2016/10/11

本レビュー ケリー・マクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」

ケリー・マクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」(https://www.amazon.co.jp/dp/4479305580)を読んだ。読んでいてはっとしたことをまとめておきたい。

①どうにでもなれ効果
何かを自制中の人は,一度失敗したり,誘惑に負けたりすると,さらに失敗するような行動をとったり,それ以上自制することをやめてしまったりするらしい。このことは例えば,ダイエット中の人が,ダイエットに少しつまづいただけでひどく落ち込み,ダイエットをあきらめて,たくさん食べてしまう,という現象に表れている。なぜこんなことが起こるのかといえば,一度の失敗体験によって,自分の中にネガティブな感情が生まれるから。失敗した自分に,自己嫌悪,恥,後ろめたさ,失望したりする。そのネガティブな感情を解消するには何か気晴らしが必要だ。じゃあ,どうやって気晴らしするか。そこで落ち込む原因となったそのものを利用しようとするのである。でもこの気晴らし方法では,気晴らしの後気分が晴れるどころか,また誘惑に負けてしまったと,余計に落ち込むことになってしまう。
では,どんな気晴らしをするのがいいのか。その答えは自分をなぐさめることである。実際実験で,ダイエット中にも関わらずドーナツを食べてしまった女性に,「あまり自分に厳しくしないように,誰でもときには自分を甘やかすことがある」などと慰めの言葉をかけたら,何も言葉をかけなかった女性よりもその後に食べるお菓子の量が減っていた,という結果が出ている。自分に厳しくするのではなく,自分を思いやり優しくすること,これがモチベーションや自制心を高めるのに役立つとのことである。

②将来の自分をつねに過大評価
人は未来の自分を過大評価するらしい。今の自分にできなくても,未来の自分なら出来るはず,いるもそう考えている。だから,今できないことは未来の自分へパス!しかし現実は,未来の自分も同じ自分。未来の自分もそのまた未来への自分にできないことをパスして,結局どんどん問題は先送りされることとなる。
では,このパス回し現象をどう解決するか。今の自分と将来の自分をつなげること答えである。将来の自分を具体的かつ現実的にイメージし,それは今の自分の延長線上にあるととらえ,今の自分の尻をたたく。

③欲求を受け入れる
何かを禁止すると,逆にそれをしたくてたまらなくなる。何かをしないようにすると,そのことが頭にこびりついて離れない。そんな経験はよくあるだろう。であれば,禁止は逆効果になるのでするべきではない。その代わりまずは,したいと感じている気持ちを十分に素直に受け入れる。そのうえで自分の本来の目標を再確認したり,本来の目標を達成するためにしてはいけないことではなく,したらいいことを考える。

以上3つが,この本を読んでいて「なるほどなー」と思ったことである。特に②将来の自分をつねに過大評価,は耳が痛い。どうしてだか,今の自分をさしおいた,未来の自分への根拠なき自信が存在している。私,落ち着け,冷静になれ。
この本全体を通して感じたのは,自分が望む自分になりたいのなら,自分の思考や行動に常に注意を向け,ときおり立ち止まり,どこに向かっているのかを自分で確認することが必要だということである。これだけ読むとなんとも当たり前のことを言っているように思えるが,やるのは難しい。私たちの脳は基本,負担のかかることを好まない。惰性バンザイ,習慣バンザイなのだから。想像してみる。そんな脳のネイチャーに,同じ脳内のはじっこで肩身のせまい思いをしている打倒惰性!打倒習慣!が闘いを挑む。私の中の反乱軍よ,勝利を信じて進んでいこう。

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