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アンドレアは仕事にどう向き合っていたのか。それは,その場にいるにふさわしい人間になるための努力をしたことと,相手が欲することをしっかり考えたうえで行動したことによく表れていると思う。記者志望の優秀なアンドレアは,ファッション雑誌編集長ミランダのアシスタント職をなめていた。それでもそれなりに一生懸命やっていた。しかし,一生懸命やっても編集長は一向に認めてくれない。それを同僚にぼやいたときに,「君は努力していない,ぐちを並べているだけ」と言われてしまう。なぜならアンドレアは,ミランダがぐうの音も出ないほど満足することを彼女に与えていなかったからである。そのときからアンドレアは変化していく。自分の意志で,今まで着ていたダサい服からおしゃれな服に着替え,ファッションセンスを磨いていく。また,ミランダから指示されたどんなことも完全的確に処理するだけでなく,そのあとミランダが何を求めるか推測して行動,推測して行動,推測して行動を何度か行い,ミランダが求める以上のことを言われる前にやっていくようになる。私もよく「仕事を一生懸命やっている」と自分で思うし,人にそう言ったりもするのだが,私の一生懸命のレベルって低いな…と。しかも,自分では十分一生懸命やっていると思っているから,それ以上のことをしようという発想も出てこない。相手は,私がしたことにどれくらい満足しているのだろう。
仕事への態度を変えたアンドレアはその後,忙しい毎日をすごく楽しんでいるようで,それがまたとても印象的だった。きっと真摯に向き合い続ければ続けるほど,その世界に深く飛び込んでしまえばしまうほど,新しい考えや他にもできることが生まれてきて,楽しくなっていくものなんだろう。中途半端に一生懸命な私が得たものは,楽さと心地よさ,そしてそこそこの楽しさだ。満足感?それもそこそこの満足感でしかない。中途半端な一生懸命はもうやめ!