自己紹介

自分の写真
オンラインで英語個別指導します https://yokawayuki.com/service

2019/07/12

久しぶりにK-POPを聴いてます

先日たまたまMTVをつけていたら,ついつい見入ってしまったグループがあった。BLACKPINKである!曲といい,パフォーマンスといい,彼女らのルックスといい,めっちゃかっこよい!!韓国語の歌詞はよくわかっていないけれど,メロディというか曲調というか,とにかく音楽が好き。2016年から活動しているとのことで,いろんな曲聴いたけれど,全部いい。そのときから,部屋のBGMはBLACKPINK祭りになっている。アップテンポの曲が多いから,聞いているとテンション上がってだらけモードも引き締まる…!



思えば,K-POPを聴くのはだいぶ久しぶりだ。私の韓国への興味は多分,15年くらい前に韓国の学生と交流する企画で韓国に行き,友人ができたことから始まったのだが,そのころ私が惹かれた韓国のエンタメはもっぱらドラマで,ヒョンビンとかチュウォンとか好きな俳優もいたし,ベタな展開の甘々の恋愛ドラマが好きでよく見ていた。そんな中,多分これもKBSかなんかを見ていたときに発見したんだろう。数年前,SHINeeというグループを発見し,好きになってよく聞いていた。SHINeeのときも,とにかく曲が好きだった。彼らは代表曲を韓国語の歌詞と日本語の歌詞両方でリリースしていたのだけど,韓国語の歌詞のほうが曲に合っているように感じて,好きだったから,内容はわからなくてもそっちをよく聴いていた。久しぶりにSHINeeのMVを見ているが,やはり曲,パフォーマンスがかっこいい。このキレッキレのダンスよ…。



先日,SHINeeのテミンちゃんがしゃべくり007に出ていたのを観たが,7年前に増してより美しく色っぽくなられていた(そして相変わらず可愛い…)。しかも,番組で披露していたダンスがまたすごいことすごいこと。ホントに好きでいつも考えて踊っているのだろう。もはや親戚の男の子を応援するような心持ち。

K-POP遍歴を語るのにもう1人外せない方がいた。ソン・シギョン氏…。ヒョンビンが主演だったドラマ「シークレット・ガーデン」のエンディングテーマの曲を歌ってて知ったのだけれど,彼については,本当に声が大好きで。気持ちを落ち着かせてくれる,優しくて心地よい声をしているから。昔,声を聴きたいがために彼の出演していたネットラジオも聴いていましたよ…「ラジオの終わりの”チャルジャヨ~”は”おやすみ”だよ」と友達に教えてもらい,唯一ここだけ意味が分かって聞けていた箇所だったけれども。ソン・シギョン氏の声久しぶりに聴いたけれど,ホントに好きな声…



ソン・シギョン氏は,一時期KBSで放映しているバラエティー番組「1泊2日」にも出演したのだけど,これも好きでよく観ていた。ここでは食いしん坊キャラを押し出していて,メンバーとやいやいたむろう感じもなんだか癒やされたのだよね…

こんな話を書いていたら,韓国料理を食べたくなったよ。昔,お昼食べによく行っていたお店(http://www.koyakorea.com/)また行こうかなぁ。

2019/07/09

映画レビュー 「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」

岩波ホールは初来場でした
ニューヨークの図書館ってどんな感じなの!?という好奇心から観に行った「ニューヨーク公共図書館」(http://moviola.jp/nypl/)。初っ端からリチャード・ドーキンスのイベントの抜粋が映されて,宗教・無神論の話が展開されるもんだからちょっとビックリした。でもこれはある意味,ニューヨークという世界の大都市で,公の立場で全ての市民や訪れた人に知を提供するNYPLのリベラルさを象徴しているのかなと思いつつ鑑賞した。

この映画はドキュメンタリー。3時間超えの長編だが,内容はNYPLで行われている著名人を呼んでのトークイベントや,就職イベントや音楽ライブ,子どもたち向けの放課後講座や科学講座,朗読会,読書会などのイベント,NYPL職員たちによる予算の割当会議,図書館利用者の様子,カスタマーサービスやリファレンスサービス,蔵書のデジタル化作業や機械による運搬,写真やイラスト資料の配架の工夫などの抜粋映像で構成されている。NYPLは本館・分館合わせて92個あるらしいが,分館の様子もその地域の街並みやそこで暮らす人々の姿とともに映し出され,観光ガイドなどで見るNYの一般的なイメージとは異なる雰囲気も感じられる。進歩的でオシャレでかっこいいNYよりも,多様性の受け入れ,寛容さの実現,社会的弱者への支援,そういうのが全編を通して感じられた。

NYPL職員たちによる予算割当会議の抜粋映像は映画の中でも1/3近くを占めているんじゃないだろうか。NYPLは税金と寄付で賄われており,力を入れているのは教育関連の企画と,市民のデジタルデバイドの解消である。教育関連の企画では読み書きや数学を子どもたちに教えたり,ロボットを作って動かす講座など。デジタルデバイドについては,調査によるとNYでネットにアクセスできない人は全体の1/3いるらしく,その人たちへのネット環境の提供に奔走していた。また昨今では,多くの仕事がパソコンを使うから,時代に求められるものに合わせて内容をアップデートしていくパソコン講座を開くことなども話に上がっていた。そして,一時期減った公からの資金が昔の水準に戻ったことを受け,市が求めているものをやりつつ,寄付金を増やしていくにはどうするか,等も話に挙がっていた。

ところで,リファレンスサービスでは,やはりというか期待通り,ユニークな問い合わせが来ていた。問い合わせに訪れたのは,ある家系について調べている女性。その家系がどこの町出身かを知りたいという。それに対して職員は,調べ方を順序だてて細かくレクチャー。移民,帰化資料,年代など資料検索に必要なワードがポンポン飛び出してきて,図書館が有している膨大な資料量が伺い知れた。
リファレンスサービスがしっかり機能している図書館は,研究や調査目的での利用者にとって非常に助かる存在だ。日本の図書館の代表,国立国会図書館は全国のいろいろな図書館でのリファレンスをツイッターで公開している(https://twitter.com/crd_tweet)私は好きでたまに見ているのだが,ホントに実にいろいろな問い合わせが来ている。全く予想もしていないような情報ばかりで,世の中の広さを実感するばかりである。リンク先の回答には,検索のプロセスも示されていて参考になる。

静かで,本の匂いがして,誰かから干渉されることもなく,座って落ち着いて過ごせる場所。私は図書館が好きだ。いつかここの図書館も訪れてみたい。

2019/07/02

私もがんばろっ! -漫画記 たなかマルメロ「俺たちマジ校デストロイ」,モリエサトシ「星空のカラス」

久しぶりの漫画レビュー。今日は最近読んだ漫画を2つ紹介したい。たなかマルメロさんの「俺たちマジ校デストロイ」と,モリエサトシさんの「星空のカラス」だ。読後感はどちらの作品も「私もがんばろっ!」。主人公たちがやりたいこと,成し遂げたいことに向かってガシガシ突き進んでいく姿はかっこよく,読んでいてパワーをもらえる。

・たなかマルメロ「俺たちマジ校デストロイ」
ネオアイドルとしての活動に精を出す,男子高校生の物語。平凡な日常を過ごしていた男子高校生のトモは,道端でもらったチラシに書いてあった”ネオアイドル”(アイドルのようなもの)に興味を持つ。アプリに登録さえすれば,誰でもネオアイドルとして活動できるということで,幼馴染のニーナと友達のメグを誘って早速登録。登録したはいいものの,ネオアイドルって何するんだ!?状態の3人。グループ名を決めることに始まり,学校でライブしたり,隣のクラスのキスケにグループの作曲家になってもらうべく粘ったり,体力つけるのにトレーニングしたり,テーマ別で開催される一般公開ライブに出たり,別のクラスのネオアイドル経験者のミユとジュンや風紀委員長のユッキーを誘ってメンバーを増やしたり,別のネオアイドルと仲良くなったり,と彼らの日々を綴っていく内容だ。
アプリ「pixivコミック」で
一部無料で読めるよ
 登場人物は主要メンバーだけでも十分多い(トモたちのグループ「マジ校デストロイ」で既にメンバー6人+プロデューサー1人)が,誰もが誰かの影に隠れることなく,それぞれがキャラ立ちしている。見た目も性格も全然違うが,誰もがなんかしら弱いところや,心のもやもや・キズを持っていて,でもみんなそれぞれにいいところがあり,それらが絡み合って一つのストーリーになっている。それが本当に面白い。問題が起これば解決し,なんだかんだありつつも前向きに進んでいくメンバーたち。そして,それぞれが持っているもやもややキズは,別のメンバーの発言や行動によって癒やされたり,そこから解放されたりもする。お互いがお互いを想って大切にしているさまがよく伝わってくる。彼らが彼ららしく,みんなでゼロからネオアイドル「マジ校デストロイ」を作り上げていくさまは,本当に応援したくなる!!!メンバー全員好きなのだけど,私はトモとニーナ推し!トモはスマホの待ち受けに,ニーナはスマホキーボードの背景に画像をセットしたよ!そして!マルメロさんといえば絶対笑顔!キャラたちの笑顔が本当に素敵なのだ。もうなんだろうね,全てがクリアになって晴れ渡ったような,それこそとびきりの笑顔を見せてくれるんですよ!!スクショした笑顔,貼っときます!
ジュン
トモ
ちなみに,「マジ校デストロイ」以外のネオアイドルたちのキャラも濃ゆい。たくさんのキャラを立たせ,描き分け,まとまったストーリーへと展開するマルメロさん,ホントに尊敬しかない。
そうそう,「マジ校デストロイ」はツイッターアカウント(https://twitter.com/majiko__23)も持っている。メンバーがつぶやいているという体で,日常のつぶやきや彼らの写真(実際は彼らのイラスト)をツイートしているのだが,そこにもそれぞれのキャラの性格が反映されていて,「マジ校デストロイ」本当は実在してるんじゃないか?と思うくらいだ。
実は,作者のたなかマルメロさんは,おげれつたなか名義でBL作品も描いている。というより,おげれつたなかのほうが知れ渡っているかもしれない。私はおげれつさんの作品もすごく好きだ。やはり,ちょっとこじらせているような男性がよく登場するのだが,それらは相手からの愛情で少しずつ癒やされていったり,落ち着いていったりして,最終的には,あぁ素敵な2人だな,よかったねー!!と,2人を見守る隊の1人としてとても幸せな気分にひたれる。もちろん,マジ校同様,キャラたちの笑顔も本当に素敵なのだ!BLに抵抗ない方は,「エスケープジャーニー」,「怪物」シリーズ(ほどける怪物,はだける怪物),「ヤリチン☆ビッチ部」もオススメ。

・モリエサトシ「星空のカラス」 
全8巻
囲碁のプロ棋士,さらにはその上を目指す女子中学生の物語。プロ棋士だったおじいちゃんに小さい頃囲碁を教わった烏丸和歌は,囲碁が大好きな女子中学生。いつものように碁会所で囲碁を打っていた和歌はプロ棋士の男子高校生プロ棋士,鷺坂総司と出会う。和歌の総司に対する最初の印象は最悪だったものの,彼の名人戦の試合を見て,彼の強さや勝利に対する執念に強く惹かれ,彼と勝負できるようになるために強くなることを決意。彼を「ししょー」とし,親からの反対や挫折,幼馴染や院生仲間との勝負などを経て,和歌は成長し,総司もまた名人戦で勝利し名人となるなど,腕を上げていく。和歌も総司も,囲碁バカと言われるくらい囲碁のことしか頭にない。それくらい囲碁に魅せられ,囲碁に苦しめられ,囲碁を愛し,強くなることを求め続けるさまはカッコいい。囲碁試合自体の描写は少なめだが,登場人物たちの囲碁に対する姿勢や囲碁を打つときの気迫は十分に伝わってくる。
2巻より
和歌は総司に対して恋心を抱いていて,総司も和歌のことを気に入っているのだけど,2人の関係は恋愛というよりも,師匠と弟子,あるいは囲碁の同志という感じである。囲碁を通して相手のことを理解するし,囲碁が2人の関係を深く特別なものにしている,という感じだ。
和歌はまっすぐ素直で負けても折れない強さがある。よく笑うしよく泣く。ちなみに総司はひねくれ者だ。そんな和歌はときおり,とても大人びた発言をするのだが,私がぐっときたシーンはこれ。「といつめたってひとの心は動かせないんだよ。変えられるのはその人の本当にカッコいい所なの」。読んだ瞬間,うん,そうだよ,ほんとにそのとおりだよ…と,この和歌に打ちのめされている少年のようになた。そして,もし自分が誰かを変えたい,変わってほしいと願うなら,自分がその人に対してカッコいい姿を見せ続けなければならないのだろう,と思った。
アプリ「マンガPark」と
「LINEマンガ」で全話無料で読めるよ
囲碁について,この漫画を読んで興味が湧いたので,ルールややり方を調べてみた。そういえば,私の好きな織田信長も囲碁が強かったとかなんとか……。早速囲碁アプリをインストールして,何度かコンピューターと対戦してみたが,いちばん下のランクにも勝てる気配が全くない。こりゃ先に詰碁をやるべきかな?という感じである。日曜日などによくEテレで放送されてる囲碁番組は,相変わらず見てもよく分からんのだが,昔はこんなん何が楽しいんだろう?と思っていたものが,今は高度過ぎてよく分からないな?に変化した。漫画をきっかけにして興味関心が広がることは私はよくあるのだが,囲碁の世界を私に開いてくれたことがまた嬉しい。

ちなみに,7巻の表紙の総司はスマホのロック画面に設定されてるよ!
以上2作品,とてもオススメなのでぜひ読んでください!

2019/06/28

コーチング関連本を読んでるよ Week 31~

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。あと少し!

◇「ケーススタディで学ぶ 「コーチング」に強くなる本・応用編 人材育成に効果をあげるスキルアップ73の視点」本間正人,本間直人
本間正人さんのコーチング本といえば,ビジネス場面の会話脚本を使ってコーチングの手法を教示してくれるもの。今回もその手法は踏襲しつつ,応用編ということで,技術部門や家族経営の会社場面,ひとりよがりのコーチング,部下と上司に挟まれた中間管理職向けのものなど,これまでと異なる場面を想定。それらの場面での会話例を通じてコーチングのtipsを73個くれる。
会話例では,確かにコーチングをしているのであろう,ただその一方で,相手を上手く転がしてる感を感じるやりとりもちらほら。これは別の本間さんの著作の会話例を読んでいて感じたことでもあるのだが。
tipsの1つの「表現のやわらげ方に注意する」を読んでいたとき,ギクッとなった。これ私よくやるやつだと……。

◇「駆け出しマネジャー アレックス コーチングに燃える」マックス・ランズバーグ
本書の主人公は,シニアマネージャーへの昇進を控え,休暇を過ごすアレックス。休暇中,彼は自分のこれまでの会社内での振る舞いや歩みを振り返り,テープレコーダーに録音していく,という設定で話が進む。以前は部下に対する命令ばかりで人使いの荒かったアレックスが,コーチングを取り入れて変化していった様を描きつつ,コーチングを実践する際のポイントを提示していくというスタイルの本だ。
コーチングの誤解の1つは,コーチングをするには相手をよく知らなければならないというもの。著者は,相手よりも自分自身をよく知れと言う。コーチングスキルを適用する際,自分の中の心理的な壁に阻まれやすいからだ。また,コーチングは人助けのためにするのも誤解のようだ。コーチングをすることで自身が得る利益は大きい。著者は,自分自身の時間を作れ,対人能力が向上し,社内での地位向上に役立ち,仕事が喜びになり,強力な支持者をつくれると言う。
また,本書ではコーチングの際の注意点として,相手に深入りしすぎないことを挙げていた。心理学者じゃないんだから,心理分析を始めたり,深層心理など暴いたりするべきではない。

◇「武田建のコーチングの心理学」武田建
アメリカでカウンセリングや行動療法について学んだ著者。これらの心理学の理論をベースに,大学のアメフト部の監督として長年コーチングを行ってきたとのこと。
褒めることや叱ることについては,オペラント条件づけの理論に基づき,適切なタイミングと内容で褒めたり叱ったりし,行動を強化したり消去したりすることを提案している。
また,心身の緊張を解くことがパフォーマンスの向上をもたらすとし,身体弛緩の方法も具体的に提示。イメージトレーニングを詳細に行うことでパフォーマンスをリハーサルしておくことの効果も述べている。
全体を通して,とても温かさを感じる本だった。語り口は優しく,丁寧に話が進められている。

◇「エンパワーメント・コミュニケーション」岸英光
コミュニケーション=コミュニケーションによって引き起こされる私たちの中での変化とする著者。当人にとって実りのある変化を生じさせるコミュニケーションについて提示し,コミュニケーションの可能性や力を感じさせる内容になっている。
著者はテクニックに走らないコミュニケーションを主張する。be(あり方)が定まっていれば,それによって適切なdo(行動)が起こり,適切なhave(結果)が生じる。beがろくでもないところにdoしてhaveを得ようとしてもそれは無理があるというものなのだ。自分がその場そのシチュエーションでどうあるのか,を明確にし,それに応じたdo,haveと進んでいくことが理想だ。
また本書では,人がいかにとらわれた存在かを述べている。感情や感覚に乗っ取られて物事を正確に見ることができなかったり,思い込みをしたり,そして自分が囚われていることにもなかなか気づかない。そこで,自分自身を観察し,自分の感情を味わうことを提唱する。「人は自分の行動を止めるためには何でも使う」というのは印象的だった。しない言い訳のためにクリエイティビティを発揮するわけだ。だから,「○○だからできない」の〇〇を疑わなければならない。○○はたいていの場合思い込みで,考えれば可能な方法は出てくる。
コミュニケーションに関する私の感覚や考え方にとてもマッチする本だった。

◇「24時間で凡人がトップセールスに変わる!コーチング営業」林健太郎
著者は,売れる営業になるために,まずは自分自身を思い込みから開放し,そのうえで「顧客を勝たせる」営業を行うことを推奨する。苫米地英人氏の提唱する理論を踏襲したセルフコーチング手法に加え,著者自身の営業経験を盛り込んだ内容である。
「顧客を勝たせる」とは,顧客がいつ何を得たいのかを的確に把握し,そのタイミングでベストなものを提案するということである。相手の言葉や態度を観察し,相手の本音・気持ちを理解することが重要。そして,顧客の得たい!にマッチングさせる形で営業や交渉を行っていく。常に顧客視点での営業であり,自社のサービス・製品をやみくもにアピールしたり他社のサービス・製品をけなしたりすることはない。顧客にとって自社のサービス・製品が今必要ないと判断されるのであれば,時機をうかがうし,他社のサービス・製品に興味がある場合は,そっちも含めて検討することを提案する。そのようなやりとりを通して顧客との信頼関係が生まれ,価格が少し高くても買ってもらえたり,顧客がまた別の顧客を呼んでくれたりしてビジネスが広がっていくというわけだ。

◇「コーチング&カウンセリングのプロが書いたコーチング・センスが身につくスキル―「自信がない」「やりたくない」それでも結果を出すコミュニケーション・スキル」岸英光
先に書いた,「エンパワーメントコミュニケーション」の続編。前作で記されていたコミュニケーションのスタイルをベースに,本書ではコーチングの手法を説く。
これまで読んできた他のコーチング本に比べて,本書はブレーンストーミングについて多くのページを割き(20ページ程度),そのやり方を具体的に示している。ブレーンストーミングは,達成したい結果を得るにはどのような方法が可能かを探るときに利用する。
また,日々のコーチングにおいてコーチはクライアントのディブリーフィング(振り返り)を一緒に行うことを提唱する。著者は,やったことの「反省」は意味がない,何をしたらどうなったのかをありのまま捉えよと言っていた。そして,何が機能し,何が機能しなかったのか,何が役に立ち,何が役に立たなかったのかを分別し,機能したものや役にたったものは続けたり応用したりし,そうでないものはやめるなどして,新たな可能性を探っていくようサポートしていくのだ。
また,責任についても考察している。責任とは,response+abilityつまり,反応/対応する能力。著者は責任をとっている人は,「覚めており,自分の仕事に何が起きているか,いつもピンときて,明確にし,手を打つ能力をもっている人」とする。つまり,責任は明確な行動を呼ぶ。そして責任と言う言葉の意味するところは,「ある立場をとる」に近いとしている。立場をとることで行動が生まれ,結果を生むことができるからだ。また,立場をとることはストレス抵抗力を強めることにも寄与するようだ。

◇「グループ・コーチング入門」本間正人
今回の本間氏の本では,コーチとクライアント1対1ではなく,1対多数のグループコーチングを扱う。多数といっても,それぞれ悩みや問題を抱えたクライアントというよりは,会社組織の部内等でのミーティングをコーチングの手法を使って行いましょうといった感じである。部内で目標やビジョンを共有し,チームのほかのメンバーと情報共有をしつつチーム内の問題をコーチングの手法で解決していく,といった感じだ。ここでコーチは,ファシリテーターのような役割が求められる。チームメンバーの性格を生かしつつ,話し合いが円滑に効果的に進むようにマネジメントするのだ。
本間氏の本ではお馴染みのケーススタディを読んでいたら,チームのこと,最近起きてること,会議をどう進めるかの計画など,さまざまなことを把握し,考え,よく観察してないとコーチをうまく務めることはできないだろうなという印象。

◇「図解入門ビジネス 最新コーチングの手法と実践がよ~くわかる本[第3版]」谷口祥子
280ページ近くある厚い本。見開き1ページで1つの話題を扱い,コーチングの基本と場面ごとでのコーチングの活かし方,コーチングのベースとなっている心理学の知見と,コーチが活用できる心理学の理論などを収めている。
個人的には最後2章分にわたる心理学の話題にひかれた。わたしは心理学専攻で,8年もけっこう幅広く学んだつもりだが,コーチングを扱う教授はいなかったし,教科書等でも扱われなかった。だが,コーチングの本を読んでいるとロジャーズのクライアント中心療法や認知行動療法,ポジティブ心理学に通じるような話もけっこうある。読みながら,自分が今まで学んだ心理学を再度軽くではあるが学べたし,今回初めて知った事柄・領域もあり,新たに知識を得ることができた。

122/122 読了


ついに読了です!パチパチパチパチパチ!

2019/06/17

VRゲームとARゲームでガチ遊び!

いや~ホントに楽しかった!VRゲームとARゲーム。ヘッドマウントディスプレイを通して見る世界に私の身体はすぐ適応して,物理的な現実世界とはまるで違う世界で自分がホントに生きているかのような錯覚に完全に陥りましたよ…というわけで,VREX新宿店(http://www.vrex.jp/)でのゲーム体験レポ!

VRゲーム仕様
ARゲーム仕様
今回体験したゲームは,4つのVRゲームと1つのARゲーム。ここで少しだけ解説を。VRとは,virtual reality。自分の視覚や聴覚などの感覚器官が刺激されることで,つくられた仮想空間の中にまるでホントにいるかのように感じられる技術である。一方ARは,augmented reality。自分が実際に存在している物理的世界の情報を加工する技術である。物理的世界に情報が付加されたり強調されたりする。これらの技術が使われているゲームがVRゲームとARゲームというわけだ。ちなみにプレイするときには,写真のような感じで身体にデバイス等を装備する。VRゲームの際には,頭からヘッドマウントディスプレイをはめ,それとケーブルでつながっているPC(おそらく)を背負い,両手にはコントローラーを持つ。ARゲームの際には,VRのときよりも少し軽いヘッドマウントディスプレイを装着,右手にはiPhoneがセットしてあるベルトを巻いた。


前置きはこの辺にして,体験したゲームを紹介!
①ヨケロック(VR)
ゴーグルをはめて連れて来られた世界は,カンボジアの遺跡か?と思うような石造りのお起きた建物がある世界。建物でかっ!と思っていると,大きな岩が建物上方からどんどん落ちてくる。それを右に左に動いたり,座ったりしてよけてよけてよけまくる。岩の落下が一段落すると,今度は大きな宝箱が落ちてくる。今度は右に左に動いてこれをキャッチする。この2つが得点化され,対戦相手と勝負するというわけだ。
宝箱とった?
ゴーグルを通して見る世界に身体はすぐ適応してた。というのも,地面に段差があったところがあって,ぶつかるのを避けるため,そこをまたぐようにして歩いたけど,あ,現実世界に段差なかったじゃん,とあとで気づいたり。大きな岩が落下してきてぶつかりそうになるとギャー!こっちくる,ヤダあたるー!!とかと普通に絶叫していた。もちろん,ただの映像なので当たるわけないのだが。すごい没入感。
上の動画のように,ゲームプレイ後に,自分たちのプレイをディスプレイで確認できる。ちなみに私のアバターは,赤い髪のお兄さんの方。


②バーチャルライフ 青春編(VR)
こちらは,アバターになって人生ゲームを体験するゲーム。自分のアバターが実際にさいころを振り,すごろくの上を出た目の数分歩いてゴールを目指す。青春編だったから,小学校から始まって,途中おこずかいもらったりして,高校卒業がゴール。このゲームでは,自分のアバターのヘアスタイル,髪色,顔つきなどを選ぶことができた。私はピンクのポニーテルの女の子にしたよ!なぜか優等生になり,自作アプリも売れて大儲けして勝利を勝ち取った!はらはらと桜が舞い散る中,卒業証書を手にしつつ,机に札束がガッツリ積まれていますね。
ゲーム上のすごろくは,二部構成になっていて,一部が終わって二部になるとき,ステージを移動します!という係の人の声に従って,何かの上に乗ることになる。ゴーグルから見える世界では,自分はセグウェイ的なものに乗っていて,ぐんぐんスピードUPしつつ海岸沿いの道を進んでいく。TDLのスターツアーズのように画面が動き,途中実際風も吹いてきて,足を乗せている何かもおそらく少し動いて,ほんとに自分で運転して進んでいるかのような錯覚に陥る。で,あと少し進むと海へ真っ逆さまというところで画面は止まり,第二ステージが始まるのだ!


③まくら投げ(VR)
バーチャルライフ 青春編では修学旅行にも行くのだ。修学旅行といえば枕投げ!私も中学と高校の修学旅行でバリバリやりましたよ。というわけで,童心に返り,一緒に遊んだ友人のアフロヘアめがけてまくらを投げまくった。
かがんで下に落ちてる枕を拾って,相手に投げつける,しかも自分の頭に当てられないようによける・逃げるを繰り返すとけっこうな運動量…。終わったときは息がゼイゼイしていた…。いやー,やはり頭の面積が広いと枕も当たりやすいもので!私の勝利!


④ばんばんブルーム(VR)
これはシューティングゲーム!目の前に現れる妖精さんや植物のつぼみをバンバン撃って,自分の色を増やしていくゲームだ。このゲームでは,自分の立ち位置はほぼ固定。その変わり,画面が動き,自分が空をどんどん昇っていくような感覚になる。植物もめっちゃ上まで伸びていて,よよ,ジャックと豆の木かい!状態。ふわふわ飛んでくる妖精さんは少しおマヌケな顔をしていた。自分が昇っていきながら,動いている妖精を撃ったり,定位置にあっても数回撃たないと開かないつぼみをシューティングするのはなかなか難しい。ウケたのが,相手の立ち位置の箇所を打つと草が生えるという設定。相手に撃たれて,いきなり足元にズバッと草が生えたのはびっくりした。
こちらは写真と動画を撮れなかったので,オフィシャルの動画を載せるよ。


⑤HADO(AR)
ARゲームなので,普通に物理世界は見えている状態。で,ゴーグル上では自分と対戦相手のライフポイントや攻撃,シールドが物理世界に付加された状態で見えている。手を動かして自分のライフポイントを削らないように守りつつ,相手のライフポイントを消していくというもの。テニスコートのように,自分の陣地と相手の陣地が分かれていて,自分の陣地内であれば自由に移動可能。180s,2セットで競う。
こちらは私,ボロ負けしました…敗因は戦略ミスと,身体を余計に動かしてしまって無駄打ちやあれ,シールド出ない…となっていたこと。あぁ悔しい…
店内で流れていたデモ映像によると,なんとワールドカップがあるじゃないか…ってなわけでググってみると,こんなサイトを発見(https://meleap.com/tournament/)!プレイしてる人たち,かっこいい…!
こちらも写真や動画を撮れなかったので,プロモ動画を載せとくよ。私もかっこよくカメハメ波を撃ったり,マトリックスさながらに攻撃をよけたかった…!!

というわけで,けっこうな運動量で汗かきながら遊んできた!
家庭でできるVRゲームもいろいろあるみたいなので,おうちでもやってみたいなーと思った次第。でも部屋が狭くて物が多いから,十分に動けないよなーとも思ったり。ばんばんブルームのようなものだったらできそうだが…
VRゲーム・ARゲーム,また遊びたい!!!

2019/06/16

コーチング関連本を読んでるよ Week 30

コーチング関連本,122冊読了しよう企画をやっております。残り20冊!

◇「NLPでコーチング-最高の人生を生きるためのライフ・コーチング実践ガイド-」ジョセフ・オコナー,アンドレア・ラゲス
タイトル通り,コーチングの1つの流派であるNLPコーチングについて取り扱った内容。NLPコーチングの特徴の一つは,クライアントの使う言葉や態度から,彼らがどの感覚器官を重視しているかを把握し,それに対応した言葉遣いや態度をコーチも示すということである。
各章末に,行動のステップ「あなたが理解したいと思うなら行動することです。」と書かれており,行動がいかに重要かをリマインドされているのがよかった。そうなのだよ,結局行動することによってしか変わっていかないのよね。
実はこの本,「コーチングのすべて」の著者が書いている。「コーチングの全て」にもこの本にも著者が見た夢の話が出てくるのだが,これがコーチングとどう関連しているかがいまいち分からなかった。


◇「チームコーチング――集団の知恵と力を引き出す技術」ピーター・ホーキンズ
コーチングというと,個人相手になされることが多い。組織内でのコーチングも,組織の構成員それぞれに対して行うのが一般的だ。本書は,組織のコーチングは,個人に対して行っても意味がないとする。個人ではなく,チームに対して行わなくては。チームの構成員ほか,顧客や株主,取引先などさまざまな人との関係の中で,チームが最大限力を発揮し,高業績を上げるためにコーチングを行う……その方法を解くのが本書である。
高業績を上げるチームに不可欠な5つの原則(任務を与える・明らかにする・共創する・つなぐ・コアラーニング)や,コーチングプロセス(CID-CLEARモデル),コーチングに使える測定ツールなどを提供する。
本書で何度か出てきたワードで気になったのが,アンラーン(unlearn)。現状効果的ではない知識や習慣,スキルなどを働かせないようにすることだ。それらがあるせいで,何か新しく身につけよう,学ぼうとしても上手くいかない。アンラーンをいかに促進させるかも,効果的な学習のための鍵だと思う。

◇「教師のほめ方叱り方コーチング」神谷和宏
中学教師経験の長いプロコーチの著者によるコーチング本。児童・生徒に対して,コーチングに基づいてどのように褒めと叱りを行うか,を見開き1トピックで紹介する。単純化しているきらいがあるものの,イラストも豊富でわかりやすい。著者は,コーチングを自身で取り入れてから,生徒たちとの関係がうまくいくようになったようだ。そして,褒めと叱りは7:3くらいの割合がちょうどよいとしている。
これまでの経験から、私自身は叱ることが難しいと感じている。ここは叱るべきところなのか?と考えてしまうことが多いからだ。つまり,自分の中で,こういうときは叱るという基準が定まっていないからだと思う。叱るということについて,試行錯誤していきたいと思った。

◇「ザ・コーチ2 ― 神様からのギフト」谷口貴彦
人生にちょっとした行き詰まりを感じている女性が主人公。会社の研修を通じてコーチと出会い,コーチングを体験する中で,会社内での人間関係や家族との関係を改善し,自分に無理せず,前向きに生きていくようになるまで描く。主人公の心情や人間関係がどんなものか,物語の中でしっかり描写されていたこともあり,読んでいる途中で感情移入していることに気づいた。描かれているコーチングのベースとなる考え方や手法も理解しやすく,物語を読みながらセルフコーチングすることも可能である。
本書で展開されているコーチングでは,まず,自分の現状を確認する。今の自分が,仕事や家族などの面でどのような状態かである。そして,現状を変えるためには,まず自分の基盤を整えることが必要と説く。そのプロセスは,自己受容→自己信頼→自己尊重である。自己受容はあるがままの自分をすべて受け入れること,自己信頼は叶えたいことや成し遂げたいことは自分でできると自分に任せること,自己尊重は自分を守り,尊び,労ることである。自己の基盤が整ってきたら,次はエネルギーチャージである。これには,夢や目標,そこに向かう動機や価値観がいる。また,夢や目標には賞味期限があるため,しょっちゅう描かないといけないとも説く。夢や目標があれば,あとはそれを達成するための知識やツールを得て,行動するのみだ。もちろん,そうトントン拍子に事は運ばない。本書では行動や成長をストップさせる阻害要因についても触れられており,主人公が阻害要因を取り払っていく様子も描かれている。

物語なのでうまく出来すぎているキライはあるかもしれない。でも,読んでいてほっこりとした温かい気持ちになった。そして,読みながら主人公の疑似体験ができるためか,今まで読んだどのセルフコーチング関連本よりも,当事者意識を持って読めたように思う。

◇「子供を伸ばす教育現場」和田秀樹
精神科医の和田秀樹氏による,教育現場で働く12人へのインタビュー集。インタビュー相手は,私立中学の校長や塾・予備校の代表,音楽教育や体育教育,合気道による教育を行う機関の代表等である。
本書の中で,和田氏自身は日本の公教育について危機感を抱いている。この本が発行されたのは2009年。ゆとり教育の燦々たる結果が出て,ゆとり教育やめよう,となっていた頃のことである。インタビュー相手は自身の教育に信念を持ち,子どもたちの能力を生かしていこう,とする人ばかり。ゆとり教育によって,上位層を活かすことも下位層を底上げすることもできず,ただただ生徒全体の学力が低下してしまったこと,子どもに様々な体験をさせ,コレ!というものに出会わせるうようにしていくこと,競争による弊害ばかりでなく,いろいろな競争をさせて自分の得意を見つけたり,できる人に追いつこうと努力するという益を生かしていくこと,などが印象的だった。

◇「教師力アップのためのコーチング入門―子どもを伸ばすコツと会話術」河北隆子
ビジネス現場でコーチをしてきた著者。現役教師への取材をベースに,学校現場でどうコーチングを展開するかを述べている。コーチングに基づいた,ベースとなる生徒への接し方・関係の作り方に始まり,シチュエーションごとにどう対応するかのケーススタディもある。
生徒と教師はパートナー。安心・信頼のある関係の構築を。生徒自身の気づきを促すような言葉がけを。思い込みで生徒やクラス全体を見るのをやめ,現状を正しく,様々な人やことが関連し時間とともに変化していくシステムとして把握すること。教師間・教師保護者間でのコミュニケーションおよび良好な関係構築の重要性が心に残った。

◇「図解&会話例でわかるプロ教師の「最強」コーチング術 入門編 」中土井鉄信・井上郁夫
コーチング本でありながら,発達心理学やアドラー心理学,人が社会化していく過程などの心理学分野の知見が本書の半分くらいを占めている。心理学分野ので研究されてきた人間観をベースにして生徒をとらえつつ,コーチングによって彼らの力を引き出していきましょう,というわけだ。
アドラー心理学については,人の行動にはその人が達成したい目的が内在している,ということが私的にはいちばんの核だと思っている。個人個人はその目的を達成するために行動しているため,傍から見たら意味不明な行動も,本人的には理屈の通った行動なのである。自分および他者の目的を正しくはっきりと捉えられれば,人間関係の構築が今よりしやすくなるに違いない……。
会話例に載っていた,宿題をやってこない子に,やってこないことで先生ががっかりする→そういう気持ちを他人に起こさせることはいけないと思わせる→宿題をやるようになる,という話については,おかしいと思った。先生の機嫌とりのために宿題やるの?他人(の期待に沿わずに)をがっかりさせるのは悪いこと?そうやって子どもをコントロールするのは何か違くないだろうか。

◇「先生のためのセルフコーチング 自分への問い方次第で教師人生は変わる!」大前暁政
セルフコーチングの手法を記載した本。ベースとなるアイディアは,なりたい自分を強く強く思い描き続けることで,そうではない現状の自分に違和感を感じ,なりたい自分になるための行動が生じてくるという,苫米地英人氏が提唱するものである。理屈でガツガツ攻めてくる内容であった。個人的には,なりたい自分像を描くことの難しさ,自分を抑える存在の強固さを体感しているので,この方法でセルフコーチングが成功するとは思えない。
参考になった点は,よく聞く○○力の中身を解説してくれていることだ。本書では,教師特有の職業的知識や技能(学級担任向け)として,授業力・学級経営力・子どもへの対応力を提示し,それぞれの力とはどんなものかをさらに箇条書きで提示している。

◇「ベーシック・コーチング実践ワークブック」土岐優美
コーチングの基本を見開き1ページで教えてくれる本。ページ左側は穴埋め式のワークがついていて,コーチングの知識に関する自分の理解度を測ったり,自分だったら相手のその発言にどう返すかを手を動かしながら考えられるようになっている。また本書の後半では,コーチングがあらゆる場面で生かせるとして,会社の上司-部下関係のみならず,営業や接客,キャリアコンサルティング,介護,親子・夫婦関係,恋愛関係,資格取得・スキルアップ等への活かし方の概略を記載している。
本書で学んだことの1つは,目標は自分との約束であるということ。私はといえば,目標を立てる際はいつも外を向いていて,自分との約束と捉えたことはなかった。自分との約束は大切にしたい。

◇「もっとその気にさせるコーチング術」高畑好秀
子どもたちにスポーツを指導するコーチ向けのコーチング本。子どもたちとの関係構築の仕方やモチベーションの高め方,練習のさせ方,試合前後のメンタルの支え方などを掲載している。実践的で,すぐにでも取り入れられることが多い。
スポーツ関連コーチング本ではあるが,英語学習もスキル習得だからだろうか,これ取り入れたら役に立つだろうなというtipは複数あった。印象に残ったのは,子どもたちと指導者側での認識のズレをいかに埋めていくかに関して。子どもたちと指導者では見ている視点が違う。そして,それぞれが発する言葉に込められた意味も微妙に違う。例えば指導者が7割の力でボールを投げるように,と言って,子どもたちが7割のチカラでボールを投げても,それが果たして指導者の意味するところの7割と一致しているとは限らないのだ。だから,言葉だけでなく,実際にやらせながら指導するなどしてズレを修正して導いていく。
この手のズレは日常生活におけるさまざまな人との会話でも生じているに違いないので,ズレを小さくする伝え方,受け止め方を心がけたい。

◇「コーチングのプロが使っている質問力ノート」ルパート・イールズ=ホワイト
原著タイトルは「Ask The Right Question」。どのような質問をすれば,会話をすれば,相手にも自分にも有益な関係を作れるかに焦点が当てられた内容である。
本書では,質の高い人間関係を築くための会話は,目的を持った会話であるとする。それは,会話を始める→問題を明確にする→議論を発展させる→問題を解決する→行動を決める,と進行する。焦点を絞り,会話の参加者が会話後にどんな行動を起こすべきか理解することが求められる。それによって,達成感の共有がなされるのだ。
本書に示されている会話例で印象に残ったのは,相手の中にある1段階深い理由や目的を出させているところだ。これは,問題の明確化に当たる。人が何らかの行動を起こすとき,それなりの理由や目的が存在する。だが,理由や目的というのは自分の中のちょっと深いところに潜っているもので,問われて反射的に出てくる理由や目的だけでは的を得ていないことが往々にしてある。そこで,本書の会話例では,他にはどんなことがあるの?とか,何か別に問題があるんじゃない?などと,相手の発言内容を少しだけ掘り下げる質問をしているのだ。
また,質問の仕方一つで相手に考えさせる内容や答えが随分変わることを実感した。

114/122 読了