくすごく大きな衝撃を受けました。一瞬で興奮し,すごい!かっこいい!もっと聞きたい!,とこれまでにないくらい強烈に心が動いた。それから私は,彼らのアルバムをすべて集めて聞き込み,歌詞を読み,当時Lostprophetsも利用していた音楽系SNSサイトMyspaceにも登録し,インターネットでも彼らの未発売の曲やライブ音源などを探しまくり,数ヶ月後に予定されていた彼らの来日公演のチケットも確保した。そして迎えた来日公演。彼らのパフォーマンスを生で見ることができて,本当に本当に嬉しかった。興奮した。曲を聞きながら飛び跳ね,彼らと一緒に歌った。

そして何曲か曲を演奏し終えた後,音楽が止み,ボーカルのイアンがMCを始め…。そのときまた私に衝撃が走った。えっ!何言ってるか全然分かんない…。後に知ることになるのだが,彼らはイギリスのウェールズ地方出身。ウェールズの英語は私がこれまでになじんできたアメリカ英語とは発音に違いがあるため,初級者には聞き取りにくい。とはいえ,大好きなバンドが来日し,私もその場に居合わせることができ,しかも私たちファンに向けて何かしゃべっているのに,なんにも分からない。私にはそれがとても悲しかった。それで,こんな思いもうしたくない…英語を勉強しよっ!となったのだ。

2020/02/13

本レビュー ターリ・シャーロット「事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学」

人を動かすための方策を練りたい方にはもってこいの本。それから,自分は特別!私は誰にも左右されないの!という思いを抱いている方にももってこいかもしれない。いずれにしても,この本からの学びは,脳の接近ー回避の法則はやはり強固。さらに,人の生存欲求というか自己保存欲求というか,それも強固。また,感情及び,意識の範疇外で起こっていることにもっと目を向けるべきだ。ということ。

「事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学」の原題は「The Influential Mind  What the Brain Reveals About Our Power to Change Others」。脳のあり方をふまえ,人が影響されているとき脳はどういう状態なのか,どうすれば人を動かせるか,いかに人が他者から影響されているか,を実際に行われたたくさんの実験や,エピソードを交えて丁寧に解説している。笑ってしまう話や,あ~そうだよね~,えっホントに!?など,自分の日常やこれまでそうだと思っていたことと照らし合わせて,いろいろな気持ちを味わいながら学ぶことができると思う。下記に述べるtipsだけを考えるとそれほど目新しいものではないかもしれないが,あちこちで言われている断片的なことを1冊にしてくれた感がある。また,脳の反応がエビデンスとして紹介されているので,ただのノウハウ本よりも信用がおける。

「事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学」の原題は「The Influential Mind  What the Brain Reveals About Our Power to Change Others」。脳のあり方をふまえ,人が影響されているとき脳はどういう状態なのか,どうすれば人を動かせるか,いかに人が他者から影響されているか,を実際に行われたたくさんの実験や,エピソードを交えて丁寧に解説している。笑ってしまう話や,あ~そうだよね~,えっホントに!?など,自分の日常やこれまでそうだと思っていたことと照らし合わせて,いろいろな気持ちを味わいながら学ぶことができると思う。下記に述べるtipsだけを考えるとそれほど目新しいものではないかもしれないが,あちこちで言われている断片的なことを1冊にしてくれた感がある。また,脳の反応がエビデンスとして紹介されているので,ただのノウハウ本よりも信用がおける。

本書で提示されていた人を動かすためのtipsは以下のとおり。これらのtipsを,人を動かしたい状況,相手などに合わせてどう具体的に表現していくか,が腕の見せどころか。
・人が「正しいと信じている信念」に対しては,決定的な反対証拠も役に立たない。拒絶されるたり,逆に,正しいと信じている信念がいかに正しいかを説得させられることになる。
・メッセージが相手に伝わるには,相手の感情に働きかけること。自分と相手の気持ちが共有されている状態に。
・罰や脅しなど,恐怖を喚起するものは説得にはマイナスに働く。むしろ,褒めや報酬など快を期待させることが行動を促す。
・喪失への不安は行動を止める。
・「自分がコントロールしている」という感覚は満足感を高め,人を行動へ向かわせる。コントロール感を阻害する注意や警告,管理は人を不安にさせる。
・情報を伝えるときは,相手の知識のギャップを示し,それを埋めるようにする。
・メッセージはポジティイブな観点から伝える。良いことが起こる可能性を強調したメッセージのほうが人の注意を引くことができる。人は自分が後で傷つくとしても,悪い知らせを避ける。
・相手の心の状態によって,メッセージの受け取られ方は変わる。ストレス下や恐怖下では,リスクを避け,無難な行動をとる。

本書後半は,人は(気づかないうちに)他者に影響されている,ということについて。人は生まれた日から周りを見て学習を始める。他人は自分が持っていない情報を持っていると思って,本能的に他人の選択をなぞってしまう。他人の意見によって,記憶の痕跡は物理的にも変化する。さらに,変化をもたらすにはたった一人の異端で十分,などが様々な実験とともに伝えられる。
さらには集合知についても言及している。たくさんの人の意見を集約して平均するとだいたい正しいと言われるが,お互いがお互いに影響を与えている社会でそれはいつも成り立たない。成り立つには工夫が必要である。まず第一に,たくさんの人がそれぞれできるだけ独立して意見を言っている必要がある。また,一人の意見でも時間を空けて出された複数の意見を集約したほうがいい。いずれにしても,誰がどんな状態で述べた意見なのか知らずに,みんなの意見の平均を鵜呑みにするのはよろしくないということである。多数派に走ってしまう本能を適宜抑えなくてはならない。

そんなわけで,私の備忘録も兼ねたくて全体を簡潔にまとめてみた。興味を持った方はぜひ手にとってみてください!

2020/01/29

シロイルカめぐり ―島根県立しまね海洋館アクアスに行ってきたよ!

シロイルカをめぐる旅もついに最後の1館に!遠路はるばる島根県に初上陸。シロイルカたちが作り出す3つのリングに感心しつつ,朗らかに泳ぐさまにほっこりしてきた。大きな水槽のそばに近づくと,シロイルカたちは興味津津に寄ってきたり,こちらを見ながら泳いだりしてくれる。本当に愛くるしい生き物だ。

しまね海洋館アクアスは,日本海に面した石見海浜公園内にある。水族館にもその地域色は表れていて,地元石見の海や磯に住む魚たちの展示(美味しそうに見える魚がちらほら)があったり,縁の深い日本の神話に登場するワニ(サメのことらしい)の種類が多いのが,他のこれまでに訪れた水族館とは違うところ。それから,哺乳類系の展示も少なめ。哺乳類は,シロイルカとアシカとアザラシくらいだ。

HPにでの事前予習によると,アクアスにいるシロイルカは,水中でのリング作りが得意とのこと。パフォーマンスではそれを見せてくれるらしい。今回パフォーマンスを見せてくれたのは,ケーリャ(♂)とその子,シーリャ(♂),ミーリャ(♀)の3頭だ。ケーリャはさすがお父さん,いちばん大きい。そして他の2頭に比べると,少し落ち着いている印象。ミーリャはまだ子どもなのかな,体の色がまだグレーがかっている。この3頭が見せてくれたのは,キャッチボールと,魚に空気を吹くパフォーマンスと,3種類のリング。キャッチボールは,水を入れた約8kgのボールを相手の口から口へと渡すというもの。器用に出して渡してを繰り返していた。魚に空気を吐くパフォーマンスでは,飼育員さんの持っていた魚をフーフー一生懸命吐いていた。けっこう地味だったが,魚が曲がっていたので,しっかり吐いていたのだと思う。そしてリングは,口から空気を出して前に向かって作られた丸い輪と,おでこの後ろ側にある耳から空気を出して上に向かって作られた丸い輪,さらには,耳から空気を出して前に向けて作った大きな輪。3つめのに関しては,その中を自分でくぐっていた。どの輪もとてもきれいな丸い円になっていて,発せられて数秒経って消える。一体どうしたらこんなにきれいな円が作れるのか,と感心するばかりだ。輪を作るパフォーマンスは,飼育員さんが,シロイルカが自分たちで勝手に遊んでいるときに発見し,それを洗練させたものらしい。シロイルカは好奇心旺盛で遊び好き。パフォーマンス外でも,水中にあるボールや縄のついた輪などを噛んだり運んだりして遊んでいた。
平日に訪れたこともあり,お客さんはだいぶ少なめ。パフォーマンスも前で見ることができたし,それ以外の時間も,シロイルカの水槽の前でしばし滞在しながらゆっくり見ることができた。別館には繁殖用のプールもあり,そちらでもシロイルカを数頭見ることができる。



アクアスにこの時期に行ってラッキーだったことは,ペンギンの子どもを見られたことだ。オウサマペンギンの子が夏頃生まれとのことで,だいぶ大きくなり,でも体はずんぐりむっくりでモフモフしている。オトナのオウサマペンギンより大きいのではないだろうか。よたよた歩くのがまた可愛い。親?と思われるオウサマペンギンがその子の毛づくろいをしている姿も見られた。来年の春頃には今のモフモフの毛はすっかり抜け,大人になるとのこと。
マゼランペンギンの餌やりパフォーマンスも見ることができたのだが,こちらは餌の取り合いが凄まじかった。飼育員さんの投げた魚を何匹かがくちばしで引っ張り合うから,魚がちぎれてそれぞれの口に入っていく。ちなみに,魚は頭
から飲み込むスタイル。器用にくちばしで頭を下にして飲み込んでいく。そのほうが,ヒレなどが体の中で引っかからずに今で届くからいいのだとか。

静かな,でも荒々しい日本海を見ることができるのもアクアスのいいところ。バス到着の出雲市駅から水族館最寄りの波子駅までの山陰本線に乗っているときにも日本海がときおり見えるが,水族館には展望台もあり,おもいっきり日本海が見渡せる。そういえば,山陰本線に乗っているときにふと思ったのが,赤茶色の瓦の家がやけに多いなということ。うちの地元では黒系の瓦の家が一般的で,茶色系はほとんどない。それに,一般的に瓦のイメージは黒だよな~と思いつつ,それが逆転しているから不思議に思って調べてみたところ,これは石州瓦というものらしいと分かった。石見地方で昔から作られている瓦とのこと。地域特産品との偶然の出会いだった。

今回,島根県へは夜行バスで向かった。行きも帰りもオリオンバス,しかも同じ乗務員のペア(男性1名,女性1名)だった。体力ありそうなかっこいい方々だったな。安全で心地いい運転,挨拶も爽やか。女性の方は気配りもしてくれて…遠出の際はよく夜行バスを利用するのだけど,これまで乗った中で一番だったかもしれない。

とりあえず,シロイルカめぐりの旅はここで一段落。とはいえ,名古屋港水族館とアクアスは他よりもシロイルカの飼育数が多く,また,名古屋港水族館ではかなり近くでシロイルカのトレーニング風景が見られるのでまた行きたい。八景島シーパラダイスでは,春夏期にシロイルカと泳げるので,それも参加したいし,鴨川シーワールドはシャチもいて海獣類が充実しているからここも再訪の価値あり。上越の水族館では,シロイルカのショーが新しくなったとのことで,こちらもまた行きたいな~。
ということで,時間を見つけてまたシロイルカたちに会いに行きたい。

2019/12/27

シロイルカめぐり ―名古屋港水族館に行ってきたよ!

シロイルカを好きになってから,シロイルカのいる水族館を訪問している。シロイルカのいる水族館は日本に5つ。そのうちの1つ,名古屋港水族館に先日行ってきた。おそらく,ここの水族館が日本で一番多くのシロイルカを飼育している。その数なんと6頭!そのうち2頭はここの水族館で生まれたらしい。おっきなプールで何頭ものスイスイ泳ぐ姿を見られるなんて至福の時間確定じゃないか…ということで,期待MAXで訪れた。

餌を待つウミガメ
シャチのアース
名古屋港水族館は北館と南館に分かれている。北館にいるのはシロイルカとイルカ,シャチ。南館には魚類を中心に,ペンギンやウミガメなどもいる。水族館の隣にウミガメの研究施設があるからか,ウミガメの種類も数もこれまで行ったどの水族館よりもいた。また,ここの水族館は,今まで行った水族館の中でいちばん教育・研究に力を入れているなという印象。北館には鯨類について,その系統分類や祖先,骨格,社会でどのように鯨類が扱われ,受け入れられているかの歴史資料の紹介などが展示されているけっこう広いエリアがあり,鯨類のことを学ぶことができる。また,鯨類の研究者による,最近の研究のポスターなども展示してあり,ここの水族館の生きものたちが学術的にも協力していることが伺える。

さてさてお待ちかねのシロイルカ!北館の入り口を入って左側にある大きな水槽で悠々と泳ぐ姿が目に入ってきた。この日この水槽にいたのは3頭だろうか。くるくる回ったり,人のほうに近づいてきたりしながら元気いっぱいに泳いでいた!

ここの水族館では,シロイルカのイベントとしてトレーニングの様子を公開している。1日に数回あり,私は2回ほど参加してみた。公開トレーニングでは,餌をもったトレーナーが,それぞれ1頭ずつトレーニングを行う。今回トレーニングをしていたのは,ニコ(♂),タアニャ(♀),ナナ(♀)の3頭。トレーナーは体や笛を使って何かしら合図を出し,それにシロイルカが応え,ヒレを振ったり,くるくる回ったり,水をピューと吹いたり,いろんな声で鳴いたり,ジャンプしたり,マイケル・ジャクソンさながら?のムーンウォーク的なものを見せてくれたりする。投げたボールを取りに行くトレーニングでは,ニコが自分のために投げられたボールだと思って勘違いして取ってきてしまい,もともとトレーニングされるはずだったタアニャがちょっと困った感じで周りをウロウロする,といった様子も見られた。体には脂肪がたくさんついていて,大きく重いからか基本すばしっこい動きやアクロバティックな動きはできない。もったり動いているのがなんとも言えず可愛い~~。そして,どのシロイルカも相変わらずのつぶらな瞳で人に懐いている様子がとても可愛い。特にナナ(まだ子ども。体がまだ少し灰色だ)はトレーナーのお兄さんが大好きな様子。べったり甘えているように見えた。ナナは頭の上から輪っかを出すエンジェルリングも作って見せてくれた。

今回のトレーニングでは,体温を測っている様子も見ることができた。トレーナーの合図でくるっとお腹を出して,肛門部分に長い管を入れられる。じっとしているところを見ると,痛みとかはないんだろうな。
トレーニングの後もしばらくプールで観察していると,ときおり顔を出してくれた。こっちを見てくれた。

今回もシロイルカの可愛さを満喫できる癒やしの時間だった…。シロイルカのいる水族館めぐり,まだ行っていないのは「しまね海洋館アクアス」のみとなった。近いうちに行きたいな。

かくれんぼ名人!
イルカのパフォ―マンス
温かいところでも平気なケープペンギン

深海のお仲間

2019/12/15

宝石に関する情報収集あれこれ

先日のブログ記事(https://yukiron.blogspot.com/2019/12/blog-post_4.html)にも書いたように,最近宝石を見るのが好きだ。それで,宝石関連の情報をいろいろと探っていたところ,ナイスタイミング!ちょうどテレビで宝石探しの番組やるし,ミネラルショーも開催される。しかも,書籍も調べてみると,宝石関連本は少ないながらもしっかりした内容のものがけっこうあり。そういうわけで,最近触れた宝石情報についてまとめておきたい。

まずは,NHKでやっている番組,世界はほしいモノにあふれてるの宝石回,「世界にひとつの宝石を探す旅 オーストラリア」https://www4.nhk.or.jp/sekahoshi/x/2019-11-14/21/2235/1942066/)。ジュエリーデザイナーの女性が,香港やオーストラリアに自分の作るジュエリーのための宝石を探しに行く回。香港は,翡翠が有名でたくさんの翡翠が売られている様子が出てきた。翡翠もいろいろな色がある。そういえば,もう10年以上も前に香港行きのパックツアーに参加した際,翡翠屋さんへ行くことが行程に含まれていたっけ…。オーストラリアでは,オパールの採掘現場に訪れ,採掘された様々なオパールを見ていた。私はこのときまでオパールをちゃんと見たことがなかったのだが,石自体の色も複数あるし,角度によっていろいろな色の光が見える。とても個性的な石だ。ブラックオパールはかっこよくもある。ジュエリーデザイナーの女性の方は,本当に真剣に石を選んでいたが,共感できる。一つも同じものがないから,こだわって選びたい。そして,実際に掘っている現場や研磨している現場の映像も見ることができて,どのようにして石がジュエリーとして私達の手元に届くのかを垣間見ることができた。

続いては,ミネラルショー。ミネラルショーは,鉱物の展示会だ。化石から宝石まで,国内外の鉱物関連会社が出展する。初日に訪れてみた。出店者も多いが,お客さんも多い。業者の方もいるのだろうが,個人で来ている人も多そうだ。多くの人が,お店の前に張り付き,石を熱心に観察して選んでいた。お気に入りの石を見つけた人の中には,それでオーダージュエリーをお願いしている人もいた。いろんな石が見れるかも!と思って行ってみたはいいものの,知識がなさすぎてあまり満喫できなかった…。ということでそんなに長居せずに退散。やはりこういうものは,知識や経験があるほうが断然楽しめるよね…。

ところで,宝石について少し知りたいなと思って目を通した本もある。一つは,阿依アヒマディの「アヒマディ博士の宝石学」。理学博士で宝石学が専門の博士が,宝石はどのように作られるかや,主な宝石の特徴・産地について解説する内容。キレイに研磨された宝石のほか、原石の写真も多数掲載している。同じ名前の宝石なのになぜ複数の色があるのかの疑問、本書を読んだら、ざっくりとではあるが解決した。つまるところ、その石に含まれる原子の量の差異である。Feが含まれるとこの色寄り、Mgが加わるとあの色寄り、みたいなのがあるようだ。でも、化学式は変わってないから、きっとホントに微妙な差異なのだろうな…。
そして、人工的に作られた合成ダイヤモンドや,宝石に熱処理が加わるとどうなるかなど,一見しただけでは絶対にわからないであろう違いについてもいろいろ教えてくれる。
また,博士が実際に訪れた採掘現場も写真付きで紹介。地元の人が手作業でやってるとこも結構あり、こんなところからホントに出るの!?みたいな雰囲気のところもあり、宝石を見つけるだけでも大変なのに、そりゃ質のいい宝石が出たら値が上がるよね…と実感です。
パイロープガーネットの指輪
個人的には、私の誕生石でもあるガーネットについて、概要を知れたのがよかった。一口にガーネットと言っても、いろんな色のものがある(化学式に少し違いがあり、種類が分かれています)。個人的には赤系統のパイロープと、オレンジ系統のスペサルティンが好きだな。
タンザナイトの青紫色の輝きもとても美しかった。


それから,こちらの本も忘れてはいけない!「宝石と鉱物の大図鑑」。 この本は,すごいです。こちらもフルカラーで,440ページの厚さ!約1万個の宝石を所蔵している米スミソニアン博物館でも知られるスミソニアン協会が監修だ。鉱物とは何か?から始まり,数多くの鉱物(元素鉱物,宝石,生体起源のもの,岩石も)がたくさんの写真とともに紹介され,世界的に有名なジュエリーの写真もある。そして,そのジュエリーにまつわる人物や歴史もともに紹介されている。こういうの,実は私は知りたかった。科学系の内容だけだと,私には辛いのだ…
とにかく,宝石・鉱物の基本はこの1冊で十分なのでは!と初心者の私にも思わせるほどの内容。この本は,太陽光の差し込む明るい部屋で,ゆったりと過ごせるときに閲覧するのがいいと感じる。そういう場所・ときでないと,この本は味わえないだろう。通っていた大学の図書館に戻りたい気分だ。

というわけで,宝石に興味を持ってから遭遇した,いろいろな宝石情報ソースについてまとめてみた。宝石は値が張るのでとても買えそうにないが,いろいろなソースのおかげで目で楽しむこと,読んで楽しむことはできるのだ!

2019/12/04

漫画記 二ノ宮知子「七つ屋志のぶの宝石匣」

最近,宝石に興味がある。いろいろな色で美しく輝く石たち。同じ名前の宝石でもいろいろな色があり,形があり,輝き方があり,ああ自然の中で作られたものなんだと実感する。見ていて飽きない。これまで宝石なんて全く興味がなかったのだが,二ノ宮知子さんの「七つ屋志のぶの宝石匣」を読んでいたら,宝石についてもっと知りたい欲がムクムクと湧き上がってきた。既刊は現在13巻,ストーリーは継続中だ。

この漫画は2つの話が並行して流れていく。舞台は銀座に店を構える老舗の質屋「倉田屋」。そこの孫娘である女子高生の志のぶは,宝石から気を感じることができる,という力を持っている。その力を使いながら,質屋にジュエリーを持ち込んだお客さんや志のぶの周りの人たちの間で起こるちょっとしたトラブルやいざこざを解決していく,というのが1つの話。宝石やジュエリーは,その持ち主の人生や日常と絡めて描かれる。濃いキャラクターや人間臭いキャラクターが多く,毎話ごと笑ってしまう。それに人情話も多く,読んでいて温かい気持ちになる。
もう1つは,志のぶの(一応)婚約者である顕ちゃんの消えた家族の謎を解いていく話。顕ちゃんは倉田屋の質流れ品なのだ。顕ちゃんの祖母は,子供の顕ちゃんを倉田屋に預け,その後一家は離散,家も焼けてしまった。顕ちゃんが覚えているのは,一族に繁栄をもたらしたという鳥の内包物のある赤い石。その石を探すため,高級ジュエリー店の社員になり,友人のジュエリーデザイナーの鷹さんや宝石バイヤーの虎徹とともに消えた家族の謎を追っている。この2つの話が絡み合ってストーリーを成している。そういうわけで,1話完結のコミカルな話としても楽しめるし,ちょっとシリアスなミステリーとしても読める。
また,合成ダイヤモンドや宝石鑑定,質屋業界の競り,押し買いの話など,宝石やジュエリーを取り巻く現実についても描かれており,門外漢だった私には,へ~の連続だった。

ストーリー中にはたくさんの宝石が登場する。モノクロだから漫画で見た目を楽しむ,ということはできないが,その宝石に関する歴史や特徴などがけっこう詳しく描かれているから,実際にそれを見てみたくなる。だから新しい宝石が出てきたとき,私はよく本やネットで検索している(笑)思えばこれは,二ノ宮さんの別の作品である「のだめカンタービレ」を読んでいるときもよくやっていた。登場するクラシック音楽がどういうものか聴いてみたくて,よくYouTubeで検索し聴いていた。それでますますクラシック音楽が好きになったものだ。また,漫画に登場するジュエリーデザイナーの鷹さんは,アンティークっぽいデザインのジュエリーが好みで,そういうのを作っているという設定で,このジュエリーは○○時代の~みたいな話がときどき出てくる。気になったものはやっぱりネットなどで調べるのだが,デザインの特徴や違いを知るのも楽しいし,宝石やジュエリーが歴史の中で,その時代の人や持ち主にどう絡んでいるのかを感じるのも面白い。

二ノ宮さんの作品は,のだめの他にも,好きな人のために農業を頑張る女の子が主人公の 「GREEN」も面白くて大好きなのだが,「七つ屋志のぶの宝石匣」の志のぶも「GREEN」のワコちゃんやのだめ同様,まっすぐ好きなことを貫く姿がいい。一本筋が通っているというか,他人に流されない何かを持っているというか,そういうところが好きだ。好きなものや好きなことは違うけど,そういう生き方に共感するし,読んでいて応援したくなる。

8巻あたりから,顕ちゃんの家族ミステリーのほうの話がけっこう騒がしくなってきていて,どんなふうに展開していくのか今後が楽しみ。そして,顕ちゃんと志のぶの関係がどうなっていくのかも気になるところ。

2019/11/26

本レビュー トッド・ローズ「ハーバードの個性学入門 平均思考は捨てなさい」

いろいろなことをカスタマイズできる時代になってきた。例えばウェブ広告。ユーザーがアクセスした履歴をもとに,そのユーザーが興味をもちそうなもの,購買につながりそうなものの広告を提示してくる。例えば飲み物。スターバックスやタピオカティー屋では,飲み物に好みのトッピングを加えたりして自分好みにできる。例えばパーソナル○○の類。利用者の体質や希望に合わせて痩せるプランを作り,二人三脚で支援してくれるトレーナーもいれば,利用者の好みや体型を考慮して服を選び貸してくれるサービスもある。そう,人はみんな違うのだ。そんな当たり前の事実をベースにしたサービスが増え,以前よりも多くの人が手軽に享受できる社会になってきた。

トッド・ローズ「ハーバードの個性学入門:平均思考は捨てなさい」は,平均主義から脱却し,それぞれの個の違いにもっと目を向けるよう促す本だ。19世紀に「平均」の考え方が生まれて以来,人はあらゆる場面で平均を使ってきた。平均的な体のサイズ,平均的な知能,ある年齢における平均的な行動,平均的な給与などなど。そして,平均から外れていると劣っていると判断されたり,何か問題が起こっているんじゃないかと感じてしまったり,はたまた平均に近づくべく努力したりと,人は「平均」という存在に踊らされてしまう。著者の専門は個性学。平均主義から解放され,個が個として評価され,判断され,個が自分の力を存分に発揮して充実した生活を送ることができる社会を求めている。

個性学は,バラツキの原理,コンテクストの原理,迂回路の原理,の3つの原理によって支えられているという。
バラツキの原理とは,人間の資質や能力にはバラツキがあるということ。体の大きさ,知性,走る速さなどあらゆる次元においてバラツキが認められる。コンテクストの原理とは,人の行動は特定の状況によって左右されるということ。人格的特性は人の行動の予測にほとんど役に立たない。だから,私は○○な性格だ,ではなく,私は○○の状況では○○に振る舞う傾向がある,などと考えるべきだ。また,人を評価するときにも,あの人は○○だ,ではなく,あの人は○○なときに○○のような行動をとる,といったデータをもとにすべきだ。迂回路の原理とは,どんなゴールを目指そうとも,そこにたどり着く道はいくつもあってどれも妥当であり,最適経路は個性によって決まるということ。スピードも順序も人によって異なる。

非常に共感できる内容だった。年を重ねるにつれてだいぶ落ち着いてきて,今となっては,「私は私だし」と開き直っているというか肝が据わってきた状態がもはやデフォルト,周りに煽られて不安になることもそうそうなくなってきたが,20代の頃は何年もの間,みんなと違うことの不安と恐怖が心の中でグルグルしていた。特に新卒で入った会社をやめてからはひどかった。また,周りで結婚が相次いだ時期,みんなの人生を素直に祝福するのが難しいこともあった。子どもの頃は,周囲の大人から特別扱いされるのがひどく嫌だった。どれもこれも,周り―といっても狭い範囲の知り合いや世間の常識などと比較して,自分のそこからの外れ具合を悲観したからである。
でも結局,自分が心から求めていることを達成したり手に入れたりすること,自分が好きなものを自由に愛でたり楽しんだりすること,あくまでも自分主体で自分の人生を作っていく,心地よいものにしていくことが私のすべきことだと今は思っている。そのために私は今日も努力する。

2019/11/18

シロイルカと遊んできたよ! @横浜・八景島シーパラダイス

八景島でシロイルカと遊べる!?これは絶対行くっきゃない!と思った。ただでさえシロイルカがいる日本の水族館は少ないのに,水の中に入って遊べるなんて…というわけで,八景島シーパラダイスの体験プログラムに参加してきた。シロイルカ,とても可愛くて,心和むとても楽しい時間だった…!

参加したのは,「シロイルカとあそぼう!」プログラム。着替えや説明なども含めると所要時間はだいたい45分。うち,実際に遊べるのは20~25分くらいだ。
受付を済ませ,ロッカールームに案内されて,まずは着替え。装飾品は全部はずし,胴付き長靴に着替える。魚屋さんが着ている,長靴のついたつなぎですね。そして,その上にジャンパーをはおり,さらにその上からライフジャケットを着用する。けっこう大掛かりな感じだったが,シロイルカと同じプールに入るので濡れないように,もし転んでも大丈夫なように万全の備え。こららの装備は全部施設側が貸してくれる。で,これからどんなことやるか,案内の人から軽く説明を受け,いざプールへ出発!

プールには二匹のシロイルカがトレーナーのお姉さんと一緒に待っていた。そのうち今回遊んでくれるのはクララちゃん。プールの浅瀬になっているところ(水深40cmくらいかな)付近で優雅に浮いていた。お姉さんの指示に従って,私もまずはプールに入る。少しだけ水の冷たさを感じた。また,長靴を履いている足は水圧による圧迫があり,少し不思議な感じ。浅瀬の先は水深4mとのことで,落ちないように慎重に移動しながらクララちゃんのすぐそばに立って,ふれあいタイムスタート。

ほっぺにチュー♡
まずはクララちゃんに触るところから。ぷにぷにのおでこや顔の部分,お腹,ヒレなどあちこち触れた。基本は柔らかい。脂肪がたくさんついているのだ。また,シロイルカは氷のある海を泳ぐため,ヒレは退化してしまった。でもヒレの名残みたいな,でこぼこで少し硬いのが背中にあった。そして,表面はところどころ傷があったり,肉割れみたくなったりしている。また,口の中は薄ピンク(ヒトと同じような色)でぷにぷにしていて柔らかい。歯は黄みがかった白で,見た目は尖っているものの,触っても全然痛くない。トレーナーのお姉さん曰く,餌を丸呑みしてしまうため,歯は食べるためのものではないとのこと。野生のシロイルカは獲物を押さえたりするのに使っているらしい。魚を口の中に入れると,大きな舌を滑り台のように魚がすべりおりて行って飲み込まれてしまう。その様子は見ていて面白い。シロイルカは餌を吸い込んで口に入れることもできる。軽く魚を握っていると,クララちゃんが近づいてきてスッと掃除機のノズルさながら吸い取るように魚を吸っていった(笑)
シロイルカには目の少し後ろに耳がある。小さな穴なのだけど,音を聞くことには使われていないらしい。シロイルカは,音の振動を骨で感知して聴いている。
また,頭の上にも少し大きめの穴。こちらは呼吸用。あと,鳴き声もここから出ている気がする。鳴き声は低いのとか甲高いのとか,エッジボイスみたいなのとかけっこう幅広くて,合唱でもできるんじゃないかという勢いだ。
この体験プログラムでは,シロイルカに芸を披露してもらうこともできる。既にトレーニングされている芸とその芸を出すサインを教えてもらい,さあ体験!ヒトが回るとクララちゃんも一緒にまわり,手をふると側面にあるヒレを振ってくれる。また別のサイン出すと首を上下に振ってくれる。輪っかを水面に向かって投げると,ささっと取りにいって,口に加えて投げた人のところまで持ってきて,人が輪をつかむと口から離し,渡してくれる。また,顔に少し水をかけると,お返しとばかりに口から大量の水をかけてくる(笑)そしてその後,アハハハと鳴き声を出し,まるでアホ~と笑っているみたいだ(笑)とにかくめっちゃ可愛い♡顔はびっしょり,口はプールの塩水でめっちゃしょっぱいけど,クララちゃんあまりにも可愛いので,もっと水かけっこしたかった…!

そんな感じでふれあいタイムは終了。当日出会った,同じプログラムに参加した方とお話しつつ,ロッカールームで着替え。ほんとにあっという間の時間で名残惜しかった…悲 でも落ち込むことなかれ,春夏シーズンは,シロイルカと泳ごうプログラムも八景島で実施しているのだ。来年はぜひこちらに参加したい!

ホッキョクグマの華麗な泳ぎ
八景島シーパラダイス,実は今回初めて訪れたが,ついつい見入ってしまった生き物は,ホッキョクグマとオタリアとウミウシ。ホッキョクグマが泳ぐ,くま掻きはなんか癒やされたし,オタリアはたてがみが勇ましくてなんかカッコよかった。ウミウシはいろんな種類がいて,これ全部ウミウシなの?って感じだった。それから,数種類のペンギンが泳ぐプールの前でしばし休憩していたので,どれが何ペンギンか,少し見分けられるようになったよ。 
そういえば,ドクターフィッシュも初体験した。そう,あの角質を食べてくれるというお魚です。手をいれた瞬間めっちゃ寄ってきてぱくぱくされた。なんともいえない不思議な感触だったのだが,きれいな手になったかは不明…(笑)それから,カピバラもいたのだけど,なんか癒やしだったな…。お尻可愛い。

シーパラさん,素敵な時間をありがとう~(^^)

カラフルなウミウシ
じっと見つめ合う
親子かな?
たてがみがクールなオタリアさん♂
ぼんやりしてるのかな?
絶滅危惧種のホシガメ

2019/11/08

本レビュー 千葉雅也「勉強の哲学 来たるべきバカのために」

「勉強の哲学 来たるべきバカのために」とても面白かった。勉強のプロセスをフランス現代思想,言語論と著者の経験をベースにして論じていく内容だが,私自身が勉強をしていてこれまでに感じてきたモヤモヤをすくい,答えのようなものを提示してくれ,また,親切丁寧に話を進めてくれるので置いてけぼりにされずに済んだ。この本はぜひ,これから学問を始めようとする高校生や大学生に読んでほしいし,むしろその頃の私が読みたかった。

著者の論理展開を追うために,原理編の内容を中心に今回はメモを作った。(本書は原理編と実践編から成っている)。なので,本の内容紹介はこちらから(クリックすれば拡大されます)。

ところで,私は勉強することが習慣化しているほうだと思う。私はなんのために勉強するのだろう?自分の興味のあることをもっと知りたいというのはある。でもそれと同時に,勉強をすることで少し生きやすくなるなという実感が出てきた。ようやく出てきた,と言ったほうがいいかもしれない。日々生きていて困ったときや悩んだとき,勉強によって培ってきたものが,生活での負担を少し減らしてくれるのである。そして,そういう勉強,つまり自分のリアルな生活に根付いている/リンクしている勉強のほうが続くし,深堀りされていく。勉強するだけ生きやすくなるのだから当たり前だ。
そのバリエーションは多岐に渡る。単純なものでいえば英語。ここ最近,ボキャブラリーを増やす必要があって2000語ちょっとの単語を意図的に頭にインストールしたのだが,そのおかげで英文理解するのが前より楽になったし,長文を読むこと,長時間集中して英語を聞くことへの抵抗も若干減った。また,英語でのアウトプットで使える単語が増え,幅が広がった。また,例えば人間関係。私の漫画好きは楽しみと勉強を兼ねている。漫画で描かれるあらゆる人間関係は,私のリアルな生活での人間関係で参考になることが多い。それは,リアルな生活での人間関係を別の視点で捉えることを可能にしたり,自分がどういう人間関係を求めているのか知るきっかけになったりする。また,人は何かに対してどのように感じたり考えたりするのか,自分のとった態度は相手にどう影響したのか,自分はどんな態度をとるべきなのか,などの収集,謎解き,シミュレーションの参考になることも多い。
また,勉強したことは上記したような直接的なつながりだけでなく,場や時をまたぐ間接的なつながりもある。どこかで勉強したことが,その分野以外で応用が効くことは多々あると実感しているし,リアルな生活で何かを体験したことで,だいぶ前に勉強したことがふと腹落ちし,それによってまた負担が減っていくこともある。

勉強は,混沌状態にほのかな光を与えてくれるようなものだと思う。勉強したからといってすべては明確にならない。でも,勉強をすることで少しだけ混沌とした状態が整理される。でもそれは一時的なもの。生きていれば混沌状態がデフォルトなので,勉強は続く。そんなわけで,私の勉強は続いていく。

2019/11/02

ショートヘアに至るまで

先日20年以上ぶりに髪型をショートにした。肩下ロングだったので,20センチ以上は切った。随分スッキリした!ショートはいい!洗うのも乾かすのもとても楽。新しい髪型,とても気に入ってる。個人的にはロングよりも私に似合っているように思う。でも気に入っている理由はそれだけではない。今回のヘアスタイルは,けっこう試行錯誤したうえでもたらされたものだからだ。だから,満足感が高いように思う。

ところで,長らく私は,髪型をどうするか決めかねていた。子供のころはショートにしていたが,短くするたびに前髪・もみあげ・襟足の毛が浮くのでいつもいつも扱いに困っていた。10代後半~20代にかけては,もうショートはこりごりと髪を伸ばし始めていたが,肩まで届くか届かないくらいのときにどうも邪魔になってしまい,だいたい肩くらいまでのボブスタイル。でもやっぱり伸ばそうと20代前半で一回肩下ロングまで伸ばした。でもそれもつかの間,ちょうど仕事を変えるときに髪も切ろう!と思い立って,肩上のボブスタイルに。で,数年前,美容院に行くのが面倒になって半年近く放置していたらけっこう伸びていたので(当たり前だ),そこからはとりあえずこのまま伸ばすかということで,美容院に行っても伸びた分弱くらい切ってもらっていた。つまり,惰性で伸ばしていた。カラーとパーマはしたくないと思っていたが,こういう髪型にしたい!というのがなく,美容院でいつも困っていた。せっかく美容院に来たのに,代わり映えしないヘアスタイルになっちゃうなあ…と。

そんなとき,「女の運命は髪で変わる」という本を勝間和代さんがYouTubeで紹介していた動画(https://youtu.be/zWZjsRvwa-k)を観た。えっ,髪ってそんな大事だったの…が感想。
それで,本屋さんでこの本を立ち読みし,髪型によってその人の印象がいかに変わるかとか,美容院に行くときのアドバイスなどの知識を得た。
で,もうなあなあで美容院に行くのはやめようと思い,どんな髪型にしようか少し真剣に考え始めた。

まず,どうせ変えるなら今までやったことのない髪型がいいよね,と思った。とはいえ私の髪は黒髪のストレートでそれは自分でも気に入っているため,カラーも入れたくないしパーマもかけたくない。となると,結局は長さをいじるしかない。切らなくても,多分毎日のヘアアレンジとかで髪型を変えることもできたんだろうが,そういうのは面倒くさい。ということで,さて長さをどうするか…やったことないのはベリーショートくらいの短さか,ということでベリーショートにすることを検討し始めた。

でもここで不安が押し寄せてきた。ベリーショートとか,私似合うんだろうか?ネットでベリーショートのモデルさんたちの写真をたくさん見ても,自分がしてるイメージが湧かない。あー…自分の顔と髪型を合成できたら…!そう思っていた矢先,それっぽいことができるアプリを発見。自分の写真をとると,アプリに入っているいくつかの髪型を自分の写真の上に重ねて合成してくれるのだ。何種類かアプリを試したが,結局自分の顔とベリーショートがしっくりくる合成写真は作れなかった。
とはいえ,気持ちはもうベリーショートに向かって走り出していたので,もうここは,美容師さんの腕に頼ろうと思い,ホットペッパービューティーで家から近いエリアで「ショートカットが上手い美容院」を調べ,徹底的に比較検討。検討項目は,家からの距離,施術料金,美容院と美容師さんの雰囲気,その美容師さんが切ったヘアスタイルの写真,口コミなど。毎回毎回美容院を変えるのは面倒なので,長期間通うことを考慮しての比較検討。そしてこの人ならお任せできそうだ!という人を見つけた。選んだ理由は複数あったが,ショートが好き,と書かれていたのに惹かれた。好きなものなら,それだけ知識も技術も豊富に違いない。

早速その美容師さんに予約を入れるわけだが,ここで先程の本のアドバイスが生きてくる。本では,美容師さんに髪型をオーダーするときには,自分がどうなりたいかのイメージを伝えるといい,なりたいヘアスタイルの写真は複数見せるといい,と書かれていた。写真については,いいなと思った髪型をネットから何枚も落としていたので,それらを見つつその中でも特にどんな髪型に魅力を感じているのか,それらの共通点は何か?を分析。また,自分についても,今後どういう自分でいたいか,どういう自分を見せたいか,を考え始めた。で,いくつか出てきたキーワード。アクティブ・かっこいいけどチャーミングなど。それから,とにかく乾かす程度で基本OKなスタイルにしてほしいということも言っとかないと…。そんな感じで美容師さんへメッセージをまとめ,予約を完了した。

そしてついに当日!朝から不安と緊張でドキドキしていた。美容院に着いてからも私本当に切っていいんだろうか?変にならんだろうか?と不安は続く。美容師さんからは,本当に切っていいですね?と2回位確認され(汗),はい,と応答。また,事前に送っておいたメッセージ内容をしっかり把握してイメージしてくれており,またショート絶対似合いますと切りながら何度か声がけしてくれた。長い髪を最初に一気に切られたあたりで私もようやく覚悟が決まり,それからは鏡とにらめっこしながら自分が変わっていく様子を見ていた。どんどん細部が整えられていくうちに,美容師さんの言っていた,ショート絶対似合います,は嘘ではないなと思い始め,仕上がるのがどんどん楽しみになっていた。

そんなわけで私のショートヘアは完成。しばらくはショートでいようと思う。

2019/10/27

本レビュー 信田さよ子「タフラブという快刀 「関係」の息苦しさから自由になるために」

久しぶりに信田さよ子さんの本を読んだ。最近,子育てに関する新刊を出されたのだが,それについてアマゾンで見ていたとき,偶然見つけた「タフラブという快刀」。タイトルに惹かれ,むしろこっちの本が気になってしまった。手放す愛・見守る愛としての”タフラブ”を人間関係において実践していくことで,自分も相手もそれぞれが個として,適度な距離感で自分の人生を生きることを提案する。
私は信田さんの本を数冊読んだことがあり,クライアントへのアプローチの仕方や考え方に共感している。「タフラブ」でもアプローチの仕方や考え方は共通。以前,アダルトチルドレン(AC)関連の情報を漁っていたときに出会った本「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」は,私にとってはアイオープナーにもなり,ある意味救いにもなり,共依存について興味を持ち,考えるきっかけになったように思う。また,「カウンセラーは何を見ているか」では,臨床心理士の仕事がどんな感じなのかを知るのにお世話になり,信田さんの若い頃の精神病院での経験談には引き込まれた。

信田さんは,少なくとも私が読んだ著書では,いつも人間関係,特に家族関係や恋人・夫婦関係などの親密とされる関係における現実をこれでもかというくらい突きつけてくる。でも,フィクションの世界や世間における耳障りのいい話に慣れている私にはそれくらいがちょうどいい。じゃないと,フィクションの世界や世間における耳障りのいい話=現実におけるデフォルトと勘違いしてしまうから。世間で良いとされる「お互い分かり合える」や「あなたのためを思って」がいかに欺瞞に満ちたものか,女性がいかに,社会からの暗黙の了解によって我慢せざるを得ない状況に陥っているか,子がいかに親の欲望のために使われているか,そんなことを淡々と伝えてくれる。

家族や恋人などは,濃く深い関係になるがゆえ,互いに欲望の押しつけや理解の強要,甘えなどが生じがちだ。そして,家族だから,恋人だからなどの理由で他人には決してしないようなことでも許されたり,どれだけ傷ついてもそれが普通だと受け入れてしまったりする。信田さんは,家族を治外法権の無法地帯と書いているが,確かになと思った。よっぽどのことが起こらない限り,第三者がその関係に立ち入ることはないからだ。しかも,たとえ第三者が立ち入ったとしても,彼ら・彼女らが適切な対応を心得ていない場合,問題を余計にこじらせたりする。なんと悩ましいことか。

信田さんがこじれた関係の解決にすすめるのは,「理解の断念」と「問題の切り分け」である。「理解の断念」については,私とあなたは別の人間であり,別々の人間が分かり合う,理解し合うのは所詮無理な話。それを認め,それを前提に相手とコミュニケーションをとる。タフラブは,相手にわかってもらおう,わからせよう,わかってあげようとはしない愛,理解し合いたい,コミュニケーションをとりたいという自分勝手な欲望や思い込みを手放す愛であるという。「問題の切り分け」は,誰の問題かを明らかにして,それぞれが自分の問題と限界に向き合うことだ。そして,他者の問題は他者に返さなければならない。また,関係がこじれるときの2種類の,相手への一方的な侵入・境界侵犯を想定している。自分を傷つけた人に対して「なぜ相手は自分をこんなに傷つけなければならなかったのか」を考えているうちに,相手の世界に入っていってしまうことと,相手を自分の思い通りにしたいという支配の2つである。どちらも関係に苦しんでいる方が問題の切り分けを行うしかない。苦しんでないほうは,相手が苦しんでいるなんて思っているわけもなく,要求しても無駄だからである。また,日本では自他の区別なく相手の身になって何かをすることに価値が置かれてきた,ということにも触れている。本書には,こじれた関係を解消させていくケーススタディがいくつか紹介されているが,読みながら少し涙してしまった。関係改善のための行動は,本当に勇気がいることだ。葛藤・恐怖・不安の中で一歩を踏み出し,実際に行動した人たちに拍手したいくらいだ。

信田さんは,タフラブには寂しさが伴うという。タフに生きることは寂しさと共存することだと。そして,寂しさを分散させるために,目的別(食事に行くなら…,映画に行くなら…,愚痴を言い合うなら…など)の人間関係を複数用意しておくことを勧めている。タフラブを土台とした関係は寂しい,でも安全な関係は実現できるというわけだ。

個が個として独立を保ちながら,紙の上だけでなく実社会でいかなるときも人権を保証された状態で,自分以外の個とどう共存していくか…課題。

2019/10/16

DUBの楽しみ ―「YURI !!! ON ICE」北米版

神アニメとして私の中では不動の地位を築いている「ユーリ!!! on ICE」が,今月~テレ朝土曜の深夜枠で再放送を開始した。今年は映画版の公開が予定されていたものの,公開は延期。でも再放送始まったってことは,公開はそう遠くないのかな?と期待しつつ,これまでに何度観たか分からない「ユーリ!!! on ICE」を,また久しぶりに見始めている。そして,久しぶりに北米版も見返してみよう!と思いたった。

※「ユーリ!!! on ICE」およびヴィクトルへの愛はこちらの記事でも書いています。
 大好きだー!「ユーリ!!! on ICE」https://yukiron.blogspot.com/2017/05/on-ice.html
 年の瀬企画-第一夜- 2017年が初めて記念年 https://yukiron.blogspot.com/2017/12/2017.html

こちらの埋め込みからだと再生が不可のようなので,一度YouTubeにとんで再生ください。
 

私は本当に「ユーリ!!! on ICE」が好きなので,日本版のブルーレイでは飽き足らず,北米版のブルーレイも購入している!その理由は,日本人の声優による日本語のセリフが,英語になったとき,どんな声優がどんなセリフで演じているのかを知りたかったから。日本語と英語は語彙も違うし,文法も違うし,それぞれの言語が生まれている土壌も違うから,一対一対応で翻訳できることはほぼない。たとえ日本語のセリフをがんばって直訳したとしても,それが英語話者にとって伝わりやすく解しやすいセリフかどうかは疑わしい。そんなわけで,「この日本語の表現は,どんな英語の表現に変わっているのか?」を発見しつつ,「あ,こんな言い回しできるんだ」とか「この表現を使うとイメージがこんなふうに変わるな」とか,はたまた「私だったらここはこうするかな」とか,そんなことを考えながら見るのが,楽しい。
北米版の予告編↓


というわけで,私の好きな場面の英語セリフと日本語セリフをいくつか拾っていこうと思う。とその前に,「ユーリ!!! on ICE」のキャラは国際色豊かだ。キャラたちの英語,けっこう癖があるように聞こえる。おそらく,ロシア訛り,イタリア訛りなど,そのキャラの出身に合わせた発音にしているのかな,という印象。でも日本人キャラは日本語訛りになってない(笑)。声質の違いでキャラの印象もけっこう変わるもんで,私の好きなヴィクトルは,日本版では諏訪部さんの透き通るような若めの声,でも北米版では少し年上感がある。どちらも優しい印象の声だけど。JJはね…やっぱり宮野さんに勝てる人はいない…うん。

では早速セリフに行ってみよう!ストーリー順に行こうか。日本語セリフ,英語セリフ,直訳,コメントの流れでそれぞれ紹介!コメントにはその場面の感想や英語表現から受ける私の印象を記しています。
ATTN: 英語・日本語ともにセリフは私の耳による聞き取りです。また,直訳も私がしています。不正確なところがあるかもしれませんがあしからず…。画像はDVDからのスクショです。

◆冒頭部
日:「彼はいつも僕をびっくりさせる。初めて彼のスケートを見たときからずっと,驚きの連続だった。」
英:"Over the years, he's never ceased to surprise me. From the first time I saw him skate till now, it's been one surprise after another."
→「何年にも渡って,彼は僕を驚かせるのを決してやめない。彼がスケートしてるのを初めて見たときから今まで,驚きが次から次へとある。」
コメ:第1話のOPが流れる前の30秒くらいのパートですが,これを見ただけで私は「ユーリ!!! on ICE」に惹きつけられた。このアニメは面白いに違いない!と。
まさに現在完了が本領発揮できるセリフ…そうか,ceaseが使えるのか,stopだとちょっと軽い感じ?になるのかな…

◆第3話 勇利が「愛について~エロス」でパフォーマンスすることが決まり,ヴィクトルがアドバイス
日:「世界中のみんなはまだ勇利の本当のエロスを知らないんだ。それは勇利だって気がついていない魅力かもしれない。それを早く教えてくれないか。」
英:"Unleash the Eros within you. Maybe no one 's seen it before, but I know it's there, smoldering deep down inside you waiting for. It's chance to come out."
→「勇利の中にあるエロスを解き放て。多分これまで,誰も見たことがないかもしれない。でも俺はそこにあるって分かってる。心の深いところでくすぶりながら待っているんだ。今こそ出てくるとき…」
コメ:けっこう変わってるよね。英語のほうが直接的で,より躍動感がある…!それらの言葉からヴィクトルの色気が倍増している。unleashとかsmolderとか,チョイスがいい!

◆第5話 グランプリシリーズに向けて,記者会見での勇利のスピーチ
日:「今年のグランプリシリーズで僕がテーマにするのは,愛です。今までのスケート人生,いろんな人に助けられながらやってきましたが,愛について考えたことは一度もありませんでした。恵まれた環境にいながらそれを活かしきれず,一人で戦っているような気持ちでずっといました。けど,ヴィクトルコーチが現れて,僕の見ていた景色は一変しました。僕の愛,それはわかりやすい愛や恋ではなくて,ヴィクトルとの絆や家族や,地元に対する微妙な気持ち,ようやく自分の周りにある愛のようなものに気づくことができました。初めて自分からつなぎとめたいと思った人,それがヴィクトルです。その感情に名前はないけど,あえて愛と呼ぶことにしました。愛を知って強くなった僕を,グランプリファイナルの金メダルで証明します。」
英:"We struggled to find this theme for Grand Prix. It was hard and in the end I chose love. There've been so many people who helped my competitive skating career. It's somehow I've never thought if it is love until now. I was lucky to have people supporting me, but I had hard time for accepting that support. So I was always like I was fighting alone. But since Victor came in my life and became my coach, I started to seem differently. This love isn't something like clear-cut or romantic love. It's more than abstract feeling and composites of my relationships with Victor, my family, and my hometown. It took a long time but I finally realize I'm surrounded by love every day. For the first time that somebody I want to hold on to, the person is Victor. I don't really have name for that emotion but I've decided to call it love. It's changed me. I'm stronger now. You know prove it the Grand Prix Final with a Gold medal. "
→「グランプリシリーズのためのこのテーマを見つけるのに奮闘しました。大変で,最後に僕は愛を選びました。僕の競技スケートを助けてくれた人はたくさんいます。でもなぜか,それが愛かどうか考えたことは今まで一度もありませんでした。僕はサポートしてくれる人がいて幸運でしたが,サポートを受け入れるのが難しかった。だから僕はいつも一人で戦っているようでした。でも,ヴィクトルが僕の生活に入ってきて,僕のコーチになって,僕は違ったように見始めました。この愛は,なにか分かりやすく,ロマンチックなものではありません。もっと抽象的な感情でヴィクトルや家族,地元との関係が混じったものです。長い時間がかかりましたが,ついに,僕は毎日愛に囲まれていることに気づきました。つなじとめたい誰かがいるのは初めてで,その人はヴィクトルです。その感情への名前はないけれど,僕はそれを愛と呼ぶことにしました。それは僕を変えました。僕は強くなっています。それをグランプリファイナルで金メダルをとって証明します。」
コメ:愛は「ユーリ!!! on ICE」の核となるテーマ。それを勇利くんが語っているので長めに引用。英語的にはけっこう直訳に近い印象。

◆第7話 プレッシャーにつぶされて号泣する勇利からヴィクトルへ
日:「僕が勝つって僕より信じてよ。だまってていいから離れずにそばにいてよ。」
英:"Just have more faith I'm going to win than I do. I order not to say anything, just stay close to me."
→「ただ僕が勝つってことを僕よりも強い信念を持ってて。何も言わないでただ僕のそばにいて。」
コメ:このセリフにはホント共感しかない…。英語的には,faithは宗教的なイメージがあったのだけど,こんな使い方もするんだ,と発見。faithを使うとbelieveよりも,もっと強いもの・確信めいたニュアンスが入り込む感じがある。そして,例のはなそばは,訳そうと思えばいろいろ言えるように思う,例えばBe with me always/all the time., Don't leave/let me alone. Stay with me. などなど。withではなく,close toを使っているのが,ヴィクトルという個と勇利という個がそれぞれ存在して,それらが互いに近くにいる,という個を意識した感が出るかな,という印象。

◆第7話 泣いた後のFS
日:「もっと強くなりたい。もっと強くなれる。僕はヴィクトルの想像を超えられる。」
英:"I want to become stronger. I'll become stronger. I can surpass the Victor's wildest imagination."
→「僕はもっと強くなりたい。僕はもっと強くなる。僕はヴィクトルの荒々しい想像を超えられる。」
コメ:いろいろ吹っ切れて…勇利くん,ガンバー!!なシーン。比較と助動詞のイメージがはまるセリフ。英語ではwildestを加えている。それによって,ヴィクトルの想像してることってダイナミックで荒々しくて普通とは違うんだよ,感が入ってくる印象。

◆第7話 次モスクワで戦うことになっているユーリから勇利へ
日:「モスクワでボルシチにしてやるよ。この豚野郎が!」
英:"In Moscow, I'll make you into Borscht, little piggy bastard!"
→「モスクワで,お前をボルシチにしてやる,豚野郎!」
コメ:ユーリは口が悪いロシアンヤンキーの設定なので,暴言がけっこう飛び出してきて面白い。本当は予告編にもある1話のトイレのシーンとかも切り取りたかったのだけど,いかんせん同じロシアのヴィクトルよりも発音が聞き辛く,何を言っているか不明瞭な部分があるため,断念。このセリフはこのセリフで素直に対抗心むき出しのユーリが現れてて好き。

◆第10話 グランプリファイナル直前,ヴィクトルから勇利へ
日:「いいよ。何も考えなくていいおまじない。明日は,勇利がいちばん好きだって言えるスケートを見せてね。俺が知ってる金メダルの近道なんてそれくらいだ。俺は勇利の決めたことを絶対信じるよ。」
英:"OK. I'll tell you something that you won't have to think about tomorrow. Skating the way that's true to yourself. Show me a program that makes you proud. There's only way to a gold medal that I know and that's it."
→「いいよ。勇利が明日何も考えなくていいようなことを話すよ。自分に正直なスケートをして。自分が誇りに思えるプログラムを見せて。俺が知っている金メダルへの道はそれだけだ。それしかない。」
コメ:あ,おまじないはspellとか使わないのね!?どういうスケートをしてほしいかについては,英語のが詳しい。でも最後の文章では英語ではthat's it.の一言で完結している。シンプルで,ヴィクトルの決心というか腹をくくった感というか,そういうのをより出してるのかな?

◆第12話 グランプリファイナルでのFS
日:「終わりたくないよ,ヴィクトル。ずっと一緒にスケートを続けたい。でも,僕のコーチでいることは競技者としてのヴィクトルを少しずつ殺しているのも同然だ。僕の中にいるヴィクトルを見てて。ヴィクトルがコーチになってくれたことは無駄じゃない。それを証明できるのは,世界中で僕しかいない。」
英:"I don't want it to end here. I wanna skate with you forever. But the price of keeping him as my coach would be killing you slowly as a competitive skater. Look at the Victor who lives on inside me. Becoming my coach wasn't waste of time. I'd be only one who can prove it and that's what I'm doing now."
→「僕はここで終わりたくない。ヴィクトルと一緒にずっとスケートをしたい。でも彼を僕のコーチにし続ける代償は,競技者としてのヴィクトルをゆっくり殺していくだろう。僕の中で生きるヴィクトルを見て。僕のコーチになったことは時間の無駄じゃなかった。僕だけがそれを証明できるんだ。僕が今それを証明しているんだ。」
コメ:後半,助動詞would(婉曲用法かな)と現在進行形を使って意味を強めている。勇利くんの今まさに感じている気持ちが反映されている印象。I don't want to it to end. はあまり目にしたことのない表現。I don't want to endじゃないんだと。it を挟むことでスケートをヴィクトルとするというコンテンツがはっきり現れ,また to end という前置詞+名詞で終わりまでそれを持っていく,みたいなニュアンスが加わるのかなという印象。いずれにしても,単純にwant to endにするよりも凝っている,具体性が増している表現になっているように感じる。

そんなわけでセリフ紹介はひとまずこの辺で。随分たくさん書いてしまった…。やっぱり好きな作品については,その他の素材よりも熱量多いよね…。というわけで,まだ「ユーリ!!! on ICE」を観たことのない皆さんにはぜひ観てほしい…!
DUBは英語学習にも使えるので,今度別記事でやり方など書こうと思います。

追記:ちなみに北米版は,ブルーレイとDVD(どちらも全話収録)のセット販売。それに特典のミニイラスト集みたいなのと缶バッジがついて$63.74だった。配送料と手数料は$12.97。計$79.52で購入した(Right stuf Animeから直輸入)。配送料は安かった分,到着まで発売から1ヶ月弱かかったが(トラッキングによれば,アメリカからヨーロッパ経由でうちに届けられていた…),にしても日本のブルーレイに比べてずいぶん安くてびっくりだ。日本版は,そもそも全話収録で売っていない。2話分×6本で全話となり,1本分で既にだいたい北米版と同じくらいの値段…まあ,その分特典もたくさんついてたりするのだが。この差は一体何なのか。

日本語版は,Amazon プライム・ビデオ で見られます!
ぜひ!