友人にすすめられ,ハーバード大学の卒業生に向けた,Rashida Jonesのスピーチを見た。
美しい英語で,ジョーク満載で,躍動感たっぷりのスピーチ。親しみやすい雰囲気が漂うスピーチの中で彼女が言っていることは,今の私には重たい。私がこのスピーチを,それこそ大学を卒業したてだった22歳のときに聞いたら,「何言ってんだろう~」で特に気にも留めず終わってしまっていただろうが,あれから10年弱の時を経て,経験が増えた今では,実感をともなってこの話を聞くことができるから,その分身に迫ってくる。人生のできるだけ早い時にこの話を真摯に受け止めることができたら,幸いなことだ。
スピーチの中で,いちばん私に迫り,また,エールとして聞こえてきたのは"don't count on the system"(システムにたよるな)。22歳のときの私はちゃんと,「大きな病気けが,事故さえなけりゃ,人生そこそこ安泰で暮らせるでしょうシステム」に乗っかっていたのに,それを捨てた。その後は生きているだけでそのシステムに戻るための不利な条件が増えている。あぁ,システムに戻りたい!と思うこともしばしば。というかむしろ振り返れば,戻るためにいろいろなことをやってきた。でも,システムはそう簡単に落伍者を受け入れない。これはすでに実感済み。それに,たとえ戻れたとして,私はそこでの生活に満足して生きるのだろうか。きっとまた,不平・不満を言いながら生活していくんだろう。そもそもそれでシステムから抜けたのに。それなら戻ることより,自分でシステムを作るためにいろいろ試行錯誤したらいい。シンプルな考えだ。私にはまだ使えるものがたくさんある。だからがんばりたい。